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Chapter2(Hotel Pacific編)
Chapter2-⑨【PUZZLE】
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「本当に来たな。
しかもタカユキも一緒だぜ。」
照明の届かない暗闇で、口を開いたのはホタルだ。
「ああ、二時間待った甲斐があったな。」
仁藤は満足げに頷く。
「しかしあの社長の巨根を見てみろよ。
馬並のデカさだぜ。
堪んねぇなぁ…。」
垂れ掛かった涎をホタルが啜る。
「タカユキはもう遣られちまったかな?」
と続けて聞く。
「いや、まだだな。
あの欲情しまくった二人を見てみろ。
遣ったなら、人前であそこまでしないだろう。」
この推理には確信があった。
「確かにな。
あそこでセックスしかねない勢いだもんな。」
ホタルが二人に視線を戻す。
両手を挙げっ放しのタカユキに対し、タケルは背後から腰を突き捲っている。
二人の周囲には踊るのを止め、過激なショーに魅入っている者もいた。
「で、どうするんだ?」
ホタルの右手がジッパーを下げる。
「噂ではタケルはリピーターとは遣らないらしい。
それがあの通り、盛りの付いた獣だ。
かなりタカユキ君に入れ込んでいるのが分かる。
そうすると、多少の我が儘も聞くだろう。」
仁藤の中で次々とパズルが嵌っていく。
シナリオは完成しつつあった。
しかし最後のピースが足りない。
「どうすかな…?」
順調だった思考が止まる。
暗闇の中、しゃがみ込んだホタルがフェラをしていた。
壁に嵌め込まれた鏡にタカユキが映る。
ネットの下のハーネスと圧迫された筋肉が極めて卑猥だ。
レザーパンツの中に延びるハーネスの先を想像すると、下半身が燃え滾る。
熱り起つマラがホタルの口を広げた。
パンパンに膨らんだ亀頭は暴発寸前だ。
刺激を欲し、咽頭を塞ぐ。
ホタルはそれでも離れない。
タケルの巨根に欲情したホタルも盛りの付いた獣と化していた。
鏡にドリンクコーナーへ向かうタケルが映り込む。
仁藤はマラを引き抜き、革パンのジッパーを引き上げる。
フロアから戻る人達を掻き分け、タカユキの下へ向かう。
「首尾は良好のようですね。」
背後から声を掛ける。
「あっ、仁藤さん!
来てたんですか。」
タカユキは上気した顔を綻ばせた。
「社長とは大分親しくなったように見受けました。
そろそろ作戦を決行しましょうか。」
仁藤はニヤリと笑う。
無言のタカユキがドリンクコーナーに目を向ける。
「さあ、悪党を退治しましょう。」
だらりと下がった手を掴む。
「あの…、社長は…、本当にお友達を陥れたんですか?
そんな悪い人とは思えませんが…。」
掴んだ手が震えている。
「まだまだ甘いですね。
本当の悪人は悪党面なんか見せませんよ。
表面はいい人を装って、腹の中では私利私欲ばかり考えているんです。
騙されてはダメです!」
掌をギュッと握り、叱咤する。
タカユキは一旦口を開き掛けたが、何も言わずに俯く。
「なら、証明してみせましょうか。」
したり顔で台詞をなぞる。
「証明?そんな事出来るんですか?」
想定通り、タカユキが聞き返す。
「ええ。社長と寝てみれば分かります。
悪人に共通する性的嗜好…、サディスティックな交尾を好みます。
相手の苦痛に興奮し、それを与える事でしかオーガズムを得られません。
あの社長もサディストですよ。」
自信満々に言い放つ。
「社長がサディスト?」
ポカンとした表情が珍妙だ。
「タカユキさんが藻掻き苦しむ程、興奮するでしょう。
間違いなくね。」
低い声で笑う。
「作戦の決行はそれを確認してからで構いません。」
狼狽しているタカユキを尻目に畳み掛ける。
「私もあんな悪党と関わり合いたくありません。
コレクションさえ返してもらえればいいのです。
そうしないと親友の魂が浮かばれません。」
スポットライトの中で一芝居打つ。
義理堅い性格を利用し、嫌とは言わせなくする。
「分かりました。
で、どうすればいいですか?」
タカユキが声を搾り出す。
「作戦はこうです。
上手い事を言って、社長の部屋に行くのです。
そしてこう言って下さい。」
仁藤はシナリオを説明する。
