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Chapter10(覚醒編)
Chapter10-⑩【放課後ブルース】
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「これを付けろ。
お前みたいなマッチョはハーネスが一番似合う。
筋肉に食い込むは姿は芸術的だぜ。」
見下ろすナリヒラが目の前に帯状の革を突き出す。
初めて見る装具だ。
黒光りするブラックレザーとシルバーの金具が、キャンドルの明かりを反射する。
この帯状のレザーをどう装着するのか、想像もつかない。
リョウはブーツに舌を這わせたまま、反射する光を目で追った。
ハーネスを首に通し、胸の前でクロスする。
背後に回したレザーを金具に通すと、大胸筋を締め上げてきた。
革が筋肉に食い込む。
心地好い拘束感にうっとりする。
胸の前のリングからもう一本のレザーが延びていた。
その先に付いているリングに竿を通す。
尻の割れ目を通ったレザーを、ナリヒラは限界まで引っ張る。
玉が裂かれ、尻に食い込む。
瞬く間に硬直したマラにリングが食い込んできた。
赤く染まった亀頭から先走りが溢れ出る。
快楽が全身を駆け巡った。
「おらっ、胸を張って、気を付けの体勢になれ。」
ナリヒラが尻を一発張った。
「うす!」胸を反ると、ハーネスが更に食い込む。
目映ゆい快楽に粘着質な液体が床まで伸びた。
「これで仕上げだ。」
レザーのマスクを被せ、首輪で締め上げる。
特有の匂いが鼻孔を貫く。
リョウは堪らず射精してしまう。
「おい、おい。こんなんでイクなよ。
こっちへ来い。」
ナリヒラが手を引っ張る。
両目と口は開いているが、視界は狭い。
「ほら見てみろ。」
その言葉の方向に視線を向ける。
淡い照明を浴びた壁に鏡が浮かぶ。
その中にハーネスが食い込んだマッチョが立っていた。
ザーメンを滴らせているペニスは、幾重の血管を浮かび上がらせている。
射精した形跡はない。
真っ赤に膨張した亀頭は、丸で悲鳴をあげている様だ。
鏡をじっと見詰める。
拘束された戦士の勇姿に欲情した。
「一発イッても、納まる気配は全くねぇな。
益々気に入ったぜ。」
ナリヒラが愉快そうに大声で笑う。
リョウはその笑い声を聞いて身震いする。
初めて怖いと思った。
それは深夜に襲ってくる化け物に対する恐怖と違い、精神的な怖さだ。
怖さの原因はナリヒラではない。
自分の中に潜む怪物の存在に気付いてしまったのだ。
興奮が高まると、自分がコントロール出来なくなる。
それは単に性欲が強い所為だと思っていた。
しかし今、この快楽の中であれば死んでも構わない。
逆にナリヒラを殺す事も厭わない。
深海の怪物が覚醒してしまった事を知る。
もう自分を欺く必要はなくなった。
「ねぇ、今度さ、ビデオを持ってくるから、この姿を撮ってくれない?」
リョウはマラから垂れているザーメンを人差し指で掬うと、その指をペロペロ舐め
る。
「ああ、いいぜ。
お前のえげつない姿を撮ってやる。
もうすぐ冬休みだろ?
いつ来てもいいぜ。」
人懐っこい笑顔を浮かべたナリヒラが誘う。
「マジ?ずっといてもいい?」
リョウは目を輝かす。
「それは構わねぇが、家の人が心配するだろ。」
ナリヒラがごく当たり前の事を言う。
『何だ、見掛けに寄らず、一般的な事を言いやがって。
意外とアウトローじゃないんだ。』
リョウは少し落胆した。
「予備校の冬季合宿に行くと言えば、信じるさ。」
いとも簡単に嘘を思い付く。
自分には人を欺く天分が備わっていたらしい。
「ねぇ、チンポって、どうやったらデカくなるの?」
送ってもらう車中で聞いてみた。
「そうだな。方法は色々あるが、吸引がいいんじゃねえか?」
ナリヒラが器用に狭い駐車場からパジェロを出す。
「きゅういん?」
聞いた単語を繰り返す。
「ああ、吸って、引っ張るんだ。
乳首にしてもマラにしても、肥大させたい奴はやってるぜ。
お前、デカくしたいのか?」
ニヤニヤしたナリヒラが聞く。
「俺は全てにおいて、一番になりたいんだ!
