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YAMATO

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Chapter14(Chronostasis編)

Chapter14-①【黄金センター】後編

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『サキトさんと同じ…!?』
隣で仁王立ちしていた男のペニスが黄金のリングの中へ入っていく。
倒立している男の筋肉は痙攣し、真っ赤に染まる。
アクロバティックな交尾は美しく、芸術的だ。
タカユキは呆気に取られたが、視線を外す事が出来なかった。
両脇の二人の男は自ら脚に枷を嵌めると、逆立ちした。
揃った爪先がピンと伸びる。
枷から伸びるロープは天井の滑車を通り、ハンドルに繋がっていた。
ペアの男がハンドルを廻すと、二人の男が宙吊りになる。
バランスを崩す事なく、美しい姿勢のまま舞い上がった。
吊られた男達は腹筋を使い、上半身を引き上げる。
そしてハンドルを持つ男の顔へ口を寄せた。
「あのマスクはラバー製です。
美しいと思いませんか?」
入江の問い掛けにタカユキは頷く。
吊られた男のマスクから長い舌が伸びる。
ハンドルを持つ男も舌を出し、迎い入れた。
三組のマスクマン同士の絡みにタカユキは魅了された。
 
「タカユキさんも被ってみませんか?
三号、こちらへ来なさい。」
入江はタカユキの返事を待つ事なく、一人のマスクマンを呼びつけた。
センターに君臨する金色のリングを填めた男だ。
「ご用ですか?」
三号と呼ばれたマスクマンが抑揚のない声で聞く。
「お客様にマスクをお貸ししなさい。」
入江が命じる。
「はい、畏まりました。」
後頭部に手をまわし、ジッパーを下ろす。
空気が闖入したマスクの内部から汗が滴り落ちる。
三号はマスクを取ると、その手を目の前に伸ばした。
「み、ミサキ君!」
タカユキが叫ぶ。
だが、三号は反応しない。
目線はタカユキに向いているが、その焦点はその先で合っていた。
以前の相手を睨む様な眼力は失せ、生気を感じさせない視線だ。
 
『あのミサキ君が…。』
何度もピンチに現れ、助けてくれた。
颯爽と登場し、敵をやっつける姿は正にヒーローだ。
どんなに分が悪くても、その瞳から闘志が失せる事はなかった。
そのミサキが死んだ様な目をしている。
その違和感が不安を煽った。
『早くここを出ないと…。』
本能が背中を押す。
翳されたマスクから汗が落ちた。
その雫が腿で弾ける。
鼻孔からラバーの匂いが雪崩れ込んできた。
芳しい香りが酔いを促す。
視線を腿からマスクへ移す。
『ミサキ君が…。
早くここを…。』
目線と同時に思考が止まった。
 
「おやっ、タカユキさんは三号とお知り合いでしたか。
これは奇遇ですね。
さあ、ラバーのマスクを被ってみなさい。」
入江の口調が変わった事にもタカユキは気付かない。
震える手でマスクを受け取る。
頭に被せてみるが、小さなマスクは上手くフィットしない。
「私が被せて差し上げましょう。」
サキトが立ち上がり、マスクを後頭部へ引っ張った。
「びちゃっ!」
内側の汗が肌に当たり、顔面が突っ張る。
ジッパーの閉まる音と供に、顔が締め付けられた。
微かに開いた鼻孔からの空気だけでは心許ない。
タカユキの呼吸は次第に荒くなっていく。
 
 
(つづく)
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