【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

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2.新居からの新生活

40.自室でモブシーン

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「おお! すごいな」

「うぐっ! 撮影さつえいしたい」

「まさに」

「立派過ぎるな。何人と寝るんだ?」

 やはり、部屋にドン! と鎮座ちんざするベッドに皆、目が行くか。ボクとしてはテラスの豪華ごうかさとかおすすめなんだけど。

 物欲しそうに見詰めてくる文芸部のふたりは黙殺もくさつする。

 水無ミナちゃんは、ベッドにダイブしたあと、掛け布団をめくると顔をめスーハースーハー、こちらにも聴こえるほど深呼吸している。

 タマちゃんは、ベッドの周りを回って見分してる。

 中の匂いまでは気が回らなかったな。念のため、赤井さんに寄って布団の消臭具合をいてみた。

「大丈夫ですよ」

 一番に手入れしましたと言ってくれ、消耗品のシーツは新しくしているんだとか。

 さすが赤井さん、出来る。

 文芸部の二人もベッドに目をうばわれていたが、そこよりは机や本棚に移っていく。

 警護士のふたりはドア横の定位置で興味を示していなさそうには見える。

 五条先生はゆっくり部屋の中を見て回っている。

 せめて、警護士や赤井さんのようにドア辺りの全体を見渡せる位置で監督していてくださいよ。

 羽鳥来はっとりさんも同様、さっと見回したあとは窓の方に歩いていく。

 五月さつきヶ原くんはベッドを一瞥いちべつして文芸部のいる机の方へ移っていく。

 皆の動向も気になるが、それよりヘッドボードの辺りをいじってるタマちゃん。何やってるの?

 まったく、あっちもこっちも好き勝手に。

「いい加減、水無ミナちゃん止めて!」

 って言った側から「おおっ!」っとタマちゃんの感嘆が聴こえた。

 その声に振り向くとヘッドボードにかぶさってたなみたいなのがり上がってくる。

 タマちゃん、君は本当に!

 ボクも知らないそれを見にいくと、ピリリと携帯端末が鳴った。

「何なんだ、こんな時に──」

 端末の画面を見ると、

〔お前は部屋で何やってる!(〕と、マキナからのげき文が!……。

 足を止め、画面から顔を上げて見回す。マキナに見えてる? 見られてる?

 ドアの方を見ると赤井さんや歩鳥ほとりさん、斎木さんも微動びどうだにしていない。

 五条先生は、鏡の壁を興味深そうにのぞき込んでいる。顔を近づけて鏡を凝視ぎょうししている。

 とても映った自分の姿を見ている風じゃない。気づいた?

 そんな事より、水無ミナちゃんだ。

水無ミナちゃん、レッドカード! ベッドから降りて」

「レッド──何それ?」

「えっと、サッカーなんかで一発退場させる警告だよ」

「退場って、キョウちゃんにそんな権利があるの?」

 何を言ってるんだ君は? ボクは審判よりも強権を持っているのだよ?

 黙って端末の画面を水無ミナちゃんに見せて、手前に向けた親指で首をかき仕種しぐさをした。

 水無ミナちゃんは、顔をあおくして「こ、こええっ!」っと身体を起こした。

「早く、ベッドから降りる」

 って言ってる内にまた着信がピリリと鳴った。

「何なに? お仕置しおき……プププッ」

 画面をのぞき込む水無ミナちゃんの反応に、なんだと思って画面を見ると……。

〔寝室、お前の部屋に入れるとは聞いてない。──

 はい、言ってません。

 ──今夜はお仕置きだからな!(怒)〕

 オーノー! 怖いよ。まだ、お仕置きされた事ないけど、だからこそ怖いよ。

「さ、さあ、もう大人しくしてよ?」

「へい、へい」

 やっと、水無ミナちゃんがベッドから降りてふちに座る。さて……。

「で、タマちゃんは何してるのよ?」

かくし機能」

 タマちゃんは、立ち上げたヘッドボードにある小物れの引き出しを引き出しては中を確認している……。

 ボクも知らないんだから何もないよ。

「もう気がんだでしょ? テラスとかどう? ながめが良いよ」

 と、そこへまた着信が……。何なに? 端末に新しく表示された短文を確認する。

〔その細い男子をベッドから遠ざけろ! 早く!〕

 引き出しを確認し終えたタマちゃんが、次はベッド回りの下、床板を支えるビームを点検している姿があった。

 そんなにあせる事かと見ていると、引き出しがり出してきて……また、着信音が鳴る。なんなの、一体?

 画面を見ながら、その引き出しを見ると紅いベルトとか、いかにも如何いかがわしいブツが見えて……これはマズいと思った!
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