【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

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3.喜多村本家に居候

114.湯あたり

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「やれやれ……よく分かんないけど、ひどい目にった」
「分からぬなら酷い目では無かろう?」
「…………」

 サキちゃんをジト目で見る。ちなみに黒メガネは起きてすぐ没収ぼっしゅうされました。ちくせう。

 身体を洗い直してぬるぬるを落としてもらい、浴槽よくそうに向かう。

「タンポポちゃんたち、大丈夫?」
「キョウ、浮気うわきもの……。今夜はお仕置しおき……する……」
「……する」
「そう……おしおき……」

 お仕置き……イヤなひびき。思い出してゾクっとする。まあ、それは置いといて。

「ちょっと~、のぼせてない? 湯立ゆだっちゃってるじゃない」

 急いでお湯から上げる。体じゅう真っ赤になってる。よく辛抱しんぼうしたね?

 サキちゃんをにらむと、ぷいっと顔をらされる。

 取りあえず浴槽よくそうへきの立上がりにもたれかける。

 お風呂マットをシャワーの前へ。みんなをかかえて運びマットに並べると冷水を一通りかける。

 首元へ順々にシャワーをかけながら身体の冷えるのを待つ。

「みんな、大丈夫?」
「気持ち、悪い~」
「わるい~」
「しぬ~」
「そんなこと言わないの。でもなんとかなった、かな?」

 しぬ~、なんて縁起えんぎでもない。

「もう大丈夫かな? みんなもう上がろうか?」
「うん。上がる」
「……うん」
「うん……でも、動きたくない」
「分かった分かった。運んであげるから」

 なんとなく皆がにへらと笑った。大丈夫そう、だね?

「わたくしもお手伝いします」
「えっ? うん、ありがと」

 サザレさんが手伝うと言ってくれる。たよるとこころよく引き受けてくれる。

「イヤ。キョウがいい」
「……キョウ」
「わたしも……」
「もう、大人はわがまま言わない」
「え~~」
「大人じゃない」
「ちがう」

 こんな時だけ子供こどもしてくる、まったく。

「すみません、サザレさん。やっぱりボクが運びます」
「……そうです、か。お力になれず申し訳ありません」
「いえ、ありがとうございます」

 一人ひとり、脱衣だつい場にかかえて行ってはバスタオルをかぶせて身体をくように言う。

 三人そろったところで、ちゃんと拭けてるか確認。まあ足うらとか指の間とかおしりとかわきとか、分かってたけど|大体いい加減。

 一人ずつ拭き上げると下着を穿かせ肌着を着せる。まったく手間のかかる大人だ。

 まあ、今日は仕方ないかな?

「今度は、キョウの番」

 アリサちゃんを拭いてると一番に着たマナちゃんが身体を拭いてくれる。タンポポちゃんは、れた身体で拭いてくれる。

 三人の身じたくを終わらせるころには湯冷めしてた。

「私が着せてあげる」
「着せる」
「わたしも」
「ありがとう。でも、自分で着れるから」

 断わるけど言うことを聞けとせまってくる。まあ、いいか?

「キョウ様、介添かいぞえ人が着せるままにまかせているとお考えください」
「はあ、分かりました」

 サザレさんの言うように何ひとつ自分でできないんだった。

 まあ、肌着はいいんだけどスウェットを着せられるのは骨が折れるよ。

「本来であれば、肌着代わりのはだ襦袢じゅばん一枚で寝所しんじょに向かいます。本番がどうなるやら分かりませんが本日の流れを思い出しご参考になさってください」
「ありがとうございました」

 いいえ、と言うサザレさんと使用人のやかたへ移動する。後ろに護衛に警護にサキちゃんが付いてくる。

「キョウよ、わしに言うことがあるのでは無いか?」
「なんかあったっけ?」
「わしに風呂を知らせなんだじゃろ?」
「ああ、そのことね。あやまったじゃん」

「謝っておらぬ。〝あ、忘れてた〟では無かったか?」
「そうだっけ? ゴメンゴメン」
「まったく、そなたはわしを何だと思っておる」

 何だって言われても……ちっちゃいえらいさん?

「ん~~? なんか偉そうな人?」
「プッ」
「もう良いわ……。そなたは見くびりすぎじゃ。サザレ、何がおかしい?」
「いえ、何も……」

「これからどーすりゃいいのかな~?」
「何がじゃ?」
「そりゃ、鬼君おにぎみさんとやらが来るまでよ?」
「さあな。あのかた次第しだいとしか分からん」

「ミヤビ様に聴いてみたら」
「ふむ……。確かに待つだけでは段取だんどりが立てられぬの~」

 そう言ってローブのポッケから携帯けいたい端末たんまつを取り出しにらめっこする。

「それでは、わたくしはここで」
「はい、お休みなさい」

 使用人館でサザレさんと別れる。

「早くかけなよ?」
「分かっておる……」

 ま~だ、サキちゃんはん切りがつかなそう。

「もう本館に着くよ」
「うるさい……。心の準備をしておるのじゃ」

 ミヤビ様って、相当怖い……のかな。まあ天上てんじょうびと勘気かんきさわると首が飛びそうだしね、物理ぶつり的に。


「今夜はどうしよう?」
「どうって?」
「みんなと寝るか、上でひとさびしく寝るか……」

「私たちと寝る」
「ねる……」
「うん、ねる……」
「そうだよね~。でもタンポポちゃんとこのベッドが小さい、んだよね~」
「……そんなことか──」

 サキちゃんが携帯をにらんだままで言う。

「──上でねむれば良かろう?」
「えっ! いいの?」
だれも上で寝ることをとがめてはおらんが?」

 急遽きゅうきょ、みんなと眠れるようになった……。けど、吉報きっぽうのあとは凶報きょうほうい込むんだよな~、なぜか。
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