【悲報】みんながボクを狙ってる?~婚姻したら裸にされるし拐われそうになるし、挙げ句、狙われてるって誰得ですか?~

ペロりねった

文字の大きさ
上 下
23 / 203
2.新居からの新生活

23.部活の日

しおりを挟む
 ノートなどであおぐ、そのはだけた胸元からは下着──スポブラとかキヤミとかがのぞいている。

 あろうことかスカートをまくって中を扇ぐもいる。ズボンのはずり下げていたり、穿いてなかったり……。

 二の足をんだけど意を決して歩を進める。

「ちょっと、換気かんきしなさいよ! そこ、ズボン穿け!」

「そうそう」

 ミナちゃんとタマちゃんはあからさまに不快な顔をして文句を付けている。

 換気とか言っても既に窓は開け放たれてるんだけど、風がないと上手く空気は入れわらない。

 見た感じ、匂いの発生は継続しているし。最近、ぎ慣れている匂いに頭がクラクラしそう。

 〝春〟の季節だししょうがない。今は生垣きがき先生の話にもあった時期﹅﹅だから。

 まあ、〝夏〟や〝秋〟の時期もあるワケだけど。

 四限について「何を教わってたの?」と汗をぬぐいながら不躾ぶしつけに訊《き》いてくる女子もいる。

「婦夫生活の心構え、みたいな?」と返しておく。

 何なに? とそれ以上訊いてくるのには無視だ。女子も教わるよ、と誤魔化ごまかす。

 机の下で薬指の指環ゆびわでて思いをめぐらす。ボクについては、何もかも他の二人と会ってみないことには始まらないよな。

 なんとか五時限を終えた。女子のフェロモンをいっぱい吸って心臓の鼓動が早くなり授業に集中できなかったけど。

 ホームルームも済ませると、部活と帰宅する者に分かれる。

 月水金はクラブ活動の日になっている。男子は基本、運動部を禁止され参加しても文化部どまり。

 ミナちゃんは調理部で頑張って、タマちゃんは帰宅部だ。本当は、ミナちゃんと同じく調理部をやりたかったんだけど。

 ボクは特別に許可されて陸上部のマネージャーしてる。部のリーダー格の先輩に入園してすぐわれて仕方なく。

 マネージャーといっても真似ごとでしかなくおかざりみたいな感じだ。マスコット? 部員集めの客寄せみたいにされている。

 ジャージに着替え、おくれて陸上部の部活にでる。

 ここは元女子校から共学になったので更衣室がない。優遇されている男子だけど、更衣室を新設するほど予算がないのか、空き教室を改装して男子更衣室にてられている。

 部室棟に行けば着替えられる女子と、その更衣室の行きがあるボクとではそれだけタイムロスがある。

 グランドの周りを走ってアップ、整理運動。ストップウォッチ、白線引きなどを準備して待機。

 グラウンド縁の階段で飲み物とタオルの番をしながら、タイム計測を言い付けられると、それに当たる。

 特にすることなく黄昏たそがれてると赤井ケイト先輩が水分補給にやってきた。

 このケイト先輩がボクを陸上部に引き込んだ張本人で三年生、七月には卒 ※が控えている。

 ケイト先輩は、なにか家政婦の赤井さんと似てるんだよね。

 そう思いつつ先輩を見ながらタオルと飲み物を渡す。

「なんか今日は、感じが違うな。何かあった?」

「それが──」

 ボクの微妙な変化を見つけたのか先輩が訊いてくるので、まず直近の教室での匂い騒ぎを話した。

 大元は一昨日からのお見合いからなんだけど、それを話してもどうしようもないしね。

「ごめん。匂わない?……」

 聞いた先輩が、風下に回るようにボクから離れた。

「いえ、外ではこもらないから大丈夫です。先輩はいい匂いです」

「そ、そうか?」

 まあ、過去遠征えんせいの帰り同じ車中でいだ匂いは今日の教室ほどじゃなかったし。

 季節がらの時期﹅﹅の匂いが多分にあったのと、最近浴びているマキナと似た匂いに条件反射したみたいなものだと思う。

「…………」

「どうかしました?」

 押しだまった先輩がボクの下半身、いや下ろした手を凝視ぎょうししている。あやや、バレちゃったか。

「そ、それ……その指環は?」

「ああ、これ、ね? 先日、婚約したので……」

 とっさに隠しても遅いだろう。右手とかで隠すように心掛けてるけど失敗。

「そんな……婚約……」

 まるでこの世の終わりみたいな顔をしないでください。卒業までに、男は売れていくのですよ。


 一昨日からのあらましを話すと、お見合いですぐ婚約したのに驚き、すぐ新居に迎えられたことにショックを受けて、そこからの話を聞いていない様子だった。

「キョウには……卒業まで……待って」

「えっ、なんです?」

 先輩が何かつぶやいたので聞き返すが答えはない。

「ああ……卒業したあとが心配でね。就職とか……」

 誤魔化すような先輩の告白は、卒業の先が気になって試験勉強や陸上部の練習に身が入らない、というものだった。

 確かに陸上部の成績がかんばしくないようだけど。

 陸上の方はともかく、勉強会でもしましょうか、と提案してみる。集まってやればなんとかなる、みたいな。

「まあ、大丈夫だいじょうぶ。俺、頑張るから!」

「は、はあ……頑張ってください?」

 なにかから元気のような威勢いせいで練習に戻っていく。やはり練習の様子はから回りっぽかった。

 少し先輩とはみ合わない感じが続いたが、部活を終えた。

 家政婦の赤井さんとケイト先輩との関係について訊こうと思っていたけど、また今度にしよう。



※注)卒業:7月に卒業のシーズンがあり、8月はバカンスで、9月は入学・進級シーズンです。(諸般の事情によりw)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

おねしょ合宿の秘密

カルラ アンジェリ
大衆娯楽
おねしょが治らない10人の中高生の少女10人の治療合宿を通じての友情を描く

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...