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Chapter10(覚醒編)
Chapter10-⑨【悲しみにさよなら】
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ドアを叩く音がした。
ナリヒラはリョウの口からペニスを引き抜くと、口元で指を一本立てる。
息を潜め、無言で頷く。
隅に追いやられ、ドアが開く。
俯き加減の男が立っていた。
ナリヒラは男の手を引き寄せ、中に入れる。
そして素早くドアを閉めると、内鍵を掛けた。
三人の男が入るには個室は狭い。
「あっ!」仰天したリョウが声をあげる。
その声に顔を上げた男の目が大きく開く。
「せ、先輩…。」
男の言葉が途切れた。
「何だ、お前達知り合いか?
類は友を呼ぶって奴か。」
ナリヒラが押し殺した声で笑う。
「何でお前がここに?」
リョウは事の成り行きに狼狽する。
しかもスグルが穿いているハイドロの競パンは、以前ジュンヤにあげた物だ。
「お、俺、失礼します!」
スグルはナリヒラの手を振り切って、出て行った。
混乱したリョウは茫然自失だ。
朴訥で素直だと思っていたスグルが、ジュンヤやナリヒラとも関係してる。
その事実はリョウの思考を狂わすのに充分だった。
「お前、大丈夫か?」
ポカンとしているリョウにナリヒラが声を掛ける。
リョウは狂った様に、武装したペニスにむしゃぶりつく。
喉チンコにどんな刺激を受けても、もう涙は出なかった。
ナリヒラはここで射精するのが勿体なくなった。
「家に来ねぇか?」
口にペニスを突っ込んだまま聞く。
リョウが咥えたまま頷く。
「可愛い奴だ。
ほら、褒美だ。」
ナリヒラは身震いすると、放尿を始める。
それを美味そうに飲み込む姿はとても学生に思えない。
溢れ出た小便が胸元をすり抜け、白い競パンを黄色に染めていく。
ゴクゴクと喉を鳴らし、亀頭を吸い上げる。
丸でコークを飲む様に飲み干した。
ナリヒラはリョウの自転車をパジェロの荷台に積み込む。
運転席に乗り込むと、イグニッションキーを回す。
ゆっくりパジェロを発進させた。
国道に出た所で、バックミラー越しにリョウを見る。
無言のリョウがナリヒラの股間を凝視していた。
革パンの上からでもくっきりペニスの形が浮かんでいる。
「欲しいのか?」
使い慣れた道が酷く遠い。
「いつもレザーを着ているんですか?」
リョウは別の質問をした。
「ああ、レザーが多いな。」
ナリヒラのブーツがアクセルペダルを踏み込む。
パジェロが一気に加速し、黄色信号を後にした。
「レザーって、いい匂いっすね。」
リョウが思い切り空気を吸い込む。
「ああ、レザーの匂いは最高だ。
この匂いに塗れたセックスが一番だ。
後で着てみるか?」
先行車のテールランプを見たまま聞く。
「着てみたいです。」
抑揚のない声が答える。
「ちっ、渋滞だ。」
ナリヒラが舌打ちする。
「近くで嗅いでもいいっすか?」
リョウが身を乗り出す。
「ああ、構わんぜ。」
リョウが自分の股間の匂いを嗅ぐと思った。
サイドブレーキを引き、助手席に身体の向きを変える。
しかしリョウはブーツに顔を寄せた。
「たまんないっす。」
恍惚とした表情で匂いを嗅いでいる。
「舐めてもいいんだぜ。」
試しに言ってみた。
許可を得たリョウは舌先を尖らせ、ブーツを這わす。
大切な物を壊してしまわない様に、ゆっくりと味わっていた。
「後で送ってやるから、自転車はこのままにしておけ。」
マンションの駐車場にパジェロを停めたナリヒラが言う。
『コツッ、コツッ。』
コンクリートを踏み付けるブーツの音が、リョウの耳に心地好く響く。
前回と同じ部屋で待たされた。
キャンドルの炎で己の影が揺れる。
『レザーって、あんなにいい匂いだったんだ。
全然気付かなかったや。』
このたわいもない発想が、今後のリョウの人生を大きく変えた。
ドアが開き、影が大きくなる。
ブラックレザーを纏ったナリヒラが入って来た。
室内だというのに、ロングブーツを穿いている。
リョウはフラフラと歩み寄ると、レザーにしがみつく。
目一杯息を吸い込み、香を堪能する。
そして激しく愛撫した。
レザーの匂いに包まれ、穏やかな気持ちになっていく。
裏切り、背徳、やり切れない想いを優しく癒してくれた。
(つづく)
ナリヒラはリョウの口からペニスを引き抜くと、口元で指を一本立てる。
息を潜め、無言で頷く。
隅に追いやられ、ドアが開く。
俯き加減の男が立っていた。
ナリヒラは男の手を引き寄せ、中に入れる。
そして素早くドアを閉めると、内鍵を掛けた。
三人の男が入るには個室は狭い。
「あっ!」仰天したリョウが声をあげる。
その声に顔を上げた男の目が大きく開く。
「せ、先輩…。」
男の言葉が途切れた。
「何だ、お前達知り合いか?
