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YAMATO

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Chapter5(楽園編)

Chapter5-⑧【まちぶせ】

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イオリは家に着くと、直ぐに電話を掛けた。
無下にされるかと思ったが、ソウイチロウは海に行く計画を楽しげに話す。
結局、三日後に大阪駅で待ち合わせをした。
ソウイチロウの勧めに従い、ジムを退会する事にした。
ジョージがシフトに入っていない朝早い時間を狙って、手続きを行う。
これで気持ちがさっぱりした。
家に戻り、仕事に集中する。
 
夕方に電話が鳴った。
ディスプレイにジョージの名前が浮かぶ。
イオリは受話器を持ち、眉を顰める。
「おい、どういう事だ?
退会したんだって!
まさか沖縄に行かないつもりじゃねぇだろうな!」
電話が繋がるなり、ジョージが吠えた。
「やっぱ沖縄は無理だよ。
人前でプレイなんて出来ないよ。」
イオリはやんわり断る。
「ふざけるな!もうゴウさんに報告したんだぜ。
考え直してくれよ。」
最後は泣き落とし気味に、甘えた声を出してきた。
「ゴメン。ダメな物はダメなんだ。」
イオリはハッキリと断る。
「お前、まさかコウスケと出来たのか?
昨日はいつの間にかに、二人ともいなくなったし。」
ジョージが疑惑を口にした。
「まさか。ゴメン、出掛けなくちゃいけないんだ。
切るよ。」これ以上話しても埒が明かないと、受話器を置く。
「おい、待てよ…。」
ジョージの声が途切れる。
その後も電話は鳴ったが、イオリは無視した。
 
電話を途中で切られたジョージは腸が煮え繰り返る。
「ふざけやがって!」
ジョージはスタッフルームのごみ箱を蹴飛ばす。
『絶対にコウスケと出来たんだ!
間違いねぇ!』
ジョージは決め付けていた。
『コウスケの奴、俺のモーションを無視した挙句、イオリまで横取りしやがって!』
憤りはヒートアップするばかりだ。
同時にゴウの事を考えると、背筋が凍る。
店内にはもう告知が出ていた。
フライヤーも手配しているだろう。
今更、イオリを連れて行かなかったら、半殺しじゃ済まない。
ジョージは身震いすると、部屋の中を歩き回る。
こうなったら、手段を選んでいる場合ではない。
イオリを揺すってでも連れて行くまでだ。
 
待ち合わせの日は朝から快晴だった。
九月の下旬とは思えない残暑に、家を出たイオリが目を細める。
帽子にサングラスをし、商店街を駅に向かう。
ジョージはその姿を遠くから見詰める。
『こんな早い時間からどこに行く気だ?』
長時間監視するつもりでいたのに、ここに来て30分と経ってない。
拍子抜けしたと同時に、ツキを感じた。
イオリは大阪駅で降り、山陽本線のホームへ上がって行く。
ホームに立つと、左右を見渡す。
そして右手を挙げると、ホーム後方に歩き出した。
ジョージはイオリの進行方向の先に視線を向ける。
「あいつは!」見覚えのある奴が手を振っていた。
イオリとケージプレイをした時に途中参戦した奴だ。
記憶は曖昧だが、顔は覚えていた。
「そういう事か!」ジョージは舌打ちをする。
 
ホームに下りの新快速が滑り込んで来た。
笑いながら乗り込んだ二人を見て、ジョージも慌てて飛び乗った。
ジョージは隣の車両まで移動し、二人を観察する。
イオリがソウイチロウの腹筋を殴り、跳ね返された。
目を丸くしたイオリがもう一発殴る。
結果は同じで、ソウイチロウが自慢げに笑う。
白いタンクトップは身体にフィットし、綺麗に割れた腹筋が見て取れた。
ジョージは苦虫を噛み潰した様な表情で、二人を見続ける。
イオリのショートパンツには、横たわる巨根のシルエットが浮かんでいた。
『クソっ!俺が管理するんだ!
絶対にイオリは渡さん!』
ジョージは下半身に漲るパワーを覚えた。
 
 
(つづく)
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