【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

文字の大きさ
上 下
170 / 203
4.本家からの再出発

170.一人ファッションショー、ふたたび

しおりを挟む


 サガラの言うとおり3番のワンピースを持ってコーナーに隠れる。

「さあ、次は何を着てもらいましょう?」
 外ではもう、サガラが次の着替え候補をつのってる。

「8番のエプロンドレス」
「1番の白いワンピース」
 なんか続々と着替えが決まっていってる。どれだけ着せるつもりだよ。

「おや? 着替え終わりましたか? キョウくん、皆さんの前へ、どうぞ!」
 カーテンのすき間からステージの方をうかがうとサガラが手招てまねきする。まあ、着替えたから出ては行けるんだけど。

「さあさあ、こちらへ。……素晴らしい。ヒマワリ畑に現れた天使のようです」
 くっ、歯の浮くせりふを……。悪い気はしない。しないけど、ハデな服は気恥ずかしい。

「くるりと一回転しましょうか?」
「一回転?」
「そうそう」

 言われるとおり、くるりと一回転する。でも、緊張でひざが笑っていて上手く回れない。ふらふらと倒れそうな独楽コマみたいになる。

「「「うおおおおっ!」」」
「ひっ!」
 アクションすると一々、大歓声が上がり、ますます下半身が強張る。

「次は、こちら、8番に着替えてください」
 8番だと言うエプロンドレスを渡される。

「ちょっと、いくつ着替えさせるのさ?」
 どれくらい着せられるんだか知っておきたいんだけど。

「そうですね。四十着くらい用意されてるようですので、半分はやっていただかないと──」
 スポンサーが納得しない、なんて言う。

 う~ん、モールの社長、レンカ義叔母おば様もんでる、って言うか主体なのか?
 先日、損害を与えた負い目もあるし頑張るか……。損害は直接、ボクのせいじゃないんだけど。

「後ろ姿も可愛いですね~♡」
「くっ……」
 ドレスで後ろをカバーしてコーナーへ逃げる。

 生地が濃い青だけど、ふんだんに白いフリルで飾られた白ゴスのドレスだった。
 高校生にはちょっとはずいフォルムだ。
 メイドさんが着ている簡素なものなら普段使いにできるのに……。

「やや! どこぞのお坊ちゃん、淑男しゅくなんの登場ですよ~!」
「「「うおおおおっ!」」」
 いや~、やめて~。

「素晴らしい! さあ、こちらの日傘をどうぞ?」
 ステージ中央に進み出るとサガラが白い日傘を渡してくれる。着替えたのは、オフショルダーの純白のワンピースだからね。確かに、これから日射しが強くなると日傘が欲しくなる。

「こちらはラフな感じが良い!」
「「「う~~ん?」」」
 オフショルダーのブラウスにデニムの短パンに着替えてステージに出る。サガラはすが、オーディエンスにひびかなかった。

 いつからかマキナ姉妹やタンポポちゃんたち、護衛たちまで観衆に交じってリクエストしていた。
 何やかんや、二十着は着替えたと思うんだけど……。着替えの衣装は、少なくなるとどんどん補充されて、いくつ着替えたか分からなくなった。
 時間も一時間はゆうに超えてるんじゃないかな? 一人でこなすには無理がある。そろそろ、終わりにして欲しい。

「それでは、最後です。こちらに着替えてください」
 ラッピングされた衣装を手渡される。
 こんなのリクエストにあったかな? 着替えコーナーに入って包装を解くとスラックスの制服だった。
 これって、もしかして通う高校の制服?

「「「えっ?」」」
「皆さんご存じの某|高校の制服です」
「──まさか……」
「──うそ……」
「──おいおい」
 カーテンからステージに出ると観衆の困惑とサガラの紹介が交差する。

「我々は独自情報をつかみました。近々、キョウくんは蒼湖おうみの高校に編入されるそうですよ? こちらの高校になるかは分かりませんが」
「「「ウオオオオオオオッ!!」」」
「「「やったー!」」」
 ボクが高校に編入すると聞くや、会場中が歓声に包まれる。サガラの後半、どこの高校になるのか分からないと言う説明はかき消される。

 歓声に圧倒される中、サガラがファッションショーの終わりを告げ会釈えしゃくする。もうフロアの人間には聞こえていない。ボクもサガラに合わせてお辞儀じぎし、後ろの出入口から退場する。終わった~!

「こちらへ、どうぞ」
「あ、はい」
 見知らぬ黒服に導かれ仕切りの通路を抜けていく。後ろにも黒服のガードが付いてくる。バックヤードに戻るや否や、右肩に何かが刺さったようにチクッと感じる。

 何だろうと肩を見ると、後ろの黒服が射薬しゃやくじゅうを当てていた。

「何?」と問う間に気を失った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

恥ずかしすぎる教室おねしょ

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
女子中学生の松本彩花(まつもと あやか)は授業中に居眠りしておねしょしてしまう そのことに混乱した彼女とフォローする友人のストーリー

おねしょ合宿の秘密

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
おねしょが治らない10人の中高生の少女10人の治療合宿を通じての友情を描く

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

会社の上司の妻との禁断の関係に溺れた男の物語

六角
恋愛
日本の大都市で働くサラリーマンが、偶然出会った上司の妻に一目惚れしてしまう。彼女に強く引き寄せられるように、彼女との禁断の関係に溺れていく。しかし、会社に知られてしまい、別れを余儀なくされる。彼女との別れに苦しみ、彼女を忘れることができずにいる。彼女との関係は、運命的なものであり、彼女との愛は一生忘れることができない。

アイドルの染み

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
アイドルの少女が寝起きドッキリでおねしょしてしまい、それが全国に中継されるというハプニングに見舞われる話

処理中です...