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YAMATO

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Chapter10(覚醒編)

Chapter10-⑫【気分爽快】

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「じゃあ、放課後体育館で待ってるぞ。」
赤シャツがリョウの右手をがっちりと握った。
ジムから出て行いく二人を見送る。
『俺を必要とする人がいた。
しかも俺がトップになれる?』
リョウは夢心地で教室へ向かう。
授業中も上の空だった。
レスリングの事はルールも知らない。
ただ薄いウエアを着て、青タンクと絡み合う事を想像すると、股間が熱くなる。
休み時間になると、便所に駆け込む。
熱り起つマラからザーメンを放出するのに、大した時間は必要なかった。
ウザいジュンヤのいる水泳部に未練はない。
昼休みに顧問の鈴木先生に退部届けを持って行った。
「そうだな。
お前にはその方がいいかもしれんな。
レスリングは心理戦だ。
頑張れよ。」
理由を聞いた鈴木先生が肩を叩く。
『ジュンヤだったら、引き留めるくせに。』
リョウは冷めた気持ちで、職員室を後にした。
 
放課後、教室を出ると、ジュンヤが追って来た。
「一緒に体育館に行こうぜ。
あーあ、泳げない水泳部員はしんどいよな!」
ジュンヤは至って明るい。
『何言ってんだ。
後ろめたいだけだろ!』
リョウは内心毒づく。
「俺、水泳部を辞めたんだ。」
顔を見る事なく歩き出す。
「や、辞めた?
何でだよ?」
ジュンヤが後ろから肩を掴む。
肩に掛けていたバッグが落ちた。
態と大きな舌打ちをする。
丁度、前方からやって来る青タンクが見えた。
上に着ている学ランはボタンが留まらない様だ。
「おう!リョウ、迎えに来たぜ。
どうした、揉め事か?」
青タンクがリョウとジュンヤを交互に眺めた。
「別に何でもないっす。
もう俺は水泳部じゃないっすから。」
肩に置かれた手を振り切る。
リョウはバッグを拾うと、肩に掛け直す。
「リョウは今日からレスリング部員だ。
悪く思わんでくれ。」
青タンクの言葉にジュンヤが立ち竦む。
リョウはその光景を胸がすく想いで眺めた。
「名前をまだ言ってなかったな。
俺はトール。
朝、一緒にいた奴はミキオだ。
ヨロシクな。」
トールが手を差し出す。
「俺、先輩の期待に応えられるように頑張るっす。」
リョウはやる気を漲らす。
『ジュンヤが水泳でインターハイに行くなら、俺はレスリングで行ってやる!』
授業中、その事ばかりを考えていた。
校舎に靡く自分の名前がはっきりと見える。
豆だらけの掌を掴むと、力いっぱい握り締めた。
 
体育館へ行く前に部室へ連れて行かれた。
ミキオの他に八人の部員が立っている。
同学年の三人は見た事のある顔だ。
知らない五人は一年生だろう。
皆、小柄で細身だった。
「今日、入部したリョウだ。
全くの初心者だ。
皆、温かく迎えてやってくれ。」
ミキオが話し終わると、疎らな拍手が起こる。
「こいつはキャプテンのシンゴだ。」
三人の中の一人が一歩前に出た。
「同じ学年だな。
遠慮なく何でも言ってくれ。」
厳つい風貌だが、笑うと歯が抜けていて、つい笑ってしまう。
 
「俺達はリョウに説明してから行く。
皆は先に行って、マットを敷いといてくれ。
シンゴ頼んだぞ。」
ミキオがシンゴに指示すると、皆部室から出て行った。
「先ずは服を脱いで、ここに乗れ。」
トールが体重計を指差す。
リョウは学生服を脱ぎ、ブリーフ一丁になる。
「おい、まだ穿いてるじゃないか!」
顎がブリーフに向く。
「こ、これもすっか?」
リョウは狼狽える。
「レスリングは体重別の競技って事くらいは知ってるよな?
部員の体重を毎日このノートに記録しているんだ。
計量は正確でないと意味がない。」
ミキオが理由を説明した。
だからといって二人の前で素っ裸になるのは抵抗がある。
「まあ、最初は恥ずかしいよな。
トール、サポーター持ってないか?」
気持ちを察したミキオがトールに聞く。
「サポーターなんて幾らでもあるぜ。」
トールが開けたロッカーにはウエアやタオルが乱雑に押し込まれていた。
「比較的これがマシかな。
ほら、これを穿け。」
トールが手を突き出す。
その手から黄ばんだケツワレがぶら下がっていた。
「お前さ、もう少しまともな奴ないのか?
悪いなこんなのしかなくて。」
ミキオは親指と人差し指で掴むと、重さを量る。
「悪かったな。
こんなので!」
ふて腐れたトールを見て、思わず吹き出してしまった。
 
 
(つづく)
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