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Chapter5(Bitter Legacy編)
Chapter5-⑦【成功】
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ホテルに戻ると、レオがテーブルの上で踊っていた。
「客を煽るのはこれが一番だぜ!」
白いウェアに水を吹き掛ける。
水分を吸い込んだウェアが筋肉に張り付く。
レオの発達した大胸筋が、腹筋が、ペニスが浮かび上がる。
仁藤の鋭い視線と搗ち合う。
ヒバリは大きく頷く。
「お前、何やってんだ?」
呆れ顔でレオに聞く。
「あっ、戻ってたんだ。
仁藤さんがエロいウェアを沢山持ってるから、ファッションショーさ。」
レオは頭の上で掌を組み、ポーズを取る。
仁藤がそれをカメラに収めていた。
「流石に現役の体操部員だ。
筋肉の質が全く違う!
丸で彫刻の様だ!」
仁藤が賛辞の言葉を浴びせ掛ける。
すっかり気を良くしたレオは更に筋肉を誇張して見せた。
ヒバリはタケルに視線を向ける。
そんな光景をニコニコ眺めていた。
「タカユキ君も一緒にどうだ?」
仁藤がシャッターを押したまま言う。
「変な事言わないで下さい。
社長の前で!」
タカユキが大声で抗議する。
「私の事は気にするな。
そんな事で査定はしないさ。
それにそろそろ御暇するよ。」
タケルが腰を浮かした。
タカユキも慌てて立ち上がる。
「今日はお忙しい中、お付き合い頂きまして、ありがとうございました。」
直角に腰を曲げた。
下を向く顔に笑みが浮かんだ。
「いや、私も久し振りに、楽しい時間を過ごさせて貰いました。
皆さん、またいらして下さい。」
タケルはそう言うと部屋から出て行った。
「いい社長で良かったな。
俺も安心したよ。」
ホタルが肩に手を置く。
「うん。社長には感謝してるんだ。」
タカユキは素直にそう思った。
『やはり社長が悪人とは思えない!
もう一度、仁藤さんを問い質してみよう。』
ヒバリに悪事を頼む前で良かったと、胸を撫で下ろした。
「あー、眠い。
ベッドで横になってくるよ。」
ホタルがベッドルームに入って行く。
「さあ、これで心置きなく脱げるでしょ?」
仁藤が妖しい視線をタカユキに向ける。
『心置きなくはお前だろ!』
ヒバリは腹の中で悪態を吐く。
『これでリッキーを連れて、海外旅行だ!』
皮算用をして、ひとりニヤニヤする。
「俺も疲れたから部屋に戻るわ。」
ヒバリは伸びをすると、部屋を出て行った。
「俺も記念にタカユキさんと撮りたいな。」
レオが甘えた声を出す。
社長も実兄もいない今、拒む理由はなくなった。
「でも何か恥ずかしいな。」
タカユキはいまひとつ気乗りしない。
第三者にレオとの営みを見られたくなかった。
「だったらこんな物を使ってみたらどうですか?」
仁藤がバックから取り出した物を放り投げる。
テーブルの上に落下した物を見て、レオとタカユキは息を呑んだ。
それは二枚の全頭マスクだった。
一枚はレザー製で目が開いている。
もう一枚はラバー製で、見るからに卑猥さを醸し出していた。
どちらも口元はジッパーが付いていて、開閉可能な作りになっている。
「こんなマスクも持ち歩いているのか!
仁藤さんも好きだね。」
レオはレザー製を手に取り、頭に装着した。
凛々しい目元がタカユキを貫く。
「タカユキさんも被ってみろよ。」
レオがマスクを差し出す。
鋭い眼光に貫かれたタカユキはマスクを受け取る。
「すげぇ、別人みたいだぜ。
どっから見てもド淫乱なM野郎だ!」
興奮したレオは震える手でワインを呷った。
黒いマスクの口元から赤いワインが滴り落ちる。
「こんなに変貌した人を見た事ない!
