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3.喜多村本家に居候
76.みんなサーフィン、ボクの上
しおりを挟む幼女たち、タンポポちゃん、マナちゃん、アリサちゃんがボディソを身体に塗ると倒れたボクに次々、乗っかかってくる。
しかし、ぬるぬる。滑り落ちるが必定。その隙によつん這いで逃げる。
追いかけては乗っかかってくる幼女ーズ。膝が立ってるせいで背中から滑り落ちて危ない。
マナちゃんは、滑り落ちて危うく頭を打つところだった。幸い肩がクッションになって助かる。
「分かった。分かったから。逃げないから、競って乗ってこないで」
「早く、そうすれば良かったのよ」
「うん」
「仲良くやる」
ボクは床にうつ伏せになって好きにしてもらう。これなら滑ってもケガはしないと思う。
ボクにソープを噴きかけては背中の上でサーフィンする皆。
あ~あ、こんなにソープを無駄にして……。
「背中はもう……いいかな?」
「うん」
「次は、お腹だね?」
「そう。キョウ、上向いて?」
幼女ーズが一致してボクのお腹を所望する。
「背中だけでいいよ? お腹は洗えるから──」
幼女たちは、そのぬるぬるの手でボクの身体を起こしにかかる。
「──お腹はこそばゆいから、しなくていいから~」
「大人はしてたじゃん。ずるい」
「そうそう」
「みんな、悪い大人の真似しちゃダメ。こそばゆいから、ね?」
「ひゃひゃん……いひひひぃ~」
そう言って、タンポポちゃんのお腹をくすぐる。すごく良い反応です。
「ほらほら」
「ひゃっひゃっひゃっいぃ~」
今度はアリサちゃんをくすぐってみる。
「ほら、こそばゆいからね」
マナちゃんは……彼女はやめておこう。タンポポ、アリサの有り様を見て後退ってる。
追い打ちに指をわきわきさせて迫ると、「きゃ~」っと叫んで逃げていく。
でも、走らないでね? 転ぶからね。
ちなみにタイル敷きじゃなく、タタキ? 珪藻土で仕上げられた床で滑らないけど転ぶと悲惨な目に遭うからね?
「分かったら、シャワーで流すよ?」
幼女ーズは「は~い」とまったく悪びれず答える。
「またソープを流すから前に来て……」
「「は~い」」
「は~い?」
タンポポ、アリサが元気に答え、マナちゃんが懐疑的に答える。もう、くすぐらないって。
そうして、元の位置に戻りイスに座ると、代わるがわる皆をシャワーで流し、また湯船に送り返す。
ふぃ~、幼女たちに揉みくちゃにされたよ。
さて、身体……はもう良いか……。さっと洗ってお湯に浸かろう。
「あの、お手伝いします……」
拭う程度に洗っていると後ろから声がかかる。
「ありがとう……。ああ、給仕の」
良く見たらタンポポちゃんの部屋で給仕してくれたメイドさんだった。
他も見たら女の人の中に見たことある人、給仕してくれた人がいる。
仕事終わりでお風呂に入りに来てたのか。
知らない人もメイドとか、ここで仕事してる人かな?
メイドの人は背中のぬるぬるを拭ってくれている。
でもさ~。
「あの、ちょっと密着しすぎ。離れてもらえます」
「大丈夫です」
「いや、そんなにくっつかなくても……」
「大丈夫、です」
振り向いて見たら目が怖かった。有無を言わせぬ眼力で見つめてきている。
仕方ないので、顔を戻しされるがままに……って悪い予感、既視感。さっきと同じような?……
シャワーノズルをひったくったメイドさんは、お湯をかけつつ擦りつけてくる。
スポンジでも手でもない……こう柔らかい、押されるとふにゅっと潰れる温かいもの。
どうしてこうも接触してくるのか?
次第にシャワーの音に交じって荒い息遣いがする。それに連れて密着度があがってくる。
これってヤバくねぇ?
と思うやいなや、手を回しボクのお腹や胸のソープを流してくれる。
って流してくれてるの、これ?
「素晴らしいです、キョウ様……」
メイドさんはそう言って、唐突にボクは解放された。
「ありがとうございます……っ!」
振り返ってお礼を言ったら、蕩けた表情で目が行ってた……あっちに。
視界の先に遠巻きに見ていた女の人たちが、いつの間にか後ろで囲んでた。
まずい。ヤヴァすぎ、ここ。十六年、生きてきて、これ程ヤヴァいと思ったこと、ない!
慌てて、シャワーを止めホルダーに戻すと湯船に飛び込んだ。
いろんな意味で冷えきった身体をお湯で温める。
「はぁあああ~♪ 極楽、極楽~」
息を抜いていたら「遅い!」タンポポちゃんに怒られた。
ホワァイ?
なんかボクが浴槽に浸かるのを子供たちは待ちわびて待ちくたびれたらしい。
それって誰のせい? ボクじゃないよね?
お湯に浸かると今度はボクの膝争奪戦が勃発したとかなんとか……(白目)
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