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ピコーンという通知音に反応して携帯を確認すると、包帯ぐるぐる巻きになった手の画像が送られてきていた。
続いて『骨にヒビ入っちゃった。ぐすん(T_T)』のメッセージ。
差出人を見ると、意中の人ヒカリちゃんだ。
「えー!!」
名前を二度見して声を上げた。
その間にピコーン、ピコーンと通知音が続く。
グループメッセージなので、そのグループに属しているメンバーは全員ヒカリちゃんからのメッセージを見ることができる。
この通知音はそんなみんなからの反応というか、返信メッセージだ。
『大丈夫?』
『それ、利き手じゃない?』
という心配の声に混ざって
『今日の旅行、行ける?』
というオレの言いたいことを代弁してくれているものがあった。
今日5月3日は、以前より計画していた四国への旅行出発日なのだ。
オレもヒカリちゃんもその旅行のメンバーである。
ヒカリちゃんの不参加なんて考えられない。
最近、いい感じになってきたのを良いことに、スキあらばここで告白を・・・なんて考えていたのだ。
それがこんなことになるなんて。
もう1度言うが、ヒカリちゃんの不参加なんて考えられない。
『旅行は行くよ。楽しみにしてたもん。だけどこの手なのでみんなフォローよろ(^^)』
ヒカリちゃんから参加の報告が来て、オレはホッと胸を撫で下ろした。
あぁ、良かった。
つまらない二泊三日になるところだった。
オレの安心とともにみんなからも歓迎のメッセージがピコーン、ピコーンと届く。
そんな中、ピロリロリンという異音が鳴った。
ダイレクトに自分だけに届くメールは、通知音を変えている。
確認すると、同旅行メンバーの涌井ことワッキーからだった。
『チャンス到来ではないか。この旅行でしっかり自分株を上げたまえよ』
ワッキーは同い年にして同い年からぬ物の言い方をする。
それがオレにとってはお気に入りだ。
大学に入学して間もなく仲良くなり、トリップ47という同じサークルに入り、そこで出会ったヒカリちゃんに恋するオレの良き相談相手になっている。
今も突然入った悲しい知らせをどうにかチャンスに繋げろ、とさりげなくアドバイスをくれたりするので、ワッキーには思ったことを包み隠さず何でも話せてしまう。
ワッキーの後押しで俄然やる気が出てきた。
よーし、この旅行でオレはヒカリちゃんの右手代わりになってやるぞー!!
気合いを入れてオレは出かける準備を進めた。
続いて『骨にヒビ入っちゃった。ぐすん(T_T)』のメッセージ。
差出人を見ると、意中の人ヒカリちゃんだ。
「えー!!」
名前を二度見して声を上げた。
その間にピコーン、ピコーンと通知音が続く。
グループメッセージなので、そのグループに属しているメンバーは全員ヒカリちゃんからのメッセージを見ることができる。
この通知音はそんなみんなからの反応というか、返信メッセージだ。
『大丈夫?』
『それ、利き手じゃない?』
という心配の声に混ざって
『今日の旅行、行ける?』
というオレの言いたいことを代弁してくれているものがあった。
今日5月3日は、以前より計画していた四国への旅行出発日なのだ。
オレもヒカリちゃんもその旅行のメンバーである。
ヒカリちゃんの不参加なんて考えられない。
最近、いい感じになってきたのを良いことに、スキあらばここで告白を・・・なんて考えていたのだ。
それがこんなことになるなんて。
もう1度言うが、ヒカリちゃんの不参加なんて考えられない。
『旅行は行くよ。楽しみにしてたもん。だけどこの手なのでみんなフォローよろ(^^)』
ヒカリちゃんから参加の報告が来て、オレはホッと胸を撫で下ろした。
あぁ、良かった。
つまらない二泊三日になるところだった。
オレの安心とともにみんなからも