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YAMATO

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Chapter11(焦燥編)

Chapter11-③【Man In the Moon】

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ファミレスの窓に、レザーでフル武装した二人が映る。
リョウはメニューを眺めるが、頭に入ってこない。
特大のディルドがアナルを刺激する。
ハーネスが筋肉に、尻に食い込む。
リングがマラを締め付ける。
革パンとブーツの締め付けにゾクゾクする。
全身が快楽に覆われた。
「どうだ気分は?」
ナリヒラのブーツがリョウの股間を踏み締める。
この素晴らしい快感は言葉では表せない。
マラを扱かなくとも、レザーは快楽を享受してくれた。
リョウは革の虜となった。
 
「これで今晩のナイトが楽しみになったな。」
ブーツの踵が一層強く食い込んできた。
「ナイト?」
単語は知っているが、何を指すのか分からない。
「今晩、レザーナイトがあるんだ。
簡単に言うと、革好きの集会だ。
連れて行ってやるよ。
レザーマニアがいっぱい集まるぜ。」
今度は爪先に力を入れてきた。
ナリヒラとアキラ以外に革好きを知らない。
『どんな奴が来るんだろ?』
リョウの熱い想いがブーツを押し返す。
「さあ、帰って準備するぞ。」
その気持ちを察したナリヒラが、伝票を持つ。
リョウは慌てて後を追った。
ナリヒラが前を堂々と歩いている。
穿いている革パンは、レディースだと言っていた。
スジ筋のナリヒラがタイトに穿くには、レディースで充分だ。
ローライズの革パンから、尻の割れ目が覗く。
黒光りしたプリッとした盛り上がりに、アナルが疼いた。
 
マンションに戻ったナリヒラは、剃毛の準備を始めた。
「随分伸びたから、綺麗に剃り上げるぞ。」
剃刀を研ぐ音が心地好い。
頷く頭にシェービングクリームが降り積もる。
冷たい刃先が頭皮に当たった。
次々に髪の毛が零れ落ちていく。
リョウは王様になった気分で身を任せた。
ナリヒラは器用に剃刀を動かす。
一時間程で、頭髪、脇毛、陰毛、全ての体毛を剃り上げた。
「これでよし。
鏡を見るか?」
ナリヒラは満足げだ。
スタンドミラーの前に立ったリョウは、鏡の中の自分にうっとりする。
理想の姿に近付いていく実感があった。
 
初めて来たクラブに、リョウは目を白黒させた。
耳を劈く轟音、目が眩む程の照明、レザーに包まれた男達が踊り狂う。
天井に設置されたミラーボールが、星々を反射する月の如く君臨していた。
『こんな刺激的な世界があったのか!』
リョウは興奮を抑え切れない。
踊った事等ないのに、見様見真似で腰を振る。
腰を振る度にディルドが暴れ、快楽が増した。
両手を突き上げ、剃り立ての脇を見せ付ける。
正に血湧き肉踊るという表現が当て嵌まった。
周りに倣い拳を突き上げ、ジャンプする。
「まだ踊るのか?
俺は向こうで休んでるから。」
ナリヒラが音をあげた。
「分かった。
俺はもう少し踊ってるよ。
まだまだ踊り足りないんだ。」
リョウは狂った様に踊り続ける。
ここには疲労等なく、快楽しか存在しなかった。
 
「年かな…。」
ナリヒラは隅でリョウを見守る。
全く疲れを感じてない様子だ。
リョウはサングラスをし、張り裂けそうな筋肉をハーネスで締め付けていた。
入場の時、年齢がばれない様に渡しておいたサングラスが役に立った訳だ。
サングラスをしたスキンヘッドのマッチョを高校生と見破る奴はいないだろう。
ナリヒラは性に貪欲なリョウが気に入った。
『性欲を満たす為なら、あいつは何でもする。』
ナリヒラは声を殺して笑う。
「何、ひとりでニヤニヤしてんだ。
気持ち悪いぜ。」
アキラが声を掛けてきた。
「おう、アキラ。
俺も年だなと思っていたところだ。」
照れ笑いを浮かべる。
「お前の連れは元気がいいな。
まだ10代だろ?」
アキラがリョウに視線を向けた。
ナリヒラは答えず、ビールを飲み干す。
「あのデカいディルドを入れっ放しであんだけ踊るんだから、将来有望だな。
おっ、隣のエナメルがちょっかい出し始めたぜ。」
アキラが舌打ちした。
違和感を覚えるが、リョウに視線を戻す。
リョウの股間に腰を押し付けている男に目を凝らす。
人影からエナメルのショートパンツとメッシュのシャツ、そしてロングブーツに身を
包んでいる事が分かった。
 
 
(つづく)
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