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Chapter10(覚醒編)
Chapter10-③【アーモンドクロワッサン計画】
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「ここが先輩の家っすか?」
重厚な門扉の前で、スグルは立ちすくむ。
ダンプカーが突っ込んでも、弾き返しそうだ。
「当たり前だろ。
他人の家に招待するかよ。」
苦笑したリョウが門脇のインターホンを押す。
「俺、リョウ。開けてもらえるかな。」
インターホンに向かって話し掛ける。
「はい。暫くお待ち下さい。」
相手の声がスピーカー越しに聞こえると、重そうな門がゆっくりと開いた。
中は木々が生い茂り、家屋は見えない。
リョウが暗闇を歩き出すと、照明が燈り、小路が浮かび上がる。
そして静かに門が閉まりだした。
団地住まいのスグルには全てが目新しい。
ドアの前で40歳前後の女性が待っていた。
その美しさに目を見張る。
スグルはてっきりリョウの母親だと思った。
「こんばんは。
お邪魔します。」
スグルは畏まって頭を下げる。
「リョウさん、お帰りなさい。
いらっしゃいませ。」
女性も頭を下げた。
「桃さん、何か軽食ある?」
リョウがキッチンの女性に声を掛ける。
「おやつを用意しておきましたので温めましょうか?
晩御飯はどうしますか?」
桃と呼ばれた女性が聞く。
「うん、いつものアレがいい。
晩飯はスグルが帰ったら食べるから、レンジに入れといて。
母さんは?」
リョウは冷蔵庫を覗きながら、桃の答えを待つ。
「奥様のお帰りは10時を過ぎるそうです。」
桃は既にレンジの前に立っていた。
それを聞いたリョウは胸を撫で下ろす。
缶コーヒーを二本持つと、二階へ駆け上がった。
「リョウ先輩の家って、凄いっすね!
お手伝いさんって、初めて見たっす!」
興奮覚め遣らぬスグルは、暖かいアーモンドクロワッサンに食らい付く。
「お前さ、今まで見た中で、一番デカいチンポってどれくらいだ?」
リョウは聞き飽きているのか、感想は無視された。
別の質問をされ、開き掛けた口を閉じる。
「俺、銭湯とか行ったことないから、他人のって見たことないっすよ。」
咄嗟に嘘を吐く。
スグルはジュンヤのデカマラをいつも見ていた。
ジュンヤは水泳部の中で一番大きい。
合宿の夜、皆に乗せられて、ジュンヤはよく裸踊りをした。
殊更滑稽に振る舞い、皆の笑いを誘う。
スグルは矛先が向かない様、部屋の隅から羨望の眼差しを向けるだけだった。
「だったら、これ見たら度肝を潰すぞ!
何てったって20センチを越える巨根だぜ。
見たいだろ?」
リョウがビデオデッキの電源を入れながら聞く。
『もしかしてジュンヤ先輩の…?』
スグルは口いっぱいのクロワッサンが飲み込めず、黙ったまま何度も頷いた。
大型のテレビに映像が映し出される。
ピンクのタイルの上にマッサージ台が備え付けられている。
見ようによっては、手術台にも見えた。
そこにタオルを腰に巻いた男が横たわっている。
ジュンヤではなかった。
タオルの上からでも分かる、股間の重量感に息を呑む。
画面の中のリョウによって、男のタオルが除けられた。
「あっ!」スグルの口から、驚きの声が漏れる。
亀頭を飾るピアスを初めて見た。
勇ましく気高い戦士を連想する。
身長はそんなに大きくなさそうだ。
その分、余計存在感を誇示している様に見えた。
画面が切り替わり、股間のアップになった。
リョウが自分の手にたっぷりとオイルを降り注ぐ。
キラキラ光る掌で、ダラリとしたペニスをしなやかに揉み解す。
台の上の男は寝ているのか、寝息が聞こえる。
男のペニスに変化が顕れ始めた。
徐々に力が漲っていく。
黒々した亀頭が膨張し、幾許の血管が浮かび上がる。
気高さは消え、狂暴さが牙を剥く。
リョウは巧みな手捌きで、獰猛な巨根を手なずける。
鈴口から溢れた雫がキラリと光った。
それを見届けたリョウは顔を寄せ、その雫を舌で掬う。
スグルの生唾を飲み込む音がゴクンと響いた。
「せ、先輩、こ、この摂取した、ザ、ザーメンはどうしたんすか?