誰にも負けたくないんだ!」
リョウは吠える。
大声を出すことによって、裏切り者達の残像を消したかったのだ。
(つづく)
お前みたいなマッチョはハーネスが一番似合う。
筋肉に食い込むは姿は芸術的だぜ。」
見下ろすナリヒラが目の前に帯状の革を突き出す。
初めて見る装具だ。
黒光りするブラックレザーとシルバーの金具が、キャンドルの明かりを反射する。
この帯状のレザーをどう装着するのか、想像もつかない。
リョウはブーツに舌を這わせたまま、反射する光を目で追った。
ハーネスを首に通し、胸の前でクロスする。
背後に回したレザーを金具に通すと、大胸筋を締め上げてきた。
革が筋肉に食い込む。
心地好い拘束感にうっとりする。
胸の前のリングからもう一本のレザーが延びていた。
その先に付いているリングに竿を通す。
尻の割れ目を通ったレザーを、ナリヒラは限界まで引っ張る。
玉が裂かれ、尻に食い込む。
瞬く間に硬直したマラにリングが食い込んできた。
赤く染まった亀頭から先走りが溢れ出る。
快楽が全身を駆け巡った。
「おらっ、胸を張って、気を付けの体勢になれ。」
ナリヒラが尻を一発張った。
「うす!」胸を反ると、ハーネスが更に食い込む。
目映ゆい快楽に粘着質な液体が床まで伸びた。
「これで仕上げだ。」
レザーのマスクを被せ、首輪で締め上げる。
特有の匂いが鼻孔を貫く。
リョウは堪らず射精してしまう。
「おい、おい。こんなんでイクなよ。
こっちへ来い。」
ナリヒラが手を引っ張る。
両目と口は開いているが、視界は狭い。
「ほら見てみろ。」
その言葉の方向に視線を向ける。
淡い照明を浴びた壁に鏡が浮かぶ。
その中にハーネスが食い込んだマッチョが立っていた。
ザーメンを滴らせているペニスは、幾重の血管を浮かび上がらせている。
射精した形跡はない。
真っ赤に膨張した亀頭は、丸で悲鳴をあげている様だ。
鏡をじっと見詰める。
拘束された戦士の勇姿に欲情した。
「一発イッても、納まる気配は全くねぇな。
益々気に入ったぜ。」
ナリヒラが愉快そうに大声で笑う。
リョウはその笑い声を聞いて身震いする。
初めて怖いと思った。
それは深夜に襲ってくる化け物に対する恐怖と違い、精神的な怖さだ。
怖さの原因はナリヒラではない。
自分の中に潜む怪物の存在に気付いてしまったのだ。
興奮が高まると、自分がコントロール出来なくなる。
それは単に性欲が強い所為だと思っていた。
しかし今、この快楽の中であれば死んでも構わない。
逆にナリヒラを殺す事も厭わない。
深海の怪物が覚醒してしまった事を知る。
もう自分を欺く必要はなくなった。
「ねぇ、今度さ、ビデオを持ってくるから、この姿を撮ってくれない?」
リョウはマラから垂れているザーメンを人差し指で掬うと、その指をペロペロ舐め
る。
「ああ、いいぜ。
お前のえげつない姿を撮ってやる。
もうすぐ冬休みだろ?
いつ来てもいいぜ。」
人懐っこい笑顔を浮かべたナリヒラが誘う。
「マジ?ずっといてもいい?」
リョウは目を輝かす。
「それは構わねぇが、家の人が心配するだろ。」
ナリヒラがごく当たり前の事を言う。
『何だ、見掛けに寄らず、一般的な事を言いやがって。
意外とアウトローじゃないんだ。』
リョウは少し落胆した。
「予備校の冬季合宿に行くと言えば、信じるさ。」
いとも簡単に嘘を思い付く。
自分には人を欺く天分が備わっていたらしい。
「ねぇ、チンポって、どうやったらデカくなるの?」
送ってもらう車中で聞いてみた。
「そうだな。方法は色々あるが、吸引がいいんじゃねえか?」
ナリヒラが器用に狭い駐車場からパジェロを出す。
「きゅういん?」
聞いた単語を繰り返す。
「ああ、吸って、引っ張るんだ。
乳首にしてもマラにしても、肥大させたい奴はやってるぜ。
お前、デカくしたいのか?」
ニヤニヤしたナリヒラが聞く。
「俺は全てにおいて、一番になりたいんだ!
誰にも負けたくないんだ!」
リョウは吠える。
大声を出すことによって、裏切り者達の残像を消したかったのだ。
(つづく)
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