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Chapter3(臥籠編)
Chapter3-⑨【GAGAGA】
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ゴウはチェーン付きの首輪を持って、戻って来た。
動けないジョージの首に装着する。
「うぐっ!」息苦しさに顔が歪む。
逆光の中、ゴウが嘲笑う。
チェーンの先端をベンチに括り付け、両足首も手錠でベンチに固定されていく。
「くっ、苦しいっす!」
ジョージは声を絞り出す。
ゴウはベンチの下にあるグローブを取ると、ジョージの口に押し込んだ。
使い古したグローブは雄の汗が染み込み、強烈な異臭を放つ。
「ぐおぉ!」嘔吐感が込み上げる。
必死にブリッジして、堪えているジョージの股間をブーツが押し潰す。
力が抜け、バーが落下する。
「ぐえっ!」胸にバーが襲い掛かった。
ゴウは吸い殻を消すが如く、ペニスを踏み潰す。
異臭と激痛に堪えながらも、天井の鏡に悶え狂う自分の姿を捉えた。
下半身に熱い物を感じた。
何故か、ペニスに力が漲る。
「何、キンタマ潰されて勃起してんだ?
お前は生粋のSじゃなかったのか?」
苛む怒声を夢心地で聞いた。
「それでJは自分がMだって、気付いたんだ?」
イオリはジョージの話が自分に重なった。
「それでも自分がMだって中々受け入れられず、Sもやってみたんだ。
だけど一度知ったゴウさんとのプレイ以上の快楽は、得られなかった。
イオリも自分に正直になれ。」
ジョージがイオリの股間を軽く叩く。
イオリは話を聞いていて、勃起していた。
「で、来月、家に来るのか?」
ジョージが卑猥な笑みを浮かべて聞く。
正直、イオリは決め兼ねている。
ここで行ってしまうと、本当にMになってしまいそうで怖かった。
頭は戸惑い、本当の気持ちがどっちか分からない。
底無し沼に片足を突っ込んだ状態だ。
今なら踏ん張れば抜け出せる。
「ヨウ、来週の火曜日から三日間、編集者と打ち合わせで東京に行って来るよ。」
イオリはヨウがテレビを見入っているのを見計らって、声を掛ける。
「ああ、久し振りの東京だから、ゆっくりしてきていいぞ。
実家にも顔を出してくれば?」
ヨウはテレビから視線を逸らさず、返事した。
『ヨウに嘘をついた。』
罪悪感に押し潰されそうだ。
「じゃあ、部屋で仕事してくるよ。」
イオリは部屋に籠ると、引き出しの中からSM雑誌を出す。
特集で沖縄バトルが取り上げられていた。
様々なMが激写されている。
どのMにも共通しているのは、恍惚の表情で写っている事だ。
頁を捲って行くと、目的の写真に到達した。
亀甲縛りされたジョージがケージの中、鎖で繋がれている。
次の写真に視線を移す。
ブーツで股間を踏まれたジョージが悶絶していた。
そして最後は巨大なウナギを恍惚と頬張っている。
どの画像もモノトーンで、照明の陰影で、筋肉が強調されていた。
ペニス自体は写ってなく、イオリには芸術家の作品に見えた。
衝動を抑え切れず、己のマラを扱き出す。
しかしケージの中で感じたオーガズムは得られなかった。
「ちょっと走ってくるよ。」
イオリはヨウに声を掛けると表に出る。
「車に気を付けろ。」
ドアの隙間からヨウの声が追ってきた。
『蒸し暑い夜はいったい何日続いているだろうか?』
答の出ないイオリは商店街を走る。
汗が飛び散るが、次々に沸き上がる衝動はイオリの中で滞留したままだ。
見覚えのある建物の前に立っていた。
ジョージの家だ。
躊躇したが、扉をノックする。
居て欲しくもあり、居て欲しくもない。
たとえ居たとしても、どうしたいのか分からない。
熱い風が吹き抜ける。
留守だった事に安堵し、背を向けた時に扉が開いた。
(つづく)
動けないジョージの首に装着する。
「うぐっ!」息苦しさに顔が歪む。
逆光の中、ゴウが嘲笑う。
チェーンの先端をベンチに括り付け、両足首も手錠でベンチに固定されていく。
「くっ、苦しいっす!」
ジョージは声を絞り出す。
ゴウはベンチの下にあるグローブを取ると、ジョージの口に押し込んだ。
使い古したグローブは雄の汗が染み込み、強烈な異臭を放つ。
「ぐおぉ!」嘔吐感が込み上げる。
必死にブリッジして、堪えているジョージの股間をブーツが押し潰す。
力が抜け、バーが落下する。
「ぐえっ!」胸にバーが襲い掛かった。
ゴウは吸い殻を消すが如く、ペニスを踏み潰す。
異臭と激痛に堪えながらも、天井の鏡に悶え狂う自分の姿を捉えた。
下半身に熱い物を感じた。
何故か、ペニスに力が漲る。
「何、キンタマ潰されて勃起してんだ?
