上 下
71 / 203
3.喜多村本家に居候

71.おままごと系・就寝編

しおりを挟む
「キョウはそこに立って」

 タンポポちゃんはベッドに立ってボクのキャミソールを脱がそうと躍起やっきになる。

 ボクは視線でサキちゃんに「なんとかして?」と救援きゅうえん要請ようせいする。

「ヒィッ……折角だし……付き合って……やれ」

 そのサキちゃんは、口元を右手でおおって左手をお腹に、笑いをこらえている。

 折角って何? 人ごとだと思って~。

 ボクは仕方なく脱がしやすく両手をあげたり頭を傾ける。

「気が利くじゃない」と上機嫌のタンポポちゃん。

 アリサちゃんもベッドに上がって一緒に脱がしてくる。

 その陰でミナちゃんがショーツを引っ張り脱がそうとする。

「ちょ、ミナちゃん? 下はやめて。サキちゃん、止めてよ」
「〝魚心あれば水心〟というじゃろう? 付き合ってやれ」

 それ違う。『毒を食らわば皿まで』が近いよ?

 もう、好きにして。

「タンポポちゃん……カーテンを締めて部屋を暗くして……」
「もう面倒くさいわね。暗くしたら見えないじゃない」
「暗くしないなら、ボクは帰る」
「……しょうがないわね。ちょっと待って」

 タンポポちゃんは、この部屋本来のドアまで行ってコントロールパネルをいじる。

 すると、カーテンが締まって一気に部屋が暗くなる。

 マナちゃんへの抵抗を緩めると、ショーツが脱がされていく。

 ボクは両手で顔をおおって恥ずかしさにえた。

「なあ~んだ。私たちと変わらないね?」
「う~ん、がっかり」

 タンポポちゃんとアリサちゃんは、ボクの身体を洗いざらい見てそう言う。

 君たちね~、見たがったワリに失望するの早いよ?

 タンポポちゃんの年代なら男は女から作られたって教わったでしょう。

 男と女の性差はほぼ無いって、これから教わって姿が近いって分かるから。

 マナちゃん、アリサちゃんはこれからだろうけど

 そうして小学二年から八年かけ男とは何か、その扱いを覚えて、女の欲望と折り合いを付けていく。

 それを乗り越えてやっと高校で男と出会うのが普通なんだよ?

 まあ、高校に出て来ない男もいるけど。

「さあ、満足したじゃろう? 昼寝の時間じゃ」
「そ、そうね。じゃあ寝ましょうか」
「うん……寝る」
「うん、寝よう」

 サキちゃんの言葉に皆が合意する。

 ゴメンね、がっかりさせて。でも、ショーツは返してね?

「わしは、帰る。キョウよ、皆を頼む」とサキちゃんはタンポポちゃんの部屋へ戻って帰っていく。

 寝るのは決定したけど、ボクの隣は誰かで揉めた。

 ボクはベッドの中央で横になって、その成り行きを見守る。

「確か、父さんの上に母さんが乗ってたのよね~?」
「知らない……」
「そう? 裸で寝てたのしか知らない」

 また変な方向で幼女たちが話し合う。

「キョウは知ってるんでしょ? マキナおばさんの妻なんでしょ? 教えなさいよ」
「さあ? マキナがすべてしてるから知らない」

 半分そうだ、間違いじゃない。

 はぐらかして答えていたら口数が少なくなって……。本当に眠くなってきた。早々に話合いから離脱したマナちゃんは左で横になり抱きついている。

 子供って体温が高い。添い寝されるとぽかぽかする。その温かさが眠気を誘う。

 そして、ミルクのような匂いがして安らぐ。

 結局、右にアリサちゃんが、左にマナちゃん。ボクの上にタンポポちゃんが眠る。

 マナちゃんが左にいるので配置はすぐ決まったみたいだけど。

 横になると、皆お眠の時間だったので本当に眠ってしまった。




「……さま……くだ……」

 誰か呼んでる?

「──キョウ様、起きてください……」

 気づいたらメイドさんに起こされてる。

 お約束をやらかした……。ドア近くに護衛も付いてきて覗いてる。

 ボクが見つからないメイドさんは護衛の二人に聴き、ボクを捜して本館にたどり着いたようだ。

 だけど、近寄らないで声をかけている。むつごとのあととか思われてないよね?

 寝ぼけ眼で急いでキャミソールをたぐり寄せて着ける。

「キョウ様ってビッチっていうか、たらしですね?」
「誑し込んだつもり、ないけど?」
「ベッドの有り様を見てそう言えます?」
「…………」

 返答に困る。確かにショーツ一枚で半裸の皆と寝てたら、ね?

「サキちゃんって子が、やれって」

 まあ言い訳にしかならないけど言っておく。

「我々は戻りますから、マキナ様が居ないからって羽目を外さないでください」
「いや、羽目を外すも何も、何もしてないからね?」
「分かってますって、分かってます」

 黙ってますから、って返っていった。

 本当に誤解だからね~?

 のろのろ、起きた子たちには、お風呂~とねだられる。でも、その時間が無くなってる。

「食事になったから、またね──」
「食べたら一緒よ、お風呂」

 またの機会にと思ったけど……食後に決まった。

「はいはい」
「はいは、一回」

「あ、はい」と返事し直す。親はちゃんと教育してるようですね。

 身なりを調えてタンポポちゃんの部屋に戻ると食事が用意されていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました

ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら…… という、とんでもないお話を書きました。 ぜひ読んでください。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

13歳女子は男友達のためヌードモデルになる

矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。

妻がヌードモデルになる日

矢木羽研
大衆娯楽
男性画家のヌードモデルになりたい。妻にそう切り出された夫の動揺と受容を書いてみました。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

処理中です...