自分が放ったサディストという単語で、遂に最後のピースが埋まった。
(つづく)
しかもタカユキも一緒だぜ。」
照明の届かない暗闇で、口を開いたのはホタルだ。
「ああ、二時間待った甲斐があったな。」
仁藤は満足げに頷く。
「しかしあの社長の巨根を見てみろよ。
馬並のデカさだぜ。
堪んねぇなぁ…。」
垂れ掛かった涎をホタルが啜る。
「タカユキはもう遣られちまったかな?」
と続けて聞く。
「いや、まだだな。
あの欲情しまくった二人を見てみろ。
遣ったなら、人前であそこまでしないだろう。」
この推理には確信があった。
「確かにな。
あそこでセックスしかねない勢いだもんな。」
ホタルが二人に視線を戻す。
両手を挙げっ放しのタカユキに対し、タケルは背後から腰を突き捲っている。
二人の周囲には踊るのを止め、過激なショーに魅入っている者もいた。
「で、どうするんだ?」
ホタルの右手がジッパーを下げる。
「噂ではタケルはリピーターとは遣らないらしい。
それがあの通り、盛りの付いた獣だ。
かなりタカユキ君に入れ込んでいるのが分かる。
そうすると、多少の我が儘も聞くだろう。」
仁藤の中で次々とパズルが嵌っていく。
シナリオは完成しつつあった。
しかし最後のピースが足りない。
「どうすかな…?」
順調だった思考が止まる。
暗闇の中、しゃがみ込んだホタルがフェラをしていた。
壁に嵌め込まれた鏡にタカユキが映る。
ネットの下のハーネスと圧迫された筋肉が極めて卑猥だ。
レザーパンツの中に延びるハーネスの先を想像すると、下半身が燃え滾る。
熱り起つマラがホタルの口を広げた。
パンパンに膨らんだ亀頭は暴発寸前だ。
刺激を欲し、咽頭を塞ぐ。
ホタルはそれでも離れない。
タケルの巨根に欲情したホタルも盛りの付いた獣と化していた。
鏡にドリンクコーナーへ向かうタケルが映り込む。
仁藤はマラを引き抜き、革パンのジッパーを引き上げる。
フロアから戻る人達を掻き分け、タカユキの下へ向かう。
「首尾は良好のようですね。」
背後から声を掛ける。
「あっ、仁藤さん!
来てたんですか。」
タカユキは上気した顔を綻ばせた。
「社長とは大分親しくなったように見受けました。
そろそろ作戦を決行しましょうか。」
仁藤はニヤリと笑う。
無言のタカユキがドリンクコーナーに目を向ける。
「さあ、悪党を退治しましょう。」
だらりと下がった手を掴む。
「あの…、社長は…、本当にお友達を陥れたんですか?
そんな悪い人とは思えませんが…。」
掴んだ手が震えている。
「まだまだ甘いですね。
本当の悪人は悪党面なんか見せませんよ。
表面はいい人を装って、腹の中では私利私欲ばかり考えているんです。
騙されてはダメです!」
掌をギュッと握り、叱咤する。
タカユキは一旦口を開き掛けたが、何も言わずに俯く。
「なら、証明してみせましょうか。」
したり顔で台詞をなぞる。
「証明?そんな事出来るんですか?」
想定通り、タカユキが聞き返す。
「ええ。社長と寝てみれば分かります。
悪人に共通する性的嗜好…、サディスティックな交尾を好みます。
相手の苦痛に興奮し、それを与える事でしかオーガズムを得られません。
あの社長もサディストですよ。」
自信満々に言い放つ。
「社長がサディスト?」
ポカンとした表情が珍妙だ。
「タカユキさんが藻掻き苦しむ程、興奮するでしょう。
間違いなくね。」
低い声で笑う。
「作戦の決行はそれを確認してからで構いません。」
狼狽しているタカユキを尻目に畳み掛ける。
「私もあんな悪党と関わり合いたくありません。
コレクションさえ返してもらえればいいのです。
そうしないと親友の魂が浮かばれません。」
スポットライトの中で一芝居打つ。
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「分かりました。
で、どうすればいいですか?」
タカユキが声を搾り出す。
「作戦はこうです。
上手い事を言って、社長の部屋に行くのです。
そしてこう言って下さい。」
仁藤はシナリオを説明する。
自分が放ったサディストという単語で、遂に最後のピースが埋まった。
(つづく)
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