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Chapter5(楽園編)
Chapter5-⑪【最愛】
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ソウイチロウの脳裏に映像が浮かぶ。
岩場に吊されたイオリに波が打ち付ける。
『波浪と巨根か…、ピッタリだ。』
思わぬ助言に、ソウイチロウはにんまりした。
「アドバイス助かったぜ。」
ソウイチロウは青年に声を掛ける。
「これから潮が満ちるから面白くなるよ。」
青年が白い歯を零した。
「天国に行くか?」
ソウイチロウがイオリに問い掛ける。
イオリは熱に魘された様に何度も頷く。
ソウイチロウは起き上がると、イオリを抱える。
岩場の下まで行くと、次々に波が襲ってきた。
イオリの両手を縛った縄を、突き出た岩に引っ掛ける。
腕が上に上がり、縄がピンと張った。
爪先立ちで、何とか足が付く程度に長さを調整する。
打ち寄せた波が顔に浴びせ掛った。
「く、苦しいよ。」
イオリの切ない表情に、ソウイチロウの欲望は掻き立てられた。
全裸のイオリを抱きしめ、キスをする。
「天国に連れて行ってやる。」
苦悶を浮かべるイオリに言った。
少し離れた浜辺からトウマは二人を見守る。
「上手くやったな。」
後ろからジョージが声を掛けたが、トウマは答えない。
『天国』と男は言った。
トウマは大袈裟だと思いながらも、展開が気になった
どんな責めでそれを具現化するのか、見届けたい。
ソウイチロウは浜辺に一度戻ると、消毒済みの手袋を装着する。
ピッタリと掌に密着させ、装着感は殆どない。
その拳にリドカインゼリーをたっぷりと降り注ぐ。
ボトルを口に咥えると、イオリの下に颯爽と戻る。
「まさか、あんな所でフィストする気か?
狂ってるぜ!」
ジョージが絶句した。
トウマは無言のままだ。
ただ競パンのフロントが張り裂けんばかりに隆起していた。
ソウイチロウはイオリの脚を軽々と持ち上げ、自分の肩に掛けた。
イオリの手首に縄が食い込み、真っ赤に染まる。
ソウイチロウはボトルの先端を突き出たアナルに差し込む。
一気に押すと、リドカインゼリーが大量に流れ込む。
飽和量を越えたゼリーが滴り落ちた。
「おし、行くぜ!」
ソウイチロウが声を掛ける。
窄めた指先でアナルを解す。
「ぐおぉ!ぐわぁ!」
イオリが吠える。
岩に当たった波が口に混じった。
ギャラリー達は固唾を呑んで見守る。
明る過ぎる陽光と二人の淫靡な宴が、あまりにも不釣り合いだった。
ソウイチロウはイオリの括約筋を意識しながら、更に先を目指す。
イオリの顔はびしょ濡れだった。
それが涙なのか、波飛沫なのか分からない。
「うぎゃあ!」
掌の一番太い部位を通過した時、イオリの発した咆哮が浜辺を駆け抜けた。
トウマはその声を聞いて、射精しそうになった。
『これが天国か…。
もう少し早く来ていたら、僕が楽園に行けたのに。』
二人が一緒に来た事を知らないトウマは、羨望と後悔の溜め息を漏らす。
潮が引く様に痛みは失せていく。
代わりに快楽という大波が押し寄せる。
イオリはその大波に飲み込まれた。
「ああぁぁ…。」
イオリは溺れない様に必死に声を絞り出す。
普段のソウイチロウは、拳が貫通した瞬間に征服感を覚えた。
しかし今の感覚は全く違う。
イオリとの一体感だった。
「気分はどうだ?」
拳を締め付ける感触を愉しみながら聞く。
イオリは酸欠の魚の如く口をパクパクさせ、小刻みに痙攣を繰り返す。
手首の痛みも忘れ、享楽に溺れている。
『おいらを心底愉しませてくれる奴と、やっと出逢えた。』
ソウイチロウはそんなイオリの姿を目の当たりにし、背筋がゾクゾクした。
本能がイオリを欲している。
今まで二番目、三番目に好きな奴はいたが、こいつが一番と思える奴はいなかった。
ジョージは飛び出すタイミングを逸していた。
イオリが藻掻き苦しんでいる時に、救出する作戦だった。
しかし今のイオリはどう見ても、他人の助けを必要としていない。
今飛び出したら、感謝されるどころか、反って逆効果なのは明白だ。
空気の読めない滑稽なピエロになるだけだった。