類は友を呼ぶって奴か。」
ナリヒラが押し殺した声で笑う。
「何でお前がここに?」
リョウは事の成り行きに狼狽する。
しかもスグルが穿いているハイドロの競パンは、以前ジュンヤにあげた物だ。
「お、俺、失礼します!」
スグルはナリヒラの手を振り切って、出て行った。
混乱したリョウは茫然自失だ。
朴訥で素直だと思っていたスグルが、ジュンヤやナリヒラとも関係してる。
その事実はリョウの思考を狂わすのに充分だった。
「お前、大丈夫か?」
ポカンとしているリョウにナリヒラが声を掛ける。
リョウは狂った様に、武装したペニスにむしゃぶりつく。
喉チンコにどんな刺激を受けても、もう涙は出なかった。
ナリヒラはここで射精するのが勿体なくなった。
「家に来ねぇか?」
口にペニスを突っ込んだまま聞く。
リョウが咥えたまま頷く。
「可愛い奴だ。
ほら、褒美だ。」
ナリヒラは身震いすると、放尿を始める。
それを美味そうに飲み込む姿はとても学生に思えない。
溢れ出た小便が胸元をすり抜け、白い競パンを黄色に染めていく。
ゴクゴクと喉を鳴らし、亀頭を吸い上げる。
丸でコークを飲む様に飲み干した。
ナリヒラはリョウの自転車をパジェロの荷台に積み込む。
運転席に乗り込むと、イグニッションキーを回す。
ゆっくりパジェロを発進させた。
国道に出た所で、バックミラー越しにリョウを見る。
無言のリョウがナリヒラの股間を凝視していた。
革パンの上からでもくっきりペニスの形が浮かんでいる。
「欲しいのか?」
使い慣れた道が酷く遠い。
「いつもレザーを着ているんですか?」
リョウは別の質問をした。
「ああ、レザーが多いな。」
ナリヒラのブーツがアクセルペダルを踏み込む。
パジェロが一気に加速し、黄色信号を後にした。
「レザーって、いい匂いっすね。」
リョウが思い切り空気を吸い込む。
「ああ、レザーの匂いは最高だ。
この匂いに塗れたセックスが一番だ。
後で着てみるか?」
先行車のテールランプを見たまま聞く。
「着てみたいです。」
抑揚のない声が答える。
「ちっ、渋滞だ。」
ナリヒラが舌打ちする。
「近くで嗅いでもいいっすか?」
リョウが身を乗り出す。
「ああ、構わんぜ。」
リョウが自分の股間の匂いを嗅ぐと思った。
サイドブレーキを引き、助手席に身体の向きを変える。
しかしリョウはブーツに顔を寄せた。
「たまんないっす。」
恍惚とした表情で匂いを嗅いでいる。
「舐めてもいいんだぜ。」
試しに言ってみた。
許可を得たリョウは舌先を尖らせ、ブーツを這わす。
大切な物を壊してしまわない様に、ゆっくりと味わっていた。
「後で送ってやるから、自転車はこのままにしておけ。」
マンションの駐車場にパジェロを停めたナリヒラが言う。
『コツッ、コツッ。』
コンクリートを踏み付けるブーツの音が、リョウの耳に心地好く響く。
前回と同じ部屋で待たされた。
キャンドルの炎で己の影が揺れる。
『レザーって、あんなにいい匂いだったんだ。
全然気付かなかったや。』
このたわいもない発想が、今後のリョウの人生を大きく変えた。
ドアが開き、影が大きくなる。
ブラックレザーを纏ったナリヒラが入って来た。
室内だというのに、ロングブーツを穿いている。
リョウはフラフラと歩み寄ると、レザーにしがみつく。
目一杯息を吸い込み、香を堪能する。
そして激しく愛撫した。
レザーの匂いに包まれ、穏やかな気持ちになっていく。
裏切り、背徳、やり切れない想いを優しく癒してくれた。
(つづく)
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