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Chapter11(焦燥編)
Chapter11-②【大阪ロマネスク】
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ナリヒラが編み上げのロングブーツをレジに持って行く。
「アキラ、久し振りだな。」
顔なじみの様だ。
カウンター中でタバコを燻らせ、雑誌を読んでいた男が視線を上げた。
かなりのマッチョで、ハーネスをしたボディにレザーのベストを羽織っていた。
「おう、ナリ!
いつも悪いな。
それ先週入ったばかりの逸品だぜ。
さすがに目が肥えてるな。」
アキラと呼ばれた男がお世辞を言う。
「今日はセールで20%オフだが、ナリの知り合いなら30%にしてやるよ。」
カウンターの中からリョウの全身を舐め回す様に見た。
『感じの悪い奴だ。』と思いながらも、割引は大きい。
他にも買えるとなると、意に反してニンマリしてしまう。
「とりあえず、こいつはキープだ。
他にも見てくる。」
レジにブーツを置くと、パンツが下がっている一画へ向かう。
「今の人もハーネスしてたね。」
ナリヒラが持っているのと違うタイプが気になる。
ハーネスに錨が打ち込んであり、随分ごつい感じがした。
「あれは上半身用で、アメリカのハードゲイが好むタイプだ。
アクセサリー的要素が強い。
ならハーネスを先に見に行くか。」
リョウの返事を待たず、奥へ進んでいく。
ハーネスをした男女のマネキンが出迎えてくれた。
「この辺が上半身タイプだ。
こっちは拘束用でSM好きが好む。
お前はSMの方がいいんじゃないか?」
女性の方を指差す。
男性マネキンがしているのはアキラのと同じタイプで、厳つく格好いい。
アメリカンヒーローを連想させた。
しかしリョウが食らい付いたのは、女性のしている全身タイプの方だ。
ただ貰ったハーネスとあまり変わらず、興味は薄れかけた。
「おお、これはえげつねぇな。」
ナリヒラが手に取った物を覗き込む。
それはディルド付きのタイプだった。
「これケツに突っ込んでベルト締めたら、極楽を味わえるぜ。」
ナリヒラがディルド部分を持って、捩入れる真似をする。
食い入る様にディルドを見詰めた。
欲しいのは山々だが残額を計算すると、他を優先したい。
金が余ったら購入する事にし、革パンコーナーに戻る。
レザーパンツといっても、様々なタイプがあった。
「どれがいいのかな?」
あまりの多さに戸惑うばかりだ。
「まあ、フェチな奴は細身を好むな。
ロングブーツにも映えるし。
パツンパツンに穿いた方がエロいだろ?」
ナリヒラの問い掛けに頷く。
そういう視点で眺めると、対象は絞られた。
一番タイトなタイプを手に取る。
「細過ぎる気もするな。
お前の太股が通るか?」
ナリヒラの言う通り、かなり細い。
「アキラ、試着するぞ。」
カウンターに声を掛ける。
やはり股に引っ掛かった。
「どうだ?」
様子を見に来たアキラがの覗き込む。
「キツいか?
質の良い革を使ってるから、一回通れば馴染むんだがな。」
アキラが引っ張ると、徐々に上がり始めた。
「これでどうだ?
いいんじゃないか?」
ウエストのボタンを嵌めると、一歩下がったアキラが全身を眺める。
窮屈な穿き心地に興奮を覚えた。
「うん、これでいい。」
徐々にマラの形が浮かび上がり、リョウの気持ちを代弁する。
ウエストを締め付ける革に妥協はない。
唯一無二の存在だ。
「じゃあ、これで決まりだな。
もう充分だろ?
俺、腹減ったよ。」
ナリヒラが大袈裟に腹を押さえた。
時計を見ると、一時間以上ここにいた事になる。
だがリョウにはもう一つ気になる物があった。
「あれって、何?」
指差したのは、変わった形のベルトだ。
「あれは開口ベルトと言って、強制的に口を開けさせる物だ。
開けっ放しになった口の使い道は分かるよな?」
ナリヒラが妖しく笑う。
「よし、あれは俺が買ってやろう。
クリスマスプレゼントだ。」
ナリヒラが口笛を奏でながら、レジに向かった。
リョウは結局、ハーネス、ブーツ、パンツとライダースジャケットを買った。
「着て帰ってもいいかな?」
金を支払い、ナリヒラに聞く。
「ああ、勿論いいぜ。
もう全部お前の物だ。
服を脱げよ。」
ナリヒラがハーネスを手に取る。
「大分買ってくれたから、オマケにハリガタを付けてやるぜ。
これ付け替え可能だから、好きなの選べよ。」
スマイルを浮かべたアキラがレジを打つ。
「だったら一番高い奴にしようぜ。」
ナリヒラがディルドを選ぶ。
一番高いって事は、一番デカいディルドを意味していた。
(つづく)
「アキラ、久し振りだな。」
顔なじみの様だ。
カウンター中でタバコを燻らせ、雑誌を読んでいた男が視線を上げた。
かなりのマッチョで、ハーネスをしたボディにレザーのベストを羽織っていた。
「おう、ナリ!
