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Chapter4(晩夏編)
Chapter4-⑦【Kill The King】
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イオリも穿いているが、ローライズのボックス水着が主流の様だ。
次に多いのはスパッツタイプで、ヨウが穿いている競パンは大分少ない。
「凄い眺めだろ?
殆どゲイだぜ。」
ヨウはストレッチしながら辺りを見回す。
「ああ。あの人のビキニめちゃエロいよ。」
イオリは数メートル先で、大の字に寝ている男を見て言った。
極小のビキニを穿いた男の股間は、これ見よがしに強調されていた。
「あの男は先週もいたよ。
同じビキニで勃起させてた。」
ヨウが声を殺して笑う。
「そういうイオリのマラだって、充分注目浴びてるぜ。
プールの中を見てみろよ。」
ヨウが屈伸しながら囁く。
イオリは視線をプールに向ける。
泳ぎ疲れたのか、ゴーグルをした男が顔だけ水面から出して休んでいた。
その視線はイオリの股間を凝視している。
「ちょっくら泳いでくるか。」
ヨウはゴーグルを持つと、プールに飛び込んだ。
飛沫がプールの中の男に飛び散った。
イオリは吹き出しそうになるのを必死に堪える。
しなやかなフォームで泳ぎだす。
ヨウは何をやっても様になる。
イオリはクロールで泳ぐヨウを目で追った。
「今の彼氏?」
プールの中の男が声を掛けてきた。
イオリは視線をその男に移す。
男はプールから上がると、滴る水滴を気にもせず、イオリの横に座った。
男の穿いている白い競パンは水分をたっぷり含み、中の一物がくっきりと透けてい
る。
「うん、そうだよ。」
イオリは微笑む。
「そうか。やっぱいい男は彼氏持ちやな。
ほな邪魔したな。」
男は呆気なく立ち去ると、大の字に寝ている男の隣に座った。
ゴーグル男は寝ている男に耳打ちする。
寝ていた男は上半身を起こすと、イオリを見た。
イオリの全身を舐め回す様に見ると、ニヤっと笑う。
ゴーグル男に何か言うと、二人は大声で笑った。
『感じ悪い奴らだ。』
イオリは腹立たしく思い、再び視線をプールに戻す。
ヨウはまだ泳いでいる。
イオリはサングラスを外すと、プールに入った。
ヨウのいる上級者コースで泳ぐ程の泳力はない。
仕方なく混み合うコース外で水浴びをして、火照った身体を冷ます。
それでも体温は一気に下がり、気持ちが良い。
突然、水中で股間を握られた。
慌てて、手を振り払う。
水中からゴーグル男が出て来た。
「本物やな。
あいつが詰め物入れとると言うから、確かめに来たんや。」
ゴーグル男がプールサイドの男を指差して笑う。
プールサイドの男もにやけていた。
「…。」イオリは絶句する。
こんな非常識な奴らは見た事がない。
何か言ってやろうと考えていると、ゴーグル男がイオリの水着の中に手を突っ込んで
きだ。
「ごっつうデケェな。
手が回りきらんわ。」
ゴーグル男が亀頭を撫で回す。
「何、考えているんだよ!
こんな所で!」
イオリは腰を引き、手を払う。
その時、監視員のホイッスルが鳴り響いた。
耳を劈く音に、回りの人達が皆振り向く。
ゴーグル男は水中に潜ると、コースの中に逃げて行った。
「ここは泳ぐ所です。
悪ふざけは止めて下さい。」
監視台から注意を受ける。
「すいません。」
イオリは謝り、顔を上げる。
逆光の中、監視員が白い歯を零す。
(つづく)
次に多いのはスパッツタイプで、ヨウが穿いている競パンは大分少ない。
「凄い眺めだろ?
殆どゲイだぜ。」
ヨウはストレッチしながら辺りを見回す。
「ああ。あの人のビキニめちゃエロいよ。」
イオリは数メートル先で、大の字に寝ている男を見て言った。
極小のビキニを穿いた男の股間は、これ見よがしに強調されていた。
「あの男は先週もいたよ。
同じビキニで勃起させてた。」
ヨウが声を殺して笑う。
「そういうイオリのマラだって、充分注目浴びてるぜ。
プールの中を見てみろよ。」
ヨウが屈伸しながら囁く。
イオリは視線をプールに向ける。
泳ぎ疲れたのか、ゴーグルをした男が顔だけ水面から出して休んでいた。
その視線はイオリの股間を凝視している。
「ちょっくら泳いでくるか。」
ヨウはゴーグルを持つと、プールに飛び込んだ。
飛沫がプールの中の男に飛び散った。
イオリは吹き出しそうになるのを必死に堪える。
しなやかなフォームで泳ぎだす。
ヨウは何をやっても様になる。
イオリはクロールで泳ぐヨウを目で追った。
「今の彼氏?」
プールの中の男が声を掛けてきた。
イオリは視線をその男に移す。
男はプールから上がると、滴る水滴を気にもせず、イオリの横に座った。
男の穿いている白い競パンは水分をたっぷり含み、中の一物がくっきりと透けてい
る。
「うん、そうだよ。」
イオリは微笑む。
「そうか。やっぱいい男は彼氏持ちやな。
ほな邪魔したな。」
男は呆気なく立ち去ると、大の字に寝ている男の隣に座った。
ゴーグル男は寝ている男に耳打ちする。
寝ていた男は上半身を起こすと、イオリを見た。
イオリの全身を舐め回す様に見ると、ニヤっと笑う。
ゴーグル男に何か言うと、二人は大声で笑った。
『感じ悪い奴らだ。』
イオリは腹立たしく思い、再び視線をプールに戻す。
ヨウはまだ泳いでいる。
イオリはサングラスを外すと、プールに入った。
ヨウのいる上級者コースで泳ぐ程の泳力はない。
仕方なく混み合うコース外で水浴びをして、火照った身体を冷ます。
それでも体温は一気に下がり、気持ちが良い。
突然、水中で股間を握られた。
慌てて、手を振り払う。
水中からゴーグル男が出て来た。
「本物やな。
あいつが詰め物入れとると言うから、確かめに来たんや。」
ゴーグル男がプールサイドの男を指差して笑う。
プールサイドの男もにやけていた。
「…。」イオリは絶句する。
こんな非常識な奴らは見た事がない。
何か言ってやろうと考えていると、ゴーグル男がイオリの水着の中に手を突っ込んで
きだ。
「ごっつうデケェな。
手が回りきらんわ。」
ゴーグル男が亀頭を撫で回す。
「何、考えているんだよ!
こんな所で!」
イオリは腰を引き、手を払う。
その時、監視員のホイッスルが鳴り響いた。
耳を劈く音に、回りの人達が皆振り向く。
ゴーグル男は水中に潜ると、コースの中に逃げて行った。
「ここは泳ぐ所です。
悪ふざけは止めて下さい。」
監視台から注意を受ける。
「すいません。」
イオリは謝り、顔を上げる。
逆光の中、監視員が白い歯を零す。
(つづく)
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