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Chapter8(魔法使い編)
Chapter8-⑨【WHAT A FEELING】
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待ち遠しかった日曜日がやってきた。
リョウは二つの作戦を用意していた。
無謀な事は百も承知だ。
しかし誰にもこの気持ちを止める事は出来ない。
イオリは都合よくホワイトジーンズを穿いている。
最初の二時間は上の空で聞き流す。
休憩に母親がコーヒーを持って来る。
リョウはそれを待っていた。
イオリに渡す時にソーサーを持ち損ねた振りをする。
そしてコーヒーをイオリの股間に零す。
「まあ、リョウちゃんたら!」
母親が窘める。
「大丈夫ですよ。」
イオリが穏やかに言う。
「先生、御召し物を脱いで下さい。
早めに洗えば、染みになりませんから。」
母親は慌てて、イオリのジーンズに手を掛ける。
「本当、大丈夫ですから。
気にしないで下さい。」
腰を引いたイオリが辞退した。
「リョウちゃん、何か着替えを出して差し上げて。
二時間あれば乾燥まで済みます。
さあ、早く。」母親が捲くし立てる。
この母親が自分の意見を引っ込めるとは思えない。
イオリは肩を竦めて、ジーンズを脱ぎだす。
母親はジーンズを受け取ると、慌ただしく階下に降りて行った。
「先生、すみません。」
しおらしく頭を下げる。
その先にある股間を凝縮した。
薄手のボクサーブリーフに大木が横たわる。
リョウは息を呑む。
「先生、着る物どうしよう?」
狼狽した振りをして聞く。
「何でもいいさ。
ちょっと借りるだけだ。
これから洗う服でいいよ。」
想定通りの遠慮勝ちな答えだ。
「じゃあ、昨日練習の時に着たウエアでいいかな?
汗は掻いてないから。」
リョウはスポーツバッグからスパッツを出す。
受け取ったスパッツは伸縮性のある小さ過ぎるスパッツだった。
何でもいいと言った手前、断れない。
仕方なく足を通す。
締め付けるスパッツは巨根に張り付き、リアルな形を浮かび上がらせた。
「先生のチンポ、めちゃくちゃデカいんだ!」
リョウが初めて視線を合わせて言う。
『嵌められた!』
イオリは初めて、リョウの策略を知った。
『イオリが「何でもいい」と言う事を想定していたのか。
中々やるじゃないか。』
イオリは呆れながらも感心する。
頭の使い方を覚えたリョウに、今日はサービスする事にした。
「じゃあ、勉強を続けるぞ。」
イオリはその姿のまま英語のテキストを読み始める。
「では次回までにこの単語を覚えておくように。
英語で武器になるのは知ってる単語の数だ。
覚えた単語の数が自分の兵隊だと思えば、苦にならないだろう。」
イオリは自分が高校生の時に使っていた単語帳を机に置く。
「これ全部覚えるの?」
リョウはそれを手に取り、目を丸くする。
単語帳は全部で20以上あることを、今は言わない事にした。
「ちょっと待ってて。」
リョウが階段を駆け降りて行く。
「母さん、服乾いた?」
階下からリョウの声が聞こえた。
『まだまだ子供だな。』
リョウの事を感違いしていた様だ。
一癖ありそうだと思ったが、単なる人見知りが強いだけなのかもしれない。
「母さんが風呂に入れって。
もう湧いているよ。」
部屋に戻ったリョウが言う。
「構わなくていいさ。」
イオリは遠慮する。
「わざわざ沸かしたんだから、入っていきなよ。」
恩着せがましく勧めてきた。
「なら…、入っていこうかな。」
イオリはリョウの後を付いて行く。
「着替えはここに置いておくよ。」
リョウが脱衣所から出て行った。
ちょっと肩透かしを喰らった気分だ。
リョウの家は大邸宅と呼ぶに相応しい。
風呂は大理石で出来ていて、ジェットバスも備えてある。
イオリはのんびり湯舟に浸かった。
足を延ばしても、まだ余裕がある。
充満する湯気に包まれるのは久し振りだ。
物音がし、湯気の奥に視線を向ける。
磨りガラスに人影が映った。
「先生、お詫びに背中を流すよ。」
リョウの声を聞き、慌てて肩まで浸かる。
