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分岐2(3)いけない私の性癖✳️桃華目線
しおりを挟む「可愛いでしょ~♥️ 紅いの、すごく私に似合うと思わない?」
「えっ? おっしゃってる意味が分かりません。これって、犬の首輪ですよね」
もっともなことを千堂くんが言う。
「そうよ……。私が周りにキツくあたって人を寄せ付けないのは、いいご主人様が居ないから」
そこから、千堂くん──いえ、ご主人様に見込んだ方に私の性癖を教えこんだ。
「誰も彼も、私をハンティングトロフィーか何かと思ってる」
「はい」
「私の姿ばかりに目を奪われて、本質には目を向けない」
「はい」
「私の手綱を取れる人がいないの。私が手綱を預けるに足る人格者を待っていたのよ」
「ええっと、それが僕だと?」
「そうよ。あなたの私を射貫くような視線が堪らなかった」
「そんなに見つめていましたか。それより、盗み見ていたのを分かってらしたんですね?」
「そうよ。いつ、あなたが告白するのか待って待って、待ちくたびれたわ」
「そんな……。僕、告白なんてする気はなくて、ずっと先輩を──」
「桃華」
「──あ、も、桃華……先輩を見ていられたらそれで良かったんです。でも……」
あなたに困惑が見える……。そうでしょう。でもね、その憧憬の眼差しが私には堪らないのよ。
「あなたは、バツゲームか何かで告白させられたようだけど……。私は感謝するわ、その人に──」
「…………」
「さあ……あなたの手で私──卑しいメス犬に……はぁ、首輪を……着けて……はぁ……」
私は、彼の手に首輪を握らせる。その前に跪き首輪を着けてくれる、いえ、着けてくださるのを待つ。
おそらく、いえ絶対トロけた顔を、他人には見せられない表情をしている。
「でも……僕……先──桃華……先輩に、そんなこと……できません」
「……そう。残念よ。あなたなら私を大切にしてくれると思ったのに……」
まだ、踏み込んでこれない、のね?
「他の人なら、あなたじゃないなら私……どんなこと、されるんでしょうね~? きっと人に話せないことをされ、させられ……深夜の散歩、もちろん全裸でさせられる散歩。ハメ[ピーー]とか撮られネットに上げられ一生消えない傷を遺す。……きっと身体にも消えない傷痕を付けられ、見知らぬ男たちになぶられ、身体に〝正〟の字をいっぱい書かれるのだわ……。でも、それも楽しい、かも知れない。私の奥底がそれを望んでいる……のだから」
「でも……そんな……」
これでもダメなの? 私を御せる人、飼い主はあなたの他には居ないというのに……。
「私のご主人様になれないなら、帰りなさい。私のことは忘れるのよ……」
「…………」
「さあ! 首輪を置いて帰りなさい!」
私の怒声にビクっと震えた彼は首輪を握りしめ直す。その手がゆっくりと首輪をほどく。
「ありがとう、ありがとうございます、ご主人様」
「これでいいんですか? これから僕、何をすれば?……」
あなたは、私に首輪を着けた。優しく、指一本も触れるのを厭うように……。
「そうねぇ……取りあえず『犬に服は必要ない』かな?」
「はあぁ~……。犬に、服は、必要、ない……」
「はい、ご主人様」
私は制服を脱いで投げ捨てる。彼はそれを拾っては畳みテーブルに置く。そう言うところが素敵な私のご主人様♥️
〔完〕
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