【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

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3.喜多村本家に居候

123.レイニ様の変質

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「ハノリ様、キョウ義兄あに──キョウ殿どのを見つけてきましたぞ?」
「お? そうか?……」
「おはようございます、ミヤビ様。もうハノリ殿下でんか、とお呼びする方が?……」
「そう言えば、昨夜よりミヤビとか呼ばれていたのは?」
「いや、それは──」
「世をしのかりの名前、ですね?」

 ハノリ殿下が立てた人さし指をくちびるに当てシーシーって言ってる。

「──そうですか……聖殿せいでんけ出し市井しせいで遊びほうけていたと?」
「いや、違う。下々しもじもの生活を見分けんぶん見識けんしきを深めておって……だな?」
「そんな方便ほうべんは通用しませぬ。なぜも連れて行ってくれませなんだ?」

 えっ? この人も遊びたかったのか?

「それは……それ、キョウ、なんとかせよ」

 そんな無茶ぶりはご勘弁かんべんくだされ~。

「外は女がいっぱいでして、ね? 昨日もおそわれて大変だったのですよ」
「──女など、どうとでもなる」
 あんたもか~。義曽祖父ユキ様たちみたいに言わないで。

「……ま、まあ、洗顔して着替えてから考えましょう」
「そ、そうじゃ、そうしよう」
「……そうですか? 何か誤魔化ごまかしておりませぬか?」
「「全然」」
 ミヤビ様と声をそろえて返答する。


 洗顔して着替えてリビングでくつろぐ。よく見ると応接室やリビングに荷物が増えてるね。

「それで今日の予定はどうされるのです?」
 まあ、主にボクの予定がどうなるか知りたいんだけど。

「そうじゃの~」
も見識を深めとうございます」
「それはダメじゃ」
「──ダメです」

「もう携帯でお買い物すればよろしいのでは?」
「つまらぬ。ずらずら~っと並んだものを選ぶだけではないですか」
「まあ、確かに」

「これ、キョウ。……そ、そうじゃ、買ったもので御披露目ファッションショーをしてはどうか?」
「それはダメです」
 即座そくざに否定する。そんなことしたら、ますます買い物に行きたくなっちゃうでしょう?

「余も少し見てみたいです、義兄上あにうえ
「──兄上?」
 レイニ様のげんでミヤビ様が怪訝けげん面差おもざしになる。

「あ、いや、なんかレイニ様が今朝けさから兄呼びされるので」
「……あ~~、なるほど」とミヤビ様が納得する。

義兄上あにうえ、どうかレニと呼んでくだされ」
「なるほど? とは、どーうことですか?」
 レイニ様は取りあえず無視してミヤビ様の得心の理由を訊いてみる。

「それはな、そなたの体に見合わぬ──」
「やっぱりいいです」
「──な、なぜじゃ」
 そりゃ……ろくでもない情報だと、キョウ・アンテナがビンビン感じたからです。


 朝食になり、メイドさんたちがリビングに配膳はいぜんしてくれる。朝からお肉ですよ……。

 ボク、お味噌みそしるとおけ物がいい。

「それで、どうされます? わたくしは子供たちのお勉強の手伝いしていたいのですが?」
「あ~、昨日もそうしておったの~」
「──子供? どういうことです?」

「あ~、喜多村の子供たちのお世話が今のところ、わたくしのお仕事なのです」
「キョウ義兄上あにうえの子供かと思ってしまいましたぞ」

 レイニ様「キョウ義兄上あにうえなら、ぽこぽこ子供を作っておられて不思議ないです」なんてつぶやいてる。

「わたくし、婚姻こんいんしたばかりですので、子供はまだです」
「ではもお手伝いいたしましょうぞ」
「それはやめよ」
「──やめてください」
 勉強の手伝いだよね? 子作り──いや、よそう。

「どうしてです?」
「子供たちが恐縮きょうしゅくするので……」
「そう、ですか?」

 タンポポちゃんたち、ちゃんと食べてるかな~?


 食事のあと、のぞきに来ない護衛・警護が気になり待機部屋を見に行く。

「みんな~、どうしたの?」
「「「おはようございます!」」」
「「おはようございます!」」

「あ、うん。おはようございます。今朝はどうしたの?」
「今朝は、とは?」
「いつもなら呼びもしなくても居るのに」
「し、辛辣しんらつ、ですね」
「昨晩、ちょっとショックだったので」
「そう……なかなか眠れず……」
「つい、はげんでしまって……」

「へ、へえ~」
「まさか身近に、あんな……。さすが、キョウ様です」
「そうです。殿下のみならずレイニ様まで──」
「ちょっと、それってどう言う──いや、やっぱりいい」

 レイニ様の応対おうたい変質へんしつはソコら辺にあると見た。しかし……それを確認する勇気はない。

「御用はそれだけですか?」
「うん。ミヤビ様レイニ様は部屋に居座いすわ──いらっしゃるので、そちらに応対します。でも今は何も決まってないのでボク、子供たちの相手してるから」
うけたまわりました」
「あとで、顔を出します」
「うん、分かった」

 さて、タンポポちゃんたちはどうしてるかな?


「──キョウ。これ、キョウよ!」
「あ、サキちゃん。おはようございます」
 タンポポちゃんたちのところへ向かってるとあわてたサキちゃんが呼び止める。
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