競パン姿のリョウがタオルを持って、入って来た。
『しまった!』またしても一杯食わされた事を知り、唇を噛む。
(つづく)
リョウは二つの作戦を用意していた。
無謀な事は百も承知だ。
しかし誰にもこの気持ちを止める事は出来ない。
イオリは都合よくホワイトジーンズを穿いている。
最初の二時間は上の空で聞き流す。
休憩に母親がコーヒーを持って来る。
リョウはそれを待っていた。
イオリに渡す時にソーサーを持ち損ねた振りをする。
そしてコーヒーをイオリの股間に零す。
「まあ、リョウちゃんたら!」
母親が窘める。
「大丈夫ですよ。」
イオリが穏やかに言う。
「先生、御召し物を脱いで下さい。
早めに洗えば、染みになりませんから。」
母親は慌てて、イオリのジーンズに手を掛ける。
「本当、大丈夫ですから。
気にしないで下さい。」
腰を引いたイオリが辞退した。
「リョウちゃん、何か着替えを出して差し上げて。
二時間あれば乾燥まで済みます。
さあ、早く。」母親が捲くし立てる。
この母親が自分の意見を引っ込めるとは思えない。
イオリは肩を竦めて、ジーンズを脱ぎだす。
母親はジーンズを受け取ると、慌ただしく階下に降りて行った。
「先生、すみません。」
しおらしく頭を下げる。
その先にある股間を凝縮した。
薄手のボクサーブリーフに大木が横たわる。
リョウは息を呑む。
「先生、着る物どうしよう?」
狼狽した振りをして聞く。
「何でもいいさ。
ちょっと借りるだけだ。
これから洗う服でいいよ。」
想定通りの遠慮勝ちな答えだ。
「じゃあ、昨日練習の時に着たウエアでいいかな?
汗は掻いてないから。」
リョウはスポーツバッグからスパッツを出す。
受け取ったスパッツは伸縮性のある小さ過ぎるスパッツだった。
何でもいいと言った手前、断れない。
仕方なく足を通す。
締め付けるスパッツは巨根に張り付き、リアルな形を浮かび上がらせた。
「先生のチンポ、めちゃくちゃデカいんだ!」
リョウが初めて視線を合わせて言う。
『嵌められた!』
イオリは初めて、リョウの策略を知った。
『イオリが「何でもいい」と言う事を想定していたのか。
中々やるじゃないか。』
イオリは呆れながらも感心する。
頭の使い方を覚えたリョウに、今日はサービスする事にした。
「じゃあ、勉強を続けるぞ。」
イオリはその姿のまま英語のテキストを読み始める。
「では次回までにこの単語を覚えておくように。
英語で武器になるのは知ってる単語の数だ。
覚えた単語の数が自分の兵隊だと思えば、苦にならないだろう。」
イオリは自分が高校生の時に使っていた単語帳を机に置く。
「これ全部覚えるの?」
リョウはそれを手に取り、目を丸くする。
単語帳は全部で20以上あることを、今は言わない事にした。
「ちょっと待ってて。」
リョウが階段を駆け降りて行く。
「母さん、服乾いた?」
階下からリョウの声が聞こえた。
『まだまだ子供だな。』
リョウの事を感違いしていた様だ。
一癖ありそうだと思ったが、単なる人見知りが強いだけなのかもしれない。
「母さんが風呂に入れって。
もう湧いているよ。」
部屋に戻ったリョウが言う。
「構わなくていいさ。」
イオリは遠慮する。
「わざわざ沸かしたんだから、入っていきなよ。」
恩着せがましく勧めてきた。
「なら…、入っていこうかな。」
イオリはリョウの後を付いて行く。
「着替えはここに置いておくよ。」
リョウが脱衣所から出て行った。
ちょっと肩透かしを喰らった気分だ。
リョウの家は大邸宅と呼ぶに相応しい。
風呂は大理石で出来ていて、ジェットバスも備えてある。
イオリはのんびり湯舟に浸かった。
足を延ばしても、まだ余裕がある。
充満する湯気に包まれるのは久し振りだ。
物音がし、湯気の奥に視線を向ける。
磨りガラスに人影が映った。
「先生、お詫びに背中を流すよ。」
リョウの声を聞き、慌てて肩まで浸かる。
競パン姿のリョウがタオルを持って、入って来た。
『しまった!』またしても一杯食わされた事を知り、唇を噛む。
(つづく)
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