【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

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3.喜多村本家に居候

136.義兄愛、分かった?

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「それと──」
「ん? それと?」
「──いい加減、手を外してあげないと、レニ様が……」
「も、申し訳ありません!」
 タマちゃんの助言で気づく。ちょっと強く口をふさぎすぎた。

「はあ、はあ、はあ……義兄上あにうえ、は、はげしいですぞ──ポッ」
 な、なに言ってんの、この人。ほほまで赤らめないで。

「むう~、分かった……」
「えっ、分かった?」
「ん、分かった?」
 納得するタマちゃんに、水無ミナちゃんとボクは聞き返す。

「レニ様、みちけわしいけれど……頑張がんばって」
「ん? 分かってくれたか、タマとやら」
「タマじゃない。真城しんじょうタマキ
「うむ、タマキ──タマちゃん殿どの
 レニ様とタマちゃんがうなずき合ってる。

「え~、ど~ゆうこと?」
「そうそう」
「わらわも分からん」

「じゃ、水無ミナちゃん帰ろ」
「えっ、部屋に戻る?」
「うん」とタマちゃんがうなずく。

「そ、そう。気をつけて。送ってあげられないけど」
 ちょっと急展開なんだけど……。

「そ、それじゃ。また、キョウちゃん」
「う、うん」

 あっさりタマちゃん水無ミナちゃんは戻っていく。

「なんだったのだ?」
「なかなか良い友でありました」
 なにげにタマちゃんたち、格上げされてる。

「それで、ですね? 夕食を子供たちと取りたいのですが」
「わらわは別に構わぬが」
「子らと取ると言うのならも一緒にしますぞ」

「え?」
「なに?……それでは、わらわ一人になる。子らはここへ呼べばよい」
「ええっ? よろしいのですか?」
「いまさらであろう」

 まあ、そうですけど。

「じゃ、じゃあお風呂は──」
「こちらでお願いします!」ってレニ様が反論する。だろうね~。

「わらわは、あちらの大浴場に入ってみたいが」
「「えっ?」」
 レニ様と同時に感嘆かんたんしたけど、まったく違う驚きだろうね。

「──良いですよ広くて、広くて……開放的で」
「そなた、広いとしか言っておらぬ」
「はははっ」

「で、ではも──」
本当ほんとですか?」
「──義兄上あにうえとぬるぬるしたいです……はふぅ~」
 あ~そっちね。ぬるぬるって、言うほど良くないよ?

「お安い御用です」
「で、では入ってもよろしい、です」

 なしくずしに迎賓げいひんかんのお風呂に入れるようになった。

「あの~サザレさん──」
かしまりました。リビングに大きいテーブルでございますね?」
「──う、うん」
「それから、子供たちには夕食をこちらにするよう手配しておきます」
「お、お願い」
 打てばひびく対応で助かります。サザレさんは茶器を片付け戻っていく。

 でもね、ミヤビ様たち……居座る気満々ってことだよね~? まあ、お子ができるまでは仕方ないと思うけど。

 しかし、聖殿せいでんとやらは放ってて良いのだろうか? っ! フ、フラグとか立ってないよな~?


 ミヤビ様たちと、と言ってもほぼレニ様と駄弁だべってたりして夕食まで過ごす。

 リビングにテーブルが運びこまれ、メイドさんたちが配膳はいぜんに来られた。タンポポちゃんたちを呼びに行こうかと思ったら、準備が調ととのうころに来るよう予定してくれてる。

 いたれりつくくせりでありがたい。ありがたいが!──

「妻の横は夫」
「そうそう」
義兄上あにうえのとなりは義弟おとうとと決まっておる」
「ど~してこ~なるの!」

 マナちゃん・アリサちゃんとレニ様はだれがボクのとなりに座るのか争ってる。順番で今回はタンポポちゃんがボクのひざ占領せんりょうしてる。

 でもね? かな~り重い。マナちゃんアリサちゃんに比べると。重さを緩和かんわするため膝をずらすと一々いちいち振り返ってにらんでくる。

「キョウは人気者じゃのう?」
「ミヤビ様、本当ホントにそう思ってます?」
「もちろんじゃ。をなご寵愛ちょうあいを受けるのはをのこほまれ」
をなごっても女児だし、をのこが交じってますよ?」
「今、女児って言った?」
「言ってません……」

 耳聡みみざとく子供あつかいに目くじら立てられる。

 また、食事をボクの口に運んでくるのもお約束。レニ様、にらんで歯ぎしりしないでください。食欲なくなります。


「食事も終わったしお風呂か~」
 食後のコーヒーを頂きながら予定を考える。

「やはり行かれるのですね、大浴場」
「まあね。でも混浴がネックなんですね」
「まあ、そうです。女の入る湯など」
 ミヤビ様も女ですよ、レニ様。

「なんとかならないかな~? サザレさん」
 食後の片付けも終わったけど部屋のすみひかえるメイドがしら岩居いわいサザレさんに聞いてみる。

「そうでございますね~。皆様の周りは衝立ついたてかこいまして部分的に男湯といたしますか……」
 なんか良い構想こうそうがあるらしい。

「まあ慣れない人にはそれくらいしないとダメか~。折角、広びろしてるのにな~」
「広びろと言えば露天ろてん風呂になりますが、あれは農場にありますからね~」
「えっ? あるの露天風呂?」
「えっ、ええ、ございます。風呂が農婦たちの一日の楽しみですから」

「入ってみたいな~露天」
義兄上あにうえ、野外で肌をさらすなど……」
あこがれなんだよね~。女性みんなだけに許された娯楽ごらくだよね。各地の旅行番組でもお料理と露天風呂は鉄板だし、女は得だよね~──」
 軽がるしく旅行に行けないし、男は損。男湯はないし。

「──夕日や日没にちぼつを見ながら、満天の夜空を見ながら、お風呂入るって最高、だろうな~」
「分かった。旅館を貸し切って旅行じゃ」
 まったく分かってないよ、ミヤビ様。それじゃ旅情を楽しめないよ。

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