この人は誰なんすか?」
見終わったスグルは興奮を隠せない。
口を閉じさせる事は無理だった。
(つづく)
重厚な門扉の前で、スグルは立ちすくむ。
ダンプカーが突っ込んでも、弾き返しそうだ。
「当たり前だろ。
他人の家に招待するかよ。」
苦笑したリョウが門脇のインターホンを押す。
「俺、リョウ。開けてもらえるかな。」
インターホンに向かって話し掛ける。
「はい。暫くお待ち下さい。」
相手の声がスピーカー越しに聞こえると、重そうな門がゆっくりと開いた。
中は木々が生い茂り、家屋は見えない。
リョウが暗闇を歩き出すと、照明が燈り、小路が浮かび上がる。
そして静かに門が閉まりだした。
団地住まいのスグルには全てが目新しい。
ドアの前で40歳前後の女性が待っていた。
その美しさに目を見張る。
スグルはてっきりリョウの母親だと思った。
「こんばんは。
お邪魔します。」
スグルは畏まって頭を下げる。
「リョウさん、お帰りなさい。
いらっしゃいませ。」
女性も頭を下げた。
「桃さん、何か軽食ある?」
リョウがキッチンの女性に声を掛ける。
「おやつを用意しておきましたので温めましょうか?
晩御飯はどうしますか?」
桃と呼ばれた女性が聞く。
「うん、いつものアレがいい。
晩飯はスグルが帰ったら食べるから、レンジに入れといて。
母さんは?」
リョウは冷蔵庫を覗きながら、桃の答えを待つ。
「奥様のお帰りは10時を過ぎるそうです。」
桃は既にレンジの前に立っていた。
それを聞いたリョウは胸を撫で下ろす。
缶コーヒーを二本持つと、二階へ駆け上がった。
「リョウ先輩の家って、凄いっすね!
お手伝いさんって、初めて見たっす!」
興奮覚め遣らぬスグルは、暖かいアーモンドクロワッサンに食らい付く。
「お前さ、今まで見た中で、一番デカいチンポってどれくらいだ?」
リョウは聞き飽きているのか、感想は無視された。
別の質問をされ、開き掛けた口を閉じる。
「俺、銭湯とか行ったことないから、他人のって見たことないっすよ。」
咄嗟に嘘を吐く。
スグルはジュンヤのデカマラをいつも見ていた。
ジュンヤは水泳部の中で一番大きい。
合宿の夜、皆に乗せられて、ジュンヤはよく裸踊りをした。
殊更滑稽に振る舞い、皆の笑いを誘う。
スグルは矛先が向かない様、部屋の隅から羨望の眼差しを向けるだけだった。
「だったら、これ見たら度肝を潰すぞ!
何てったって20センチを越える巨根だぜ。
見たいだろ?」
リョウがビデオデッキの電源を入れながら聞く。
『もしかしてジュンヤ先輩の…?』
スグルは口いっぱいのクロワッサンが飲み込めず、黙ったまま何度も頷いた。
大型のテレビに映像が映し出される。
ピンクのタイルの上にマッサージ台が備え付けられている。
見ようによっては、手術台にも見えた。
そこにタオルを腰に巻いた男が横たわっている。
ジュンヤではなかった。
タオルの上からでも分かる、股間の重量感に息を呑む。
画面の中のリョウによって、男のタオルが除けられた。
「あっ!」スグルの口から、驚きの声が漏れる。
亀頭を飾るピアスを初めて見た。
勇ましく気高い戦士を連想する。
身長はそんなに大きくなさそうだ。
その分、余計存在感を誇示している様に見えた。
画面が切り替わり、股間のアップになった。
リョウが自分の手にたっぷりとオイルを降り注ぐ。
キラキラ光る掌で、ダラリとしたペニスをしなやかに揉み解す。
台の上の男は寝ているのか、寝息が聞こえる。
男のペニスに変化が顕れ始めた。
徐々に力が漲っていく。
黒々した亀頭が膨張し、幾許の血管が浮かび上がる。
気高さは消え、狂暴さが牙を剥く。
リョウは巧みな手捌きで、獰猛な巨根を手なずける。
鈴口から溢れた雫がキラリと光った。
それを見届けたリョウは顔を寄せ、その雫を舌で掬う。
スグルの生唾を飲み込む音がゴクンと響いた。
「せ、先輩、こ、この摂取した、ザ、ザーメンはどうしたんすか?
この人は誰なんすか?」
見終わったスグルは興奮を隠せない。
口を閉じさせる事は無理だった。
(つづく)
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