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Chapter7(朋友編)
Chapter7-⑫【花】
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「先輩、声がデカイっすよ!
室内は明るいからめちゃ透けるけど、街中だと良く見ないと分からないっすよ。」
ジュンヤは左右を見回して、気に止めている者がいない事を確認した。
「さあ、飯を食いに行くっすよ!」
ショルダーバッグを斜め掛けすると、ジュンヤはスタスタと歩いて行く。
ヨウは興奮が収まらない。
ディルドを入れたケツワレ姿で街を歩いている。
誰も気付かないと自分に言い聞かすが、ちょっと注意深く見れば直ぐに分かった。
薄暮の中、ウインドウに淫らな男が映っている。
背後から近付いたジュンヤがディルドを押し込む。
「先輩、どんな気分すか?
夕陽が思いの外キツクて、かなりバレバレっすね。」
ジュンヤが澄まして言う。
「この先に公園があるから、寄って行くっすよ。」
ジュンヤは手を引っ張ると、どんどん歩いて行く。
黒キャップの発言が頭を掠めるが、今はこの衝動を抑え切れない。
ショートパンツを先走りで濡らしながら、便所を目指した。
「リョウ、ラーメンでも食って行かないか?」
部室の鍵を掛けている後ろ姿に、ジュンヤは声を掛けた。
「ゴメン、用事があるんだ。
職員室に鍵を戻して来るから、先に帰っていいよ。」
リョウは背中を見せたまま本館へ向かう。
あの日以来、リョウが距離を置いている事は確かだ。
しかし、どうしようもなかった。
ジュンヤは家に戻り着替えを済ますと、ジョギングに出る。
交差点で信号待ちになった。
ふと脇を見ると、ファーストフードのイートインコーナーにリョウが見えた。
「用事があるって言ってたのに…。」
ジュンヤはガラス窓を叩こうと、近寄って行く。
リョウは全く気付かない。
一心不乱のリョウに違和感を覚える。
紙に書いては、消しゴムで消す。
それを繰り返す内に紙が破れた。
紙を丸めると、立ち上がりダストボックスに捨てる。
リョウは窓外に気付く事なく、店を後にした。
ジュンヤの中で警報機が大きく鳴る。
店に入り、コークを頼む。
店内に客はいない。
ダストボックスを開け、一番上にある紙屑を拾う。
席に座ると、丸められた紙屑を広げる。
一部破け、文字も消えているが、読み取る事は可能だった。
『鈴木先生へ忠告します。
そちらの生徒が卒業生と淫らな行為を行っています。
私は犯罪を見逃す訳にはいきません。
至急、指導をして下さい。
改善が見られない場合は教育委員会に』
ここで文章は終わっていた。
ジュンヤは衝撃を受けた。
これをリョウが書いたという事実が、信じ難い。
「どうしてこんな事を…。」
思わず非難が口を衝く。
紙を良く良く見ると、ところどころが水滴で濡れている事に気付く。
それが原因で紙が破れた様だ。
『涙?』ジュンヤは手が震えた。
『リョウは苦しんでいたんだ。
リョウを追い込んだのは俺だ。』
ジュンヤは後悔する。
親友の想いは薄々分かっていた。
分かっていたが、気付かぬ振りする。
ジュンヤはその想いを都合良く利用した。
そして用済みになると、とっとと切り捨てる。
自分勝手な行動を改めて省みた。
振り返ると、いつもリョウは側にいた。
小さい頃、学校やスイミングスクールで、いつもリョウはジュンヤの袖を掴んでいたのだ。
部室で二人きりになった。
ジュンヤはリョウの背後に周り、大胸筋を押し当てる。
震えているのが分かった。
「止めろよ。男同士だろ? 」
リョウは文句を言うが、身体は拒まない。
ジュンヤはそれには答えず、競パンの中に手を滑り込ませる。
熱り立つペニスが待ち構えていた。
「リョウのチンポは温かいな。」
ジュンヤは初めてその事に気付く。
「ケツ貸してくれるか?」
遠慮がちに聞く。
そこまで望んでいるか、確信はない。
「ジュンヤがしたいなら、貸してやってもいいぜ。」
リョウは強がるが、震えが更に大きくなった。
ゆっくり進入を試みる。
意外な程緩く、簡単に挿入出来た。
腰を緩やかに振り始める。
先輩のキツキツの締め具合と大違いだ。
温かく包み込んでくれた。
「お前、経験あるのか?」
ジュンヤは驚きを隠せず、聞いてみる。
「まあな。1年の時、先輩達に結構やられた。」
涙で濡れた瞳でウインクした。
この行動の真意がジュンヤ自身、理解出来ていない。
自分自身の保身の為か?
ヨウを守る為か?
それともヨウと会えない欲求の捌け口か?
どれも違う様であり、全て当て嵌まっている様にも思えた。
ただ間違いないのはジュンヤのペニスが、猛烈に男のアナルを欲していたのだ。
(完)
室内は明るいからめちゃ透けるけど、街中だと良く見ないと分からないっすよ。」
ジュンヤは左右を見回して、気に止めている者がいない事を確認した。
「さあ、飯を食いに行くっすよ!」
ショルダーバッグを斜め掛けすると、ジュンヤはスタスタと歩いて行く。
ヨウは興奮が収まらない。
ディルドを入れたケツワレ姿で街を歩いている。
誰も気付かないと自分に言い聞かすが、ちょっと注意深く見れば直ぐに分かった。
薄暮の中、ウインドウに淫らな男が映っている。
背後から近付いたジュンヤがディルドを押し込む。
「先輩、どんな気分すか?
夕陽が思いの外キツクて、かなりバレバレっすね。」
ジュンヤが澄まして言う。
「この先に公園があるから、寄って行くっすよ。」
ジュンヤは手を引っ張ると、どんどん歩いて行く。
黒キャップの発言が頭を掠めるが、今はこの衝動を抑え切れない。
ショートパンツを先走りで濡らしながら、便所を目指した。
「リョウ、ラーメンでも食って行かないか?」
部室の鍵を掛けている後ろ姿に、ジュンヤは声を掛けた。
「ゴメン、用事があるんだ。
職員室に鍵を戻して来るから、先に帰っていいよ。」
リョウは背中を見せたまま本館へ向かう。
あの日以来、リョウが距離を置いている事は確かだ。
しかし、どうしようもなかった。
ジュンヤは家に戻り着替えを済ますと、ジョギングに出る。
交差点で信号待ちになった。
ふと脇を見ると、ファーストフードのイートインコーナーにリョウが見えた。
「用事があるって言ってたのに…。」
ジュンヤはガラス窓を叩こうと、近寄って行く。
リョウは全く気付かない。
一心不乱のリョウに違和感を覚える。
紙に書いては、消しゴムで消す。
それを繰り返す内に紙が破れた。
紙を丸めると、立ち上がりダストボックスに捨てる。
リョウは窓外に気付く事なく、店を後にした。
ジュンヤの中で警報機が大きく鳴る。
店に入り、コークを頼む。
店内に客はいない。
ダストボックスを開け、一番上にある紙屑を拾う。
席に座ると、丸められた紙屑を広げる。
一部破け、文字も消えているが、読み取る事は可能だった。
『鈴木先生へ忠告します。
そちらの生徒が卒業生と淫らな行為を行っています。
私は犯罪を見逃す訳にはいきません。
至急、指導をして下さい。
改善が見られない場合は教育委員会に』
ここで文章は終わっていた。
ジュンヤは衝撃を受けた。
これをリョウが書いたという事実が、信じ難い。
「どうしてこんな事を…。」
思わず非難が口を衝く。
紙を良く良く見ると、ところどころが水滴で濡れている事に気付く。
それが原因で紙が破れた様だ。
『涙?』ジュンヤは手が震えた。
『リョウは苦しんでいたんだ。
リョウを追い込んだのは俺だ。』
ジュンヤは後悔する。
親友の想いは薄々分かっていた。
分かっていたが、気付かぬ振りする。
ジュンヤはその想いを都合良く利用した。
そして用済みになると、とっとと切り捨てる。
自分勝手な行動を改めて省みた。
振り返ると、いつもリョウは側にいた。
小さい頃、学校やスイミングスクールで、いつもリョウはジュンヤの袖を掴んでいたのだ。
部室で二人きりになった。
ジュンヤはリョウの背後に周り、大胸筋を押し当てる。
震えているのが分かった。
「止めろよ。男同士だろ? 」
リョウは文句を言うが、身体は拒まない。
ジュンヤはそれには答えず、競パンの中に手を滑り込ませる。
熱り立つペニスが待ち構えていた。
「リョウのチンポは温かいな。」
ジュンヤは初めてその事に気付く。
「ケツ貸してくれるか?」
遠慮がちに聞く。
そこまで望んでいるか、確信はない。
「ジュンヤがしたいなら、貸してやってもいいぜ。」
リョウは強がるが、震えが更に大きくなった。
ゆっくり進入を試みる。
意外な程緩く、簡単に挿入出来た。
腰を緩やかに振り始める。
先輩のキツキツの締め具合と大違いだ。
温かく包み込んでくれた。
「お前、経験あるのか?」
ジュンヤは驚きを隠せず、聞いてみる。
「まあな。1年の時、先輩達に結構やられた。」
涙で濡れた瞳でウインクした。
この行動の真意がジュンヤ自身、理解出来ていない。
自分自身の保身の為か?
ヨウを守る為か?
それともヨウと会えない欲求の捌け口か?
どれも違う様であり、全て当て嵌まっている様にも思えた。
ただ間違いないのはジュンヤのペニスが、猛烈に男のアナルを欲していたのだ。
(完)
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