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Chapter8(魔法使い編)
Chapter8-⑤【禁断のテレパシー】
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「おかえり。」
ワープロに向かっていたイオリが振り返る。
「ああ、ただいま。」
ヨウはバックを置くと、ソファーに倒れ込んだ。
「疲れているみたいだね。
今から夕飯を作るよ。」
イオリは立ち上がり、キッチンに立つ。
「ゴメン、軽く食ってきたんだ。
俺はいいや。」
ヨウは気まずさを押し隠す様にイオリの背後に立ち、抱きしめる。
「どうしたの?」
キョトンとしたイオリが振り向く。
「イオリが一番って事だよ。」
唇を押し付けて誤魔化す。
『外で二番目とセックスしてきたんだ。』
イオリは直ぐにピンときた。
しかしそれを問い詰める気はない。
自分の背信行為を棚に上げて、ヨウを責める気にはなれない。
ただどんな相手かは気になる。
隣の部屋で電話が鳴った。
「泳ぎ疲れてたから、ちょっとベッドに横になってくる。」
ヨウが立ち上がり、自分の部屋に向かう。
ドアが閉まると、着信音は止まった。
「先輩、今日はありがとうございました。
今、先輩のビデオを見て、イメトレしてます。
次回会うの楽しみにしています。
では、おやすみなさい。」
リョウは一方的に話すと、電話は切れた。
声を出さずに済み、安堵する。
『先輩のビデオ』を『先輩から貰ったジム・モンゴメリーのビデオ』に置き替えてい
た。
『しっかり見て、練習しておけよ。
俺も次回の為に色々と研究しておく。』
受話器を戻すと、ベッドに倒れ込む。
伝えるべき言葉を飲み込み、目を閉じる。
弾力性のあるアナルを思いだす。
今までに味わった事のない締め付け感が蘇り、股間が燃える様に熱い。
『あのアナルにもう一度入れたい!
今度は中出ししたい!』
ヨウは禁断の欲望を封印しようと試みる。
ベッドに足を掛け、腹筋を繰り返す。
しかし封印するどころか、その欲望は増大するばかりだ。
手が盛り上がった股間へ移動する。
「リョウ…。」つい名前が口を付いた。
デスクの上の封書に目が留まる。
手に取ると、見慣れたジュンヤの文字が視界を覆った。
咎め立てるその文字が現実に引き戻す。
『先輩元気っすか?
先輩のマンコ、俺のチンポ欲しがってないっすか?
今度はいつ会えるっすか?
早く先輩を犯したいっすよ!』
ヨウは手紙を読み終えると、頭を抱える。
八方塞がりで、降参するしかない。
もう自分一人で解決出来い事は明白だ。
リビングへ行くと、電気は消えていた。
イオリの部屋のドアをノックする。
「どうぞ。」中から声がした。
「ちょっといいかな?」
ヨウは中を覗く。
久し振りにイオリの部屋に入った。
綺麗に片付けられ、整然としている。
洗濯物で溢れている自分の部屋とは大違いだ。
「相談事?」イオリがワープロに目を向けたまま聞いてきた。
「どうせ浮気相手の事でしょ?」
イオリは顔を上げると口角を上げる。
ヨウが話し易い様に、空気を和ます。
「ど、どうしてそれを…。
お前、超能力者か?」
ヨウが目を見開く。
「まさか、ヨウが分かり易いだけだよ。」
イオリはつい笑ってしまう。
「実は困った事になったんだ…。」
ヨウがジュンヤとリョウの話を、大会に遡って話し出した。
話の内容にイオリも驚きを隠せない。
まさか高校生二人に言い寄られているとは。
分別の付く大人と違い子供が相手となると、対処を間違うと面倒な事になる。
早急に的確な手を打たないとならない。
聞き終わったイオリは思案する。
いつまでも黙っているイオリに、ヨウは不安を覚えた様だ。
「怒ってるいるのか?」
恐る恐る聞いてきた。
「別に怒ってないさ。
彼氏が好かれるのは悪い気しないよ。
ただ相手が悪い。
高校生じゃあ、犯罪だよ。」
イオリは正直な感想を言う。
「ヨウはこれで人生を棒に振る気?」
意地悪く付け足した。
「まっ、まさか!」
ヨウが顔を振る。
「性欲旺盛な年頃だから、言葉で納得するとは思えない。
かと言って、二人が納得しないと、解決にならない。」
さすがのイオリも簡単には対処法が思い付かない。
「一晩考えさせて。
