【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

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3.喜多村本家に居候

91.とんでもない人たち

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 邪魔じゃましないよう少し離れて授業の様子を拝聴はいちょうする。授業参観みたいだ。

 女子も特に学習内容は変わらないよう。

 暇なので、サキちゃんとリバーシとかしながら過ごした。

 タンポポたちが、うらめしそうに見てるけど仕方ないじゃない。

 小一時間くらいで休憩を入れてるけど、一回目の休憩のあと、マキナと連絡を取ってみる。

『まだ、残務があってな。やはり週末でないと向かえない』
「そう、……じゃあ、待ってる」
『ああ。じゃあ』

 まあ、仕事なんだから仕方ない。

「キョウ、おしっこ……」

 二回目の休憩、マナちゃんがおしっこと言いだす。

「わたしも」
「わたしも」

 行ってきなよ……とは思う。でもマナちゃんがボクの手を引っ張る。

 仕方ないと女児たちと一緒にトイレへ行く。ボクもトイレしたいのにマナちゃんに個室へ引きりこまれる。

「ちょっと、どーしてマナと一緒なのよ!」
「そうそう」

 用足しが終わって個室から出ると、なんでマナと同室なのか問い詰められる。ここは黙秘もくひしかない。

「いやあ、昨日の夜トイレが怖かったから、つい……」

 マナちゃんも恥ずかしいのか黙っててくれる。タンポポちゃん、アリサちゃんは疑わしげ。

「ボ、ボクもおしっこ、しよ~っと」

 冷や汗をかきそうだったので、個室に逃げ込む。

 こんな古い館じゃシャワー洗浄は入れられないのかな~。まあ導入できても水分はき取らなきゃいけないけど。


 三回目の休憩の時、開けっ放しのドアの辺りから人の気配がする。

 そちらを見ると、着物姿やドレスを着た男性がこちらをうかがっていた。

「なんじゃ、そなたら」

 彼らにサキちゃんも気づいて問いかける。

「おやか──サキ様、まだですか?」
「まだ? ああ、出かけることか。まだ、昼も取っておらんではないか?」
「もう待ちきれません」
「待てずとも、待っておれ」

 まあ、そうだけど、もうちょっと言い方。

「この館の男性、ですよね? 紹介してください」
「お? そうか。こっちへよ」

 しずしずと三人の男性が入ってくる。

「はじめまして、蒼屋あおやキョウと申します」

 ボクは立ち上がって彼らを迎える。

「あなたがマキナちゃんの妻なのね~」
「ずいぶん、ちっ──可愛らしい子」
「マキナちゃん、いい子を捕まえたわね~」

 気のせいかな~? 「ちいさい」って言われかけた気が……被害妄想だな、きっと。

「もう分かったと思うが、マキナの妻になったキョウじゃ。仲好なかよくせよ」
「もちろん」
「うんうん」
「仲間が増えて楽しくなるわ~」

 なんかすごく……軽いしかしましい。

「んんっ! 奥様がた、静かにお願いします」

 授業中ですので、と田端クロユリ先生から苦情がきた。まあ、当然だよね。

「すみません」

 ボクたちは、邪魔しないよう部屋の隅に行く。

「キョウ、こなたが花昌かしょう尋幸ヒロユキ。マキナの父じゃ」
「えっ? はじめまして……お義父とう様」
「まあ、堅苦しい。わたしは、ヒロって呼んでね? キョウちゃん」

 ヒロさんは、墨染め? の生地に水仙が咲き乱れた留袖を御召しになっている。

「こなたは、伊藤妙笙ミョウショウ。マキナの祖父じゃ」
「おやか──サキ様、ショウと呼んでください。キョウちゃんもそうしてね?」

「お義祖父じい様? はじめまして、蒼屋あおやキョウです」

 ショウ様は、青い生地にアヤメがほこるの着物を着てらっしゃる。着物も若いけど容貌ようぼうも中年で通用する若々しさだ。

「そして……こやつが、五條ごじょう輝雪テルユキ。マキナの曽祖父じゃ」
「は? 義曽祖父ひいおじい様?」
「ははは、若いでしょ? ユキって呼んでね、キョウちゃん」
「は、はい。ユキ様」
「もう、堅いんだから。ははは」

 とても、ひいおじいちゃんの容貌じゃない。お義祖父じい様──ショウ様と変わらなく見える。

 あでやかなドレスを御召しだ。

 で、でも、ボクと身長が同じくらい……ちょっと負けてる、かな?

 しかし、どーなってんの、ここ?

「ねぇ~、マサ──サキちゃん、早くモールとやらに行きましょうよ~?」

 プッっと皆、吹き出す。何か吹き出すポイント、あった? サキちゃんは憮然ぶぜんとしつつも答える。

こらしょうのないやつじゃ。もう二時間ほどあと、食事すれば出られる」
「食事も向こうで食べれば、早く行けます!」
「そうも、いかんじゃろ。屋敷で食事を用意しておるし、昼からとレンカもうておるのじゃ」
「もう、昼からならお食事もできるでしょう? 屋敷のものたちも休めますよ」

「簡単に言うな。使った食材は? 出来上がった食事は? 昼とうてもレンカは食事後、昼下がりからとうておる」
「今夜、食べれば良いのです」
「出歩かず、食事するだけならお昼でも支障ししょうはないですよ」
「ぐぬぬっ……」

 これは、紛糾ふんきゅうしそう。
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