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YAMATO

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Chapter7(Golden Opportunity編)

Chapter7-⑥【乾杯】

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ダイニングテーブルに入江、サキト、片山が座っていた。
仁藤はワインを注いで回る。
慣れない給仕に注ぎ口が震えた。
「二号誕生に乾杯!」
入江がグラスを掲げる。
「乾杯!」
サキトと片山がグラスを重ねた。
「まさか一号以上の適応者が見付かるとは思わなかったな。
これなら上客が付くぞ。」
片山が空のグラスを仁藤に向ける。
「畏まりました。」
腰を直角に曲げ、ボトルを傾けた。
「片山さん、お喋りが過ぎます。
それに二号は一号と違います。
勧善懲悪が二号の目的です。
お間違いなく。」
サキトが厳しい口調で注意する。
「ああ、勧善懲悪のヒーローでしたな。
以後、忘れない様にしますよ。」
片山が嫌味っぽく言い返した。
「まあまあ二人とも、今日はめでたい席です。
楽しくやりましょう。
さあ、食事の用意をお願いします。」
穏やかな笑顔で入江が仲裁に入った。
「畏まりました。」
仁藤は返事をすると、厨房へ向かう。
キッチンで出張シェフが手際良く調理をしている。
「食事を始めて下さい。」
コック長に伝えた。
 
話の展開に付いて行けずにいた。
二号というのは、仁藤自身だと見当が付く。
だが一号というのは誰なのか、さっぱり分からない。
直立不動の姿勢で次の命令を待つ。
入江はいつもの迷彩のボディスーツを着たままだ。
片山はピンクのにボディスーツに同色のスパッツを穿いている。
サキトは白いサイクリングスーツを着込んでいた。
フロントのジッパーが張り裂けそうだ。
サキトの股間を盗み見る。
発達した大腿の間に特大の隆起が覗く。
喉仏が大きく動いてしまった。
 
「サキト君は今晩は泊まれますか?」
入江がステーキを口に運びながら質問する。
「ええ、数日間お邪魔するつもりで来ました。
休みが無駄にならなくて良かったですよ。」
サキトは肉ではなく、魚料理を食べていた。
「では暫く二号の栄養とトレーニングの面倒をお願いします。
メニューにお考えはありますか?」
入江がシルバーを置く。
「もうお済みですか?」
サキトが目を見開く。
「年を取って、食が細くまりました。
片山さんが羨ましい。」
入江が赤ら顔に視線を向ける。
片山は500グラムのステーキを平らげ、デザートのフルーツに喰らい付いていた。
「食事は朝食のみを与えます。
後は黄身やハチミツ等を加えたスペシャルプロテインのみです。
午前中は日焼け、午後はみっちりトレーニング三昧です。
夜は格闘技をみっちり教え込みます。」
サキトは満面の笑みを浮かべ、メニューを披露した。
入江は黙ったまま何度も頷く。
「まあ、サキトさんは実績がおありだ。
任せておけば心配ないでしょう。」
片山は太鼓腹を叩くと、豪快に笑った。
 
「今日の食事はこれだけです。
しっかり取っておかないと、一日持ちません。」
サキトの言葉に、朝食を腹に詰め込む。
味を堪能している暇はなく、ただ押し込むだけだ。
食事が終わると、プールサイドへ向かう。
案の定、またベッドに繋がれた。
だが今日はノズル付きの貞操具は装着しない様だ。
「昨日の実験はどうでしたか?」
シングレット姿のサキトがオイルを塗ってくれた。
「最初は見知らぬ人達の視線に曝されて、恥ずかしさと悔しさを覚えました。
そして意思とは関係なく暴走する自分の肉体に戸惑いました。」
正直な感想を話し出す。
「思考と肉体の分離が、私に新たな興奮を与えてくれました。
丸で…。」
適当な単語が浮かばない。
「丸で?」
したり顔のサキトが先を促す。
「丸で誰かに肉体を支配された様な感覚でした。」
マラが太陽に向かう。
「やはりそうですか。
その支配に順応出来るかが、重要なポイントでした。
そしてあなたはそれを受け入れた。」
サキトがフロントのジッパーを下ろしていく。
 
 
(つづく)
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