33 / 147
Chapter4(晩夏編)
Chapter4-①【JERUSALEM】
しおりを挟む
イオリは商店街を口笛を吹きながら歩く。
以前、ジョージの背中で聞いた曲だ。
丸でこれからピクニックにでも行く様に足取りが軽い。
待ちに待った隠遁生活の始まりだ。
重い扉が開くと、遁世な空間があった。
コンクリート剥き出しの壁は中世の城の様だ。
ほの暗い室内に70年代のブリティッシュロックが流れている。
イオリは彼等の音楽を良く知らない。
聴いた事はあるが曲名までは知らなかった。
彼等のエキセントリックなリズムが、この部屋と妙にマッチしている。
「来たか。覚悟は出来ているな?」
ゴウが両手を組み、待ち構えていた。
チャップスを穿き、ハーネスを装着していた。
手に持ったナインテイルが妖しく光る。
「はい!」イオリは腹の底から声を出す。
異臭を放つ檻は臥籠を連想させる。
中でジョージが丸くなって寝ていた。
チェーン付きの首輪に繋がれ、ホースの付いた全頭マスクを被っている。
ホースの先端には、缶の様な物が付いていた。
「あのキャニスターの中に何が入っているか分かるか?」
イオリの視線に気付いたゴウが問う。
「ラッシュ…。」イオリはジョージに視線を向けたまま答える。
「そうだ。ニトライト系のラッシュをしこたま仕込んである。
お前の分も用意してあるから、さっさと服を脱げ!」
振り上げた鞭が、イオリを襲う。
「うわぁ!」足が縺れ、倒れ込む。
「情けねぇな。一発でダウンか。」
ゴウはもう一発ナインテイルを浴びせると、タバコに火を点けた。
「お前にぴったりの物を用意しておいた。」
全裸になったイオリをゴウが見下ろす。
「この馬鹿デカい一物を更に鍛えてやる。」
ゴウは手の中にある物を離す。
ジャラジャラと音を立てて落下した。
一方を掌の中に残したので、ピンと張ったチェーンの先で鉄球が宙に浮く。
「こいつが何だか分かるか?」
イオリの目の前で鉄球が揺れた。
拳大の球体を目で追いながら、顔を振る。
「こいつは鉄球付きのコックリングだ。」
ゴウは蝶番付きのリングを巨根の根元に嵌め込む。
そしてネジを回すと、リングは容赦なく食い込んできた。
「うっぐぐぅ…。」
真っ赤に腫れ上がった巨根に幾多の血管が浮かび上がる。
「立て。」ゴウが命令した。
イオリが立ち上がると、鉄球がゆったりと揺れ動く。
リングは益々食い込み、血管は太さを増す。
「それにしても凄いペニスだな。
これぞ男根だ。
25センチ近くあるな。
さあ、これを被れ。」
流石のゴウも初めて見る大きさの様だ。
百戦錬磨の男に褒められ、マラが更に上を向く。
受け取った全頭マスクを被る。
ツンとする臭いが鼻を突く。
呼吸をする度に身体が熱くなる。
その熱さは、ケージの中のジョージへの燃え滾る想いに変換された。
「入れ!」天国への扉が開く。
正に聖地だ。
身を屈めて中に入ると、ジョージの荒い唸り声が聞こえた。
ジョージは寝てはいない。
獲物が来るのを待っていたのだ。
全頭マスクから目だけが覗いている。
充血した真っ赤な瞳だ。
起き上がったジョージが口を押し付けてくる。
しかしホースが邪魔してキスにならない。
ただ荒々しい呼吸だけが耳に届く。
「こっちへ来い。
鉄球を寄越せ。」
受け取ったゴウはチェーンごとケージに括り付ける。
これでイオリの行動範囲は狭められた。
「好きにしろ。お前らの交尾を見せてみろ。」
ゴウはサングラスを掛け直すと、タバコを吹かす。
二匹の雄は互いを求め合い、ケージの中央に寄る。
手をがっちり掴むと、抱き合おうとする。
しかしそれぞれに繋がれた鎖が邪魔をし、僅か数センチを残して愛撫が出来ない。
それでも握りしめた手を寄せ合う。
ジョージの首が絞まり、イオリのリングが食い込む。
極限状態で顔を寄せ合う。
触れる事のないキスを、二匹の雄は貪欲に欲した。
(つづく)
以前、ジョージの背中で聞いた曲だ。
