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トリップ47というサークルだってそうだ。
1人だったら日本全国を旅行するなんてできなかった。
でもこのサークルに入って、自分達で計画を立ててあれこれしているうちに、近場だったら1人でも小旅行できるくらいにはなった。
自分で何かをやってみようという気持ちがないと、身に付けたい力は付かない。
「でもバイトってお金貰うじゃないですか。それなのに鈍くさいことをしていたら迷惑になりそうで」
「最初から完璧にしようと思うからそういう考えになるんだって。徐々に慣らしていって、1つずつできるようにしていくんだ。反復作業で身に付けていくってのは、受験勉強の時に経験済だろ?」
「はい・・・でも何度やってもだめなことってありますよね」
「だったら諦めて次のバイトを探せばいい。1つにこだわり続ける必要ないんだし」
「それだと長続きしないやつって思われて、次のバイトで断られたりしませんか?」
「大丈夫だよ。たかがバイトだし。就職の時にそれだとさすがに問題有りだけど、バイトはもっと気軽に考えればいいよ」
「気軽に・・・ですか」
「早くバイト見つけないといつまで経っても朝食抜きのままだぞ。とりあえず何でもいいじゃん、やってみれば。大学生なんて講義受ける時以外は自由なんだし。この時間あるうちにいろんな経験しておかないと損だぞ。就職して社会人になったら本当に時間がなくて、休日は疲れて寝てるだけって卒業した先輩が愚痴ってた」
年に2回、サークルでは卒業生を交えて親睦会が行なわれる。
参加は自由だが、オレは昨年2回とも参加して、そこで卒業した先輩の愚痴を聞いたのだ。
「お前ら、時間があるうちに青春しとけよ」
これが親睦会の時に卒業した先輩から送られる愛のメッセージらしい。
ずっと変わらずこのセリフ。
社会人になるとこの言葉以外出てこないようだ。
その言葉を重く受け止め、オレは青春を謳歌している。
「自信ないんだったらオレのバイト先紹介してやろうか?オレからの紹介だったら入りやすいし、知り合いが一緒だと多少は安心だろ」
「本当ですか?」
コブラの顔がパッと明るくなった。
よほどバイトをすることに不安があるらしい。
バイト未経験なのかもしれない。
「ちなみにくまのさんは何のバイトをされてるんですか?」
「コンビニ。駅前の」
「え」
コブラの表情が一転した。
1人だったら日本全国を旅行するなんてできなかった。
でもこのサークルに入って、自分達で計画を立ててあれこれしているうちに、近場だったら1人でも小旅行できるくらいにはなった。
自分で何かをやってみようという気持ちがないと、身に付けたい力は付かない。
「でもバイトってお金貰うじゃないですか。それなのに鈍くさいことをしていたら迷惑になりそうで」
「最初から完璧にしようと思うからそういう考えになるんだって。徐々に慣らしていって、1つずつできるようにしていくんだ。反復作業で身に付けていくってのは、受験勉強の時に経験済だろ?」
「はい・・・でも何度やってもだめなことってありますよね」
「だったら諦めて次のバイトを探せばいい。1つにこだわり続ける必要ないんだし」
「それだと長続きしないやつって思われて、次のバイトで断られたりしませんか?」
「大丈夫だよ。たかがバイトだし。就職の時にそれだとさすがに問題有りだけど、バイトはもっと気軽に考えればいいよ」
「気軽に・・・ですか」
「早くバイト見つけないといつまで経っても朝食抜きのままだぞ。とりあえず何でもいいじゃん、やってみれば。大学生なんて講義受ける時以外は自由なんだし。この時間あるうちにいろんな経験しておかないと損だぞ。就職して社会人になったら本当に時間がなくて、休日は疲れて寝てるだけって卒業した先輩が愚痴ってた」
年に2回、サークルでは卒業生を交えて親睦会が行なわれる。
参加は自由だが、オレは昨年2回とも参加して、そこで卒業した先輩の愚痴を聞いたのだ。
「お前ら、時間があるうちに青春しとけよ」
これが親睦会の時に卒業した先輩から送られる愛のメッセージらしい。
ずっと変わらずこのセリフ。
社会人になるとこの言葉以外出てこないようだ。
その言葉を重く受け止め、オレは青春を謳歌している。
「自信ないんだったらオレのバイト先紹介してやろうか?オレからの紹介だったら入りやすいし、知り合いが一緒だと多少は安心だろ」
「本当ですか?」
コブラの顔がパッと明るくなった。
よほどバイトをすることに不安があるらしい。
バイト未経験なのかもしれない。
「ちなみにくまのさんは何のバイトをされてるんですか?」
「コンビニ。駅前の」
「え」
コブラの表情が一転した。
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