お前は生粋のSじゃなかったのか?」
苛む怒声を夢心地で聞いた。
「それでJは自分がMだって、気付いたんだ?」
イオリはジョージの話が自分に重なった。
「それでも自分がMだって中々受け入れられず、Sもやってみたんだ。
だけど一度知ったゴウさんとのプレイ以上の快楽は、得られなかった。
イオリも自分に正直になれ。」
ジョージがイオリの股間を軽く叩く。
イオリは話を聞いていて、勃起していた。
「で、来月、家に来るのか?」
ジョージが卑猥な笑みを浮かべて聞く。
正直、イオリは決め兼ねている。
ここで行ってしまうと、本当にMになってしまいそうで怖かった。
頭は戸惑い、本当の気持ちがどっちか分からない。
底無し沼に片足を突っ込んだ状態だ。
今なら踏ん張れば抜け出せる。
「ヨウ、来週の火曜日から三日間、編集者と打ち合わせで東京に行って来るよ。」
イオリはヨウがテレビを見入っているのを見計らって、声を掛ける。
「ああ、久し振りの東京だから、ゆっくりしてきていいぞ。
実家にも顔を出してくれば?」
ヨウはテレビから視線を逸らさず、返事した。
『ヨウに嘘をついた。』
罪悪感に押し潰されそうだ。
「じゃあ、部屋で仕事してくるよ。」
イオリは部屋に籠ると、引き出しの中からSM雑誌を出す。
特集で沖縄バトルが取り上げられていた。
様々なMが激写されている。
どのMにも共通しているのは、恍惚の表情で写っている事だ。
頁を捲って行くと、目的の写真に到達した。
亀甲縛りされたジョージがケージの中、鎖で繋がれている。
次の写真に視線を移す。
ブーツで股間を踏まれたジョージが悶絶していた。
そして最後は巨大なウナギを恍惚と頬張っている。
どの画像もモノトーンで、照明の陰影で、筋肉が強調されていた。
ペニス自体は写ってなく、イオリには芸術家の作品に見えた。
衝動を抑え切れず、己のマラを扱き出す。
しかしケージの中で感じたオーガズムは得られなかった。
「ちょっと走ってくるよ。」
イオリはヨウに声を掛けると表に出る。
「車に気を付けろ。」
ドアの隙間からヨウの声が追ってきた。
『蒸し暑い夜はいったい何日続いているだろうか?』
答の出ないイオリは商店街を走る。
汗が飛び散るが、次々に沸き上がる衝動はイオリの中で滞留したままだ。
見覚えのある建物の前に立っていた。
ジョージの家だ。
躊躇したが、扉をノックする。
居て欲しくもあり、居て欲しくもない。
たとえ居たとしても、どうしたいのか分からない。
熱い風が吹き抜ける。
留守だった事に安堵し、背を向けた時に扉が開いた。
(つづく)
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