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YAMATO

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Chapter9(対峙編)

Chapter9-⑤【粉雪】

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「あっ、あっ、ああぁぁ!」
緩やかに広がりゆく感覚にリョウは頭を振って、快楽を表す。
「そろそろ頭が入る切るぜ。おらっ!」
ナリヒラの掛け声と共に、ズボッと音を立てて亀頭は飲み込まれた。
後はグチュグチュと卑猥な音を伴って、どんどん奥へ入っていくだけだ。
未知の領域に達し、リョウは得も言われぬ快楽を知る。
身体の内から得る刺激に、全身が反応した。
全ての部位が性感帯と化し、更なる快楽を得たい。
「半分以上入ったぜ。
よし、四つん這いになれ!」
ナリヒラはウナギから手を離すと、立ち上がった。
快楽を止められ、身体が小刻みに震える。
四つん這いになると、ウナギは尻尾の様に垂れ下がった。
「犬奴隷の出来上がりだ。
様ねぇな!」
ナリヒラが愉快そうに笑う。
リョウは自分が犬と呼ばれたことに、新たな興奮を覚えた。
犬の様に尻を振る。
ウナギに振動が伝わり、腿を打つ。
「ワン!」声を出してみる。
全身にゾクゾクする快楽が駆け回った。
 
ナリヒラが背中に跨がる。
左手で首輪を持つと、右手を振り下ろす。
『バシッ!』振り下ろされた掌が尻にヒットした。
「M犬はきちんと躾しねぇとな。」
掌は同じ個所を狙い打つ。
痛みで景色が滲む。
しかし藻掻くと首が絞めつけられ、更なる強打が襲ってきた。
リョウはひたすら嵐が通り過ぎるのを待つ。
何度も叩かれる内に、痛みが快感に変わっていく。
痛い筈なのに、マラに活気が戻りつつある。
その変化をナリヒラは見逃さなかった。
「やはりお前は真正のMだな。
もう後戻り出来ないぜ。
後は落ちて行くだけだ。
全身にタトゥーとピアス入れて、俺様に一生奉仕するんだ。」
ナリヒラは狂った様にスパンキングを繰り返す。
リョウは燃える様な痛みを感じなから射精した。
『男って、チンコ扱かなくても射精するんだな。』
リョウはこの場に不似合いな感想を抱く。
同時に、己のザーメンの上に突っ伏す。
ウナギの反対側がナリヒラに飲み込まれていくのが、霞んで見えなくなった。
闇の中に困り顔のジュンヤの顔が浮かぶ。
『ジュンヤ、俺は怖いんだ!
独りになりたくない!
助けてくれよ!』
心の中の叫び声は漆黒に吸い込まれた。
 
ジュンヤは電話番号の書かれた紙とマンションを交互に見る。
我慢の限界に達した。
『やはり交番へ行こう。』
そう決心した時、エントランスの自動ドアが開く。
中からよろけた足取りのリョウが現れた。
「だっ、大丈夫か…?」
駆け寄るジュンヤの言葉が途切れる。
丸坊主の頭を見て、次の言葉が出て来ない。
「あっ、ジュンヤ…。
待っててくれたんだ。」
リョウがニッコリと微笑む。
ジュンヤはその変わり果てた姿に呆然とする。
コートは着ているが、その下は真っ裸だ。
開けたコートの下から、萎えたペニスが覗く。
その付け根には極太のコックリングが食い込んでいた。
肌が変色し、見るからに痛々しい。
ジュンヤはコートの前ボタンを留めてあげる事しか出来なかった。
リョウの手を引っ張り、路地裏に入る。
リングを外そうと試みるが、肉に食い込んだリングは外れる気配がない。
「い、痛いよ!」
リョウが悲鳴をあげ、ここでは無理だと悟る。
良く見ると、リングには蝶番があり、ネジで留められていた。
「ここで待ってろ!」
ジュンヤはネジを緩めた方が早いと思い直し、夜の町に飛び出した。
 
「お前さ、もっと自分を大切にしろよ。」
帰りの電車の中で、ジュンヤは声を掛ける。
リョウは焦点の定まらない視線で、車窓を眺めていた。
「あんな見るからに危なそうな男に付いて行くなんて、自殺行為だぜ。
おい、聞いているのか?」
無反応なリョウに苛立ちを覚える。
「今日はありがとう。」
ホームに降り立ったリョウがボソッと言った。
「いや、別に…。」
改まって礼を言われると、返す言葉が見付からない。
「たださ、俺…、止まれそうもないんだ。
じゃあ、またな。」
リョウはスキンヘッドになった頭を撫でると、泣き笑いの顔になった。
「リョウ…。」
ジュンヤが言葉を探している間に、リョウは踵を返す。
丸めた背中を見せると、走って改札を走り抜けて行った。
 
ジュンヤが改札を出ると、北風に乗った白い粉が顔に当たる。
見上げた夜空は完全に雲で覆われていた。
リョウの姿はとっくにない。
『リョウはどこに向かって走り出したのか?
何故、止まれないか?』
ジュンヤに答えは分からない。
ただリョウを守るのは自分しかいないだろう。
フードが雪に覆われていく事に、暫く気付かなかった。
 
 
(つづく)
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