妄想日記4<<New WORLD>>

YAMATO

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Chapter8(Band Of Brothers編)

Chapter8-⑪【休戦協定】

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「絶対に落とすな!
落とした時点で協定の話は終わりだ。
頭の後ろで手を組んで、気合いを見せろ!」
ナツキは鼻孔に小瓶を宛がうと、ゆっくり刺激臭を吸い込む。
口から地鳴りの様な低い声が漏れてきた。
瓶をカウンターに置くと、ヒバリの乳首を摘んだ。
そして思い切り引っ張り、捻り上げた。
身体が持って行かれそうになるのを必死に耐える。
痛みが脳に伝達する前に快楽に変換されていた。
ヒバリは享楽の終焉が伸びた事に安堵し、そこに身を投じる。
全身が更なる快楽を欲した。
ナツキの唇が真っ赤に染まっている。
それが自分の乳首から出た血だと気付いていない。
歯が食い込む度に、押し寄せる波が大きくなる。
その波に足元を掬われない様、両足を踏ん張って堪えた。
「さすがだな!
俺の乳首責めを受けて、勃起しっ放しの奴はそういないぜ。
大した変態だ!
おらっ、カウンターに手を付いて、ケツを突き出せ!」
ナツキは自ら頬を叩き、気合いを込める。
目の前に小瓶があった。
それを鼻に近付け、思い切り吸引する。
血が滾る様に身体が熱い。
カウンターをがっちり掴むと、背を反らす。
ナツキが売り物の潤滑油を取る。
開封したオイルの先端をアナルに突っ込むと、一気にボトルを潰す。
ドボッとオイルが雪崩込んで来た。
間髪容れずに巨漢が覆い被さる。
抵抗する事なく、太マラを呑み込んだ。
「全く締まりがねぇケツマンだな。
マッチョはタイプじゃねぇけど、お前みたいな変態なら組んでやってもいいぞ。
但し仲間じゃなくて、舎弟としてな!」
ナツキが卑しい笑い声をあげた。
ヒバリは小瓶を握り締め、現実から逃避する。
刺激臭が肺に達する度に景色が揺れた。
 
カフェの二階に上がり、窓際の席に座る。
通りが見渡せ、ナツキの店の階段も見えた。
道行く人は皆衿を立て、家路を急いでいる。
温かい夕飯が待っているのだろう。
ヒバリには無縁な世界だ。
このコーヒー代を払って、遂に持ち金は三万円を切った。
『残金がなくなった時、俺はどうするんだ?』
自分自身に問い掛ける。
一瞬、ナツキのアパートが脳裡に浮かぶ。
頭を振って、その映像を追い払う。
店内を見回すが、ヒバリに注意を払っている人はいない。
気の所為かと、溜息を漏らす。
絶えず誰かの監視下にいる様な気がしていた。
 
「よっ!お前の周りだけ、ザーメン臭いぜ。」
遅れて来たナツキは辺りを気にせず、大声で話し出す。
ジャンパーを脱ぐと、季節外れのタンクトップ姿になる。
ムチムチの筋肉で伸び切ったタンクが悲鳴をあげていた。
「で、俺がお前の二の舞って、どういう意味だ?」
席に座るなり煙草に火を点ける。
旨そうに煙りを吐き出すと、鼻から吸い上げた。
ヒバリは黙ったまま手紙を差し出す。
「こんだけか?
これどうしたんだ?」
煙草を揉み消したナツキが聞く。
「知らない男に殴られて、気が付いたら置いてあった。」
ありのままを伝える。
「何だそりゃ!」
ナツキが馬鹿笑いをした。
周りの客が振り向く程、がさつな笑い方だ。
「やっぱ罠かな?」
今度はヒバリが聞く。
「んー、こんだけじゃあ、分かんねぇな。
仲間割れかもしれねぇし。」
ナツキが意外な発想を口にした。
仲間割れ等、頭にも浮かばなかった。
ナツキの顔を改めて見る。
外見はいけ好かない筋肉馬鹿だが、意外と冷静な思考力の持ち主かもしれない。
この物怖じしない性格も重なり、今のヒバリには大変頼もしく思えた。
「お前がやられた時の話をしてみろ。」
二本目の煙草に火を点ける。
ヒバリは横浜の飲み屋で聞いた話とマンションでの出来事を時系列に話した。
「そのマスク男はネットで話題になってる風紀マンに違いねぇな。」
分厚い唇が煙りを細く吐き出す。
 
 
(つづく)
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