緻密に練らないと、大火傷負うからさ。」
イオリは目を綴じると、難題なパズルに取り組み始めた。
(つづく)
ワープロに向かっていたイオリが振り返る。
「ああ、ただいま。」
ヨウはバックを置くと、ソファーに倒れ込んだ。
「疲れているみたいだね。
今から夕飯を作るよ。」
イオリは立ち上がり、キッチンに立つ。
「ゴメン、軽く食ってきたんだ。
俺はいいや。」
ヨウは気まずさを押し隠す様にイオリの背後に立ち、抱きしめる。
「どうしたの?」
キョトンとしたイオリが振り向く。
「イオリが一番って事だよ。」
唇を押し付けて誤魔化す。
『外で二番目とセックスしてきたんだ。』
イオリは直ぐにピンときた。
しかしそれを問い詰める気はない。
自分の背信行為を棚に上げて、ヨウを責める気にはなれない。
ただどんな相手かは気になる。
隣の部屋で電話が鳴った。
「泳ぎ疲れてたから、ちょっとベッドに横になってくる。」
ヨウが立ち上がり、自分の部屋に向かう。
ドアが閉まると、着信音は止まった。
「先輩、今日はありがとうございました。
今、先輩のビデオを見て、イメトレしてます。
次回会うの楽しみにしています。
では、おやすみなさい。」
リョウは一方的に話すと、電話は切れた。
声を出さずに済み、安堵する。
『先輩のビデオ』を『先輩から貰ったジム・モンゴメリーのビデオ』に置き替えてい
た。
『しっかり見て、練習しておけよ。
俺も次回の為に色々と研究しておく。』
受話器を戻すと、ベッドに倒れ込む。
伝えるべき言葉を飲み込み、目を閉じる。
弾力性のあるアナルを思いだす。
今までに味わった事のない締め付け感が蘇り、股間が燃える様に熱い。
『あのアナルにもう一度入れたい!
今度は中出ししたい!』
ヨウは禁断の欲望を封印しようと試みる。
ベッドに足を掛け、腹筋を繰り返す。
しかし封印するどころか、その欲望は増大するばかりだ。
手が盛り上がった股間へ移動する。
「リョウ…。」つい名前が口を付いた。
デスクの上の封書に目が留まる。
手に取ると、見慣れたジュンヤの文字が視界を覆った。
咎め立てるその文字が現実に引き戻す。
『先輩元気っすか?
先輩のマンコ、俺のチンポ欲しがってないっすか?
今度はいつ会えるっすか?
早く先輩を犯したいっすよ!』
ヨウは手紙を読み終えると、頭を抱える。
八方塞がりで、降参するしかない。
もう自分一人で解決出来い事は明白だ。
リビングへ行くと、電気は消えていた。
イオリの部屋のドアをノックする。
「どうぞ。」中から声がした。
「ちょっといいかな?」
ヨウは中を覗く。
久し振りにイオリの部屋に入った。
綺麗に片付けられ、整然としている。
洗濯物で溢れている自分の部屋とは大違いだ。
「相談事?」イオリがワープロに目を向けたまま聞いてきた。
「どうせ浮気相手の事でしょ?」
イオリは顔を上げると口角を上げる。
ヨウが話し易い様に、空気を和ます。
「ど、どうしてそれを…。
お前、超能力者か?」
ヨウが目を見開く。
「まさか、ヨウが分かり易いだけだよ。」
イオリはつい笑ってしまう。
「実は困った事になったんだ…。」
ヨウがジュンヤとリョウの話を、大会に遡って話し出した。
話の内容にイオリも驚きを隠せない。
まさか高校生二人に言い寄られているとは。
分別の付く大人と違い子供が相手となると、対処を間違うと面倒な事になる。
早急に的確な手を打たないとならない。
聞き終わったイオリは思案する。
いつまでも黙っているイオリに、ヨウは不安を覚えた様だ。
「怒ってるいるのか?」
恐る恐る聞いてきた。
「別に怒ってないさ。
彼氏が好かれるのは悪い気しないよ。
ただ相手が悪い。
高校生じゃあ、犯罪だよ。」
イオリは正直な感想を言う。
「ヨウはこれで人生を棒に振る気?」
意地悪く付け足した。
「まっ、まさか!」
ヨウが顔を振る。
「性欲旺盛な年頃だから、言葉で納得するとは思えない。
かと言って、二人が納得しないと、解決にならない。」
さすがのイオリも簡単には対処法が思い付かない。
「一晩考えさせて。
緻密に練らないと、大火傷負うからさ。」
イオリは目を綴じると、難題なパズルに取り組み始めた。
(つづく)
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