いつも悪いな。
それ先週入ったばかりの逸品だぜ。
さすがに目が肥えてるな。」
アキラと呼ばれた男がお世辞を言う。
「今日はセールで20%オフだが、ナリの知り合いなら30%にしてやるよ。」
カウンターの中からリョウの全身を舐め回す様に見た。
『感じの悪い奴だ。』と思いながらも、割引は大きい。
他にも買えるとなると、意に反してニンマリしてしまう。
「とりあえず、こいつはキープだ。
他にも見てくる。」
レジにブーツを置くと、パンツが下がっている一画へ向かう。
「今の人もハーネスしてたね。」
ナリヒラが持っているのと違うタイプが気になる。
ハーネスに錨が打ち込んであり、随分ごつい感じがした。
「あれは上半身用で、アメリカのハードゲイが好むタイプだ。
アクセサリー的要素が強い。
ならハーネスを先に見に行くか。」
リョウの返事を待たず、奥へ進んでいく。
ハーネスをした男女のマネキンが出迎えてくれた。
「この辺が上半身タイプだ。
こっちは拘束用でSM好きが好む。
お前はSMの方がいいんじゃないか?」
女性の方を指差す。
男性マネキンがしているのはアキラのと同じタイプで、厳つく格好いい。
アメリカンヒーローを連想させた。
しかしリョウが食らい付いたのは、女性のしている全身タイプの方だ。
ただ貰ったハーネスとあまり変わらず、興味は薄れかけた。
「おお、これはえげつねぇな。」
ナリヒラが手に取った物を覗き込む。
それはディルド付きのタイプだった。
「これケツに突っ込んでベルト締めたら、極楽を味わえるぜ。」
ナリヒラがディルド部分を持って、捩入れる真似をする。
食い入る様にディルドを見詰めた。
欲しいのは山々だが残額を計算すると、他を優先したい。
金が余ったら購入する事にし、革パンコーナーに戻る。
レザーパンツといっても、様々なタイプがあった。
「どれがいいのかな?」
あまりの多さに戸惑うばかりだ。
「まあ、フェチな奴は細身を好むな。
ロングブーツにも映えるし。
パツンパツンに穿いた方がエロいだろ?」
ナリヒラの問い掛けに頷く。
そういう視点で眺めると、対象は絞られた。
一番タイトなタイプを手に取る。
「細過ぎる気もするな。
お前の太股が通るか?」
ナリヒラの言う通り、かなり細い。
「アキラ、試着するぞ。」
カウンターに声を掛ける。
やはり股に引っ掛かった。
「どうだ?」
様子を見に来たアキラがの覗き込む。
「キツいか?
質の良い革を使ってるから、一回通れば馴染むんだがな。」
アキラが引っ張ると、徐々に上がり始めた。
「これでどうだ?
いいんじゃないか?」
ウエストのボタンを嵌めると、一歩下がったアキラが全身を眺める。
窮屈な穿き心地に興奮を覚えた。
「うん、これでいい。」
徐々にマラの形が浮かび上がり、リョウの気持ちを代弁する。
ウエストを締め付ける革に妥協はない。
唯一無二の存在だ。
「じゃあ、これで決まりだな。
もう充分だろ?
俺、腹減ったよ。」
ナリヒラが大袈裟に腹を押さえた。
時計を見ると、一時間以上ここにいた事になる。
だがリョウにはもう一つ気になる物があった。
「あれって、何?」
指差したのは、変わった形のベルトだ。
「あれは開口ベルトと言って、強制的に口を開けさせる物だ。
開けっ放しになった口の使い道は分かるよな?」
ナリヒラが妖しく笑う。
「よし、あれは俺が買ってやろう。
クリスマスプレゼントだ。」
ナリヒラが口笛を奏でながら、レジに向かった。
リョウは結局、ハーネス、ブーツ、パンツとライダースジャケットを買った。
「着て帰ってもいいかな?」
金を支払い、ナリヒラに聞く。
「ああ、勿論いいぜ。
もう全部お前の物だ。
服を脱げよ。」
ナリヒラがハーネスを手に取る。
「大分買ってくれたから、オマケにハリガタを付けてやるぜ。
これ付け替え可能だから、好きなの選べよ。」
スマイルを浮かべたアキラがレジを打つ。
「だったら一番高い奴にしようぜ。」
ナリヒラがディルドを選ぶ。
一番高いって事は、一番デカいディルドを意味していた。
(つづく)
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