『くっそぉ!』ジョージは地団太を踏んだ。
四者四様の思いが浜辺で交錯した。
(つづく)
岩場に吊されたイオリに波が打ち付ける。
『波浪と巨根か…、ピッタリだ。』
思わぬ助言に、ソウイチロウはにんまりした。
「アドバイス助かったぜ。」
ソウイチロウは青年に声を掛ける。
「これから潮が満ちるから面白くなるよ。」
青年が白い歯を零した。
「天国に行くか?」
ソウイチロウがイオリに問い掛ける。
イオリは熱に魘された様に何度も頷く。
ソウイチロウは起き上がると、イオリを抱える。
岩場の下まで行くと、次々に波が襲ってきた。
イオリの両手を縛った縄を、突き出た岩に引っ掛ける。
腕が上に上がり、縄がピンと張った。
爪先立ちで、何とか足が付く程度に長さを調整する。
打ち寄せた波が顔に浴びせ掛った。
「く、苦しいよ。」
イオリの切ない表情に、ソウイチロウの欲望は掻き立てられた。
全裸のイオリを抱きしめ、キスをする。
「天国に連れて行ってやる。」
苦悶を浮かべるイオリに言った。
少し離れた浜辺からトウマは二人を見守る。
「上手くやったな。」
後ろからジョージが声を掛けたが、トウマは答えない。
『天国』と男は言った。
トウマは大袈裟だと思いながらも、展開が気になった
どんな責めでそれを具現化するのか、見届けたい。
ソウイチロウは浜辺に一度戻ると、消毒済みの手袋を装着する。
ピッタリと掌に密着させ、装着感は殆どない。
その拳にリドカインゼリーをたっぷりと降り注ぐ。
ボトルを口に咥えると、イオリの下に颯爽と戻る。
「まさか、あんな所でフィストする気か?
狂ってるぜ!」
ジョージが絶句した。
トウマは無言のままだ。
ただ競パンのフロントが張り裂けんばかりに隆起していた。
ソウイチロウはイオリの脚を軽々と持ち上げ、自分の肩に掛けた。
イオリの手首に縄が食い込み、真っ赤に染まる。
ソウイチロウはボトルの先端を突き出たアナルに差し込む。
一気に押すと、リドカインゼリーが大量に流れ込む。
飽和量を越えたゼリーが滴り落ちた。
「おし、行くぜ!」
ソウイチロウが声を掛ける。
窄めた指先でアナルを解す。
「ぐおぉ!ぐわぁ!」
イオリが吠える。
岩に当たった波が口に混じった。
ギャラリー達は固唾を呑んで見守る。
明る過ぎる陽光と二人の淫靡な宴が、あまりにも不釣り合いだった。
ソウイチロウはイオリの括約筋を意識しながら、更に先を目指す。
イオリの顔はびしょ濡れだった。
それが涙なのか、波飛沫なのか分からない。
「うぎゃあ!」
掌の一番太い部位を通過した時、イオリの発した咆哮が浜辺を駆け抜けた。
トウマはその声を聞いて、射精しそうになった。
『これが天国か…。
もう少し早く来ていたら、僕が楽園に行けたのに。』
二人が一緒に来た事を知らないトウマは、羨望と後悔の溜め息を漏らす。
潮が引く様に痛みは失せていく。
代わりに快楽という大波が押し寄せる。
イオリはその大波に飲み込まれた。
「ああぁぁ…。」
イオリは溺れない様に必死に声を絞り出す。
普段のソウイチロウは、拳が貫通した瞬間に征服感を覚えた。
しかし今の感覚は全く違う。
イオリとの一体感だった。
「気分はどうだ?」
拳を締め付ける感触を愉しみながら聞く。
イオリは酸欠の魚の如く口をパクパクさせ、小刻みに痙攣を繰り返す。
手首の痛みも忘れ、享楽に溺れている。
『おいらを心底愉しませてくれる奴と、やっと出逢えた。』
ソウイチロウはそんなイオリの姿を目の当たりにし、背筋がゾクゾクした。
本能がイオリを欲している。
今まで二番目、三番目に好きな奴はいたが、こいつが一番と思える奴はいなかった。
ジョージは飛び出すタイミングを逸していた。
イオリが藻掻き苦しんでいる時に、救出する作戦だった。
しかし今のイオリはどう見ても、他人の助けを必要としていない。
今飛び出したら、感謝されるどころか、反って逆効果なのは明白だ。
空気の読めない滑稽なピエロになるだけだった。
『くっそぉ!』ジョージは地団太を踏んだ。
四者四様の思いが浜辺で交錯した。
(つづく)
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