早速、撮りましょう!」
仁藤がカメラを構えた。
レオが互いのジッパーを閉じる。
塞がれた唇を押し付けてきた。
マスク越しのキスは甘美だ。
ラバーの匂いが鼻孔を擽り、平常心が失せていく。
レオが器用にタカユキの服を脱がしに掛かる。
魔法に掛かった様に、抵抗力は喪失していた。
(つづく)
「客を煽るのはこれが一番だぜ!」
白いウェアに水を吹き掛ける。
水分を吸い込んだウェアが筋肉に張り付く。
レオの発達した大胸筋が、腹筋が、ペニスが浮かび上がる。
仁藤の鋭い視線と搗ち合う。
ヒバリは大きく頷く。
「お前、何やってんだ?」
呆れ顔でレオに聞く。
「あっ、戻ってたんだ。
仁藤さんがエロいウェアを沢山持ってるから、ファッションショーさ。」
レオは頭の上で掌を組み、ポーズを取る。
仁藤がそれをカメラに収めていた。
「流石に現役の体操部員だ。
筋肉の質が全く違う!
丸で彫刻の様だ!」
仁藤が賛辞の言葉を浴びせ掛ける。
すっかり気を良くしたレオは更に筋肉を誇張して見せた。
ヒバリはタケルに視線を向ける。
そんな光景をニコニコ眺めていた。
「タカユキ君も一緒にどうだ?」
仁藤がシャッターを押したまま言う。
「変な事言わないで下さい。
社長の前で!」
タカユキが大声で抗議する。
「私の事は気にするな。
そんな事で査定はしないさ。
それにそろそろ御暇するよ。」
タケルが腰を浮かした。
タカユキも慌てて立ち上がる。
「今日はお忙しい中、お付き合い頂きまして、ありがとうございました。」
直角に腰を曲げた。
下を向く顔に笑みが浮かんだ。
「いや、私も久し振りに、楽しい時間を過ごさせて貰いました。
皆さん、またいらして下さい。」
タケルはそう言うと部屋から出て行った。
「いい社長で良かったな。
俺も安心したよ。」
ホタルが肩に手を置く。
「うん。社長には感謝してるんだ。」
タカユキは素直にそう思った。
『やはり社長が悪人とは思えない!
もう一度、仁藤さんを問い質してみよう。』
ヒバリに悪事を頼む前で良かったと、胸を撫で下ろした。
「あー、眠い。
ベッドで横になってくるよ。」
ホタルがベッドルームに入って行く。
「さあ、これで心置きなく脱げるでしょ?」
仁藤が妖しい視線をタカユキに向ける。
『心置きなくはお前だろ!』
ヒバリは腹の中で悪態を吐く。
『これでリッキーを連れて、海外旅行だ!』
皮算用をして、ひとりニヤニヤする。
「俺も疲れたから部屋に戻るわ。」
ヒバリは伸びをすると、部屋を出て行った。
「俺も記念にタカユキさんと撮りたいな。」
レオが甘えた声を出す。
社長も実兄もいない今、拒む理由はなくなった。
「でも何か恥ずかしいな。」
タカユキはいまひとつ気乗りしない。
第三者にレオとの営みを見られたくなかった。
「だったらこんな物を使ってみたらどうですか?」
仁藤がバックから取り出した物を放り投げる。
テーブルの上に落下した物を見て、レオとタカユキは息を呑んだ。
それは二枚の全頭マスクだった。
一枚はレザー製で目が開いている。
もう一枚はラバー製で、見るからに卑猥さを醸し出していた。
どちらも口元はジッパーが付いていて、開閉可能な作りになっている。
「こんなマスクも持ち歩いているのか!
仁藤さんも好きだね。」
レオはレザー製を手に取り、頭に装着した。
凛々しい目元がタカユキを貫く。
「タカユキさんも被ってみろよ。」
レオがマスクを差し出す。
鋭い眼光に貫かれたタカユキはマスクを受け取る。
「すげぇ、別人みたいだぜ。
どっから見てもド淫乱なM野郎だ!」
興奮したレオは震える手でワインを呷った。
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「こんなに変貌した人を見た事ない!
早速、撮りましょう!」
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レオが互いのジッパーを閉じる。
塞がれた唇を押し付けてきた。
マスク越しのキスは甘美だ。
ラバーの匂いが鼻孔を擽り、平常心が失せていく。
レオが器用にタカユキの服を脱がしに掛かる。
魔法に掛かった様に、抵抗力は喪失していた。
(つづく)
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