妄想日記2<<BEGINS>>

YAMATO

文字の大きさ
上 下
10 / 147
Chapter1(イオリとヨウ編)

Chapter1-⑩【ハナミズキ】

しおりを挟む
甘い匂いが鼻を掠める。
見上げると、垣根を越えた枝に花水木が咲き誇っていた。
イオリの脳裏に祖父母の家が蘇る。
幼い頃、ゴールデンウイークに良く遊びに行った古い家だ。
花水木の大木があり、縁側からピンクに染まる姿を飽きずに見ていた。
厳しい両親に育てられたイオリにとって、優しい祖父母の家は唯一の楽園だったの
だ。
『今日はいいことがありそうだ。』
穏やかな陽射しを浴び、気持ちが弾む。
「何、考えているんだ?」
脇を歩くヨウが聞く。
「別に。それよりさ、スバルさんってゲイだと思わない?」
イオリは話題を変えた。
今日で三回目の筋トレとなり、一巡する事になる。
「間違いないな。
でも、あの筋肉は凄いよな!
マジ、憧れるよ。」
溜息混じりの声が聞こえた。
横目でヨウの姿を盗み見る。
白いスパッツにパーカーを羽織っていた。
ペニスはリングで締め付けられ、下向きの亀頭が生地を持ち上げている。
「力を入れる時に、アナルの締め付けを意識するんだよ。
それで効果が何倍にもなるから。」
人がいない事を確認し、ヨウの尻を触る。
アナルに埋まったディルドが盛り上がっていた。
「ああ、こんなデカいハリガタが入っていれば、意識するなって方が無理だぜ。」
ヨウがヘッドロックする。
イオリはこんな戯れ合いに、幸福を実感した。
 
「こんにちは。
今日の背中と肩で、一通り終了となります。
最後に簡単なアンケートがありますので、宜しくお願いします。」
スバルが頭を下げる。
「はい、お願いします!」
ヨウが気合いを込めて返事した。
「まず背中はラットプルダウンから始めます。
これはバーを引っ張り、肩甲骨が寄る事をイメージします。
バーを引っ張る事ではなく、肩甲骨が動いている方に意識を向けてください。」
スバルはマシンに座ると、実践して見せる。
いつものスタッフ用のポロシャツと、くたびれたスパッツを着用していた。
ベージュのスパッツは遠目には何も穿いてない様だ。
どう見ても直穿きしているスパッツに、ペニスの形がくっきりと浮かび出ている。
「肩甲骨が寄るって、イメージが湧かないんですけど。」
イオリが意地の悪い質問をする。
「理屈より、見た方が分かりやすいかな。
ではシャツを脱いでやります。」
ポロシャツを脱ぐと、下からビルダータンクが現れた。
肩紐が極端に細い。
「では、良く見ていて下さい。」
バーを胸に引き寄せると、肩甲骨を覆う広背筋が中央に集まる。
「この状態です。分かりますか?」
振り返ったスバルが聞く。
「うわぁ!すげぇ、筋肉!」
ヨウが感嘆の声をあげる。
「凄く良く分かりました。」
イオリもその筋肉に目を奪われた。
「では、ヨウ君やってみて下さい。」
立ち上がったスバルの視線がヨウの股間に留まる。
「あっ!」ヨウはマシンに座ると、変な声を出した。
「どうかしましたか?」
スバルが駆け寄る。
「いや、ちょっと…。」
ヨウは言葉を濁す。
ディルドがマシンの椅子に押し込まれた為だと、イオリには分かった。
ニヤニヤしながら、二人を観察する。
 
「次は…。ロウイング・マシンが空いてないので、ダンベルでやりましょう。
ベンチに手を置いて、ダンベルを引き上げます。
この時も腕ではなく、背中を意識しましょう。」
スバルがフォームを説明する。
「これって、昨日のビデオと同じだ。」
ヨウが耳元で囁く。
「ヨウ君、やってみましょう。」
スバルが10キロのダンベルを持って来る。
ヨウがベンチに手を着き、尻を突き出す。
スパッツが不自然に盛り上がる。
「上体を反って、腰はもう少し低い位置です。」
スバルの手が、不意にその盛り上がりに触れた。
一瞬引き掛けた手が、次の瞬間しっかりそれを押し込んだ。
「うーん。」ヨウの顔が歪む。
イオリは二人の動向をドキドキしながら見守った。
 
 
(つづく)
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

捜査員達は木馬の上で過敏な反応を見せる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

完成した犬は新たな地獄が待つ飼育部屋へと連れ戻される

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

串刺しの男達は失神さえ認められずに絶頂へと導かれる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

二本の男根は一つの淫具の中で休み無く絶頂を強いられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

屈した少年は仲間の隣で絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...