丸でこれからピクニックにでも行く様に足取りが軽い。
待ちに待った隠遁生活の始まりだ。
重い扉が開くと、遁世な空間があった。
コンクリート剥き出しの壁は中世の城の様だ。
ほの暗い室内に70年代のブリティッシュロックが流れている。
イオリは彼等の音楽を良く知らない。
聴いた事はあるが曲名までは知らなかった。
彼等のエキセントリックなリズムが、この部屋と妙にマッチしている。
「来たか。覚悟は出来ているな?」
ゴウが両手を組み、待ち構えていた。
チャップスを穿き、ハーネスを装着していた。
手に持ったナインテイルが妖しく光る。
「はい!」イオリは腹の底から声を出す。
異臭を放つ檻は臥籠を連想させる。
中でジョージが丸くなって寝ていた。
チェーン付きの首輪に繋がれ、ホースの付いた全頭マスクを被っている。
ホースの先端には、缶の様な物が付いていた。
「あのキャニスターの中に何が入っているか分かるか?」
イオリの視線に気付いたゴウが問う。
「ラッシュ…。」イオリはジョージに視線を向けたまま答える。
「そうだ。ニトライト系のラッシュをしこたま仕込んである。
お前の分も用意してあるから、さっさと服を脱げ!」
振り上げた鞭が、イオリを襲う。
「うわぁ!」足が縺れ、倒れ込む。
「情けねぇな。一発でダウンか。」
ゴウはもう一発ナインテイルを浴びせると、タバコに火を点けた。
「お前にぴったりの物を用意しておいた。」
全裸になったイオリをゴウが見下ろす。
「この馬鹿デカい一物を更に鍛えてやる。」
ゴウは手の中にある物を離す。
ジャラジャラと音を立てて落下した。
一方を掌の中に残したので、ピンと張ったチェーンの先で鉄球が宙に浮く。
「こいつが何だか分かるか?」
イオリの目の前で鉄球が揺れた。
拳大の球体を目で追いながら、顔を振る。
「こいつは鉄球付きのコックリングだ。」
ゴウは蝶番付きのリングを巨根の根元に嵌め込む。
そしてネジを回すと、リングは容赦なく食い込んできた。
「うっぐぐぅ…。」
真っ赤に腫れ上がった巨根に幾多の血管が浮かび上がる。
「立て。」ゴウが命令した。
イオリが立ち上がると、鉄球がゆったりと揺れ動く。
リングは益々食い込み、血管は太さを増す。
「それにしても凄いペニスだな。
これぞ男根だ。
25センチ近くあるな。
さあ、これを被れ。」
流石のゴウも初めて見る大きさの様だ。
百戦錬磨の男に褒められ、マラが更に上を向く。
受け取った全頭マスクを被る。
ツンとする臭いが鼻を突く。
呼吸をする度に身体が熱くなる。
その熱さは、ケージの中のジョージへの燃え滾る想いに変換された。
「入れ!」天国への扉が開く。
正に聖地だ。
身を屈めて中に入ると、ジョージの荒い唸り声が聞こえた。
ジョージは寝てはいない。
獲物が来るのを待っていたのだ。
全頭マスクから目だけが覗いている。
充血した真っ赤な瞳だ。
起き上がったジョージが口を押し付けてくる。
しかしホースが邪魔してキスにならない。
ただ荒々しい呼吸だけが耳に届く。
「こっちへ来い。
鉄球を寄越せ。」
受け取ったゴウはチェーンごとケージに括り付ける。
これでイオリの行動範囲は狭められた。
「好きにしろ。お前らの交尾を見せてみろ。」
ゴウはサングラスを掛け直すと、タバコを吹かす。
二匹の雄は互いを求め合い、ケージの中央に寄る。
手をがっちり掴むと、抱き合おうとする。
しかしそれぞれに繋がれた鎖が邪魔をし、僅か数センチを残して愛撫が出来ない。
それでも握りしめた手を寄せ合う。
ジョージの首が絞まり、イオリのリングが食い込む。
極限状態で顔を寄せ合う。
触れる事のないキスを、二匹の雄は貪欲に欲した。
(つづく)
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説







ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる