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YAMATO

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Chapter11(焦燥編)

Chapter11-⑥【PRIDE】

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「何だ、もう俺のザーメンを出すのか?」
アキラがナリヒラを煽る。
「ふざけんな!」
ナリヒラがアキラに飛び掛かったのを横目に、便所に向かった。
カウンターの横に差し掛かる。
発達した広背筋を見て、先程の男だと確信した。
態とよろけて、メッシュシャツに当たる。
そのまま知らぬ振りをして、先へ進んだ。
小便器の前でマラを出す。
一度射精したとはいえ、リョウの勃起は衰えを知らない。
尿道が詰まり、思う様に小便が出ない。
隣に人が立つ気配がした。
顔を正面に向けたまま盗み見る。
やはり小便は途切れ途切れだ。
「まだあのデケェ張り型を入れっ放しなのか?」
メッシュシャツを着た男の手が尻に伸びた。
「うん。」顔を見て頷く。
「おいら、ソウイチロウっていうんだ。
宜しくな。」
男は名乗ると、猿を思わせる笑みを浮かべた。
「俺はリョウ…。」
言葉が途切れる。
ソウイチロウの掌が革パンの中に侵入してきた。
ディルドに達すると、指先で強く押し込む。
「おおっ!ああっ!」
本能の赴くままに呻く。
「いい声で鳴くな。
お前みたいな変態がタイプだぜ。
これやってみた事あるか?」
ソウイチロウは拳を作ると、グリグリと捩る真似をした。
「これって?」
拳の意味が分からない。
「お前、フィストを知らないのか?」
ソウイチロウが呆れ顔で聞き返す。
リョウは本気で頷いた。
 
ソウイチロウが革パンを引き摺り下ろす。
露わになったディルドに拳を当てると、グリグリ押し込んできた。
「この拳をお前の体内にぶち込むのさ。」
ソウイチロウは小振りの拳を突き出す。
眼前にある拳を訝しげに眺める。
『本当にこの拳が体内に入るものなのか?』
幾ら小振りとはいえ、イオリやアキラの巨根を遥かに凌ぐ。
「マジにそんな事出来るの?」
俄に信じ難い。
「ああ、出来るぜ。
極楽に連れて行ってやるぞ。」
ソウイチロウがニヤリと笑う。
「ご、く、ら、く…。」
譫言の様に繰り返す。
「夜なら家にいるから、電話してこい。
それともバイト先のジムに来るか?
強制筋トレで扱いてやるぜ。」
ソウイチロウの誘いがM心を擽る。
「行ってもいいの?」
夢心地で聞く。
「ああ、勿論だ。
但し、来るなら張り型を入れて来い。」
ソウイチロウはウインクすると、フロアに足を向ける。
「そうだ。ザーメンはとっとと出しちまえ。」
そう付け加えると、唇を押し付けてきた。
饐えた臭いにうっとりする。
 
「随分、遅かったな。」
ナリヒラは不機嫌さを前面に出して睨む。
アキラは既にいない。
「うん。なかなかクソが出なくて…。」
リョウが言い訳を言った。
『クソじゃなくて、アキラのザーメンだろ!』
口から出かかったが、何とか飲み込む。
ナリヒラのプライドがそうさせた。
「帰るぞ。」
ナリヒラは人を掻き分け出口に向かう。
「ちょっと待って。」
リョウはブーツの隙間から紙片を取り出すと、ポケットに仕舞っていた。
 
帰りの車中、ナリヒラは一言も発しない。
それを良い事にリョウはソウイチロウの言葉を租借する。
『フィスト…、極楽…。』
もうナリヒラに対する興味は薄れていた。
『適当に切り上げて、家に帰ろう。
こんな面倒臭い男は、もう必要ないや。』
そう決めると、微眠みの中に落ちて行く。
目を覚ますと、既にマンションの中にいた。
『いつもの部屋だ。』
辺りを見回すと、前回借りたハーネスと飲みかけのビールが目に入る。
しかしナリヒラの姿はない。
徐に起き上がり、着てきたジャンパーのポケットをまさぐる。
風邪薬の瓶が手に当たった。
かなりの錠剤を手に乗せ、口の中に放り込む。
それを固形物がなくなるまで咀嚼する。
飲みかけのビールに吐き出し、人差し指でクルクル回す。
指に付いた黒い泡を舌で掬い取る。
こんなマズイ物を好んで飲む大人の気持ちが、分からない。
『コツ、コツ…。』足音が近付いて来る。
リョウは笑いを堪えて、元いた場所で瞳を閉じた。
 
 
(つづく)
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