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YAMATO

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Chapter7(朋友編)

Chapter7-⑧【アゲハ蝶】

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写真と己のマラを見比べる。
丸で大人と子供の違いであった。
ヨウの唯一のコンプレックスだ。
パイパンにしたマラは少年の物の様に青々しい。
「俺、正直ガッカリっす。
この子供染みたチンポが先輩のだなんて。
先輩が水泳をコーチしてくれる替わりに、俺が先輩のチンポを鍛えるっすよ。
今度市立プールで会えないっすか?」
ジュンヤが提案してきた。
 
ジュンヤは練習に熱が入る。
しかし幾ら泳いでも、あの試合の感覚には程遠い。
ヨウの記録を越える事を、二人の約束とした。
それとは対照的にタクローはマイペースだ。
時間内の練習を終えると、即帰宅した。
キャプテンのタクローが帰り準備を始めると、他の部員もそれに従う。
結果、残るのはジュンヤとリョウだけになる。
今日も自分のベストラップを越えられず、燃焼不足のままプールを上がった。
テンションが上がらず、無言でジュンヤは帰り支度をする。
 
リョウは横目でジュンヤの姿を追う。
しかしジュンヤがリョウの背後に動く気配はない。
リョウは我慢の限界に達し、己からジュンヤの背後に回り込んだ。
大胸筋を背中に押し付け、右手をジュンヤの競パンに潜り込ませた。
「あっ!」ジュンヤが電気に触れた如く、ピクッと反応する。
何回も繰り返された儀式なのに、何故今更驚くのか、リョウには理解出来ない。
「リョウ、もう止めにしないか?
やっぱり男同士でおかしいよ。」
ジュンヤはリョウの手首を持つと、競パンから引きずり出した。
「…。」リョウは事の成り行きに狼狽える。
「俺、シャワー浴びて来るから。」
ジュンヤは視線を合わせる事なく、シャワーブースへ消えて行った。
『これもヨウ先輩の所為?
先輩が現れてから、全てが狂い出した。』
リョウはシャワーブースを見詰める。
カーテンの上部から湯気が上がった。
リョウはジュンヤのバッグに歩み寄る。
ジュンヤはバッグのポケットにいつも手帳を仕舞っていた。
ポケットのジッパーをスライドさせ、手帳を取り出す。
大雑把な性格のジュンヤの手帳は殆ど白紙だ。
アドレス帳から『や行』を開くと、『ヨウ先輩』の文字が現れた。
リョウは一旦シャワーブースに視線を送り、急いでヨウの情報を書き写した。
 
待ちに待った水曜日は祭日だ。
市立プールの入口で待っていると、小走りのヨウが現れた。
「悪い!寝坊した。」
荒い息のヨウが両手を合わす。
「先輩、10分遅刻っす。
待ちくたびれたっすよ。」
ジュンヤはヨウとの再会に破顔しそうになるのを堪えて、唇を尖らす。
やっとヨウに会えた。
それだけで嬉しい。
「ゴメン、ゴメン。
昨晩、今日の練習メニューを考えてたら、寝れなくなってさ。」
ヨウが言い訳をする。
「練習メニューって、俺の為に?」
抱き付きたい衝動に耐え、瞳を見開く。
「ああ、ジュンヤの泳ぎは斑がある。
それを克服する練習を考えたんだ。」
ヨウが仕事の合間に有名選手の練習方法や経験談を読んで、ジュンヤ向けの練習を検
討した事を話す。
「マジっすか?めちゃ嬉しいっす!
俺、頑張るっすよ!」
ジュンヤはヨウの手を握ると、大きく振る。
遂に幻の蝶を捕まえた気がした。
 
ロッカー室に入り、並んで着替えをする。
「先輩、ちゃんと透けパンを持って来たっすか?」
スパッツ型の水着に着替え終わったジュンヤがヨウの方を向く。
試合の日に穿いていたハイドロが気に入ったらしく、持って来いと手紙に書いてあった。
「ああ、持って来たぜ。」
ヨウは赤面しながらも、バッグからハイドロを出す。
「めちゃ小さいっすね!
SSじゃないっすか!」
タグを見たジュンヤが目を丸くする。
そしてシャワーカーテンの中にヨウを引っ張って行く。
カーテンを閉めると、ジュンヤはヨウの唇を貪る。
舌など使わない幼いキスだった。
 
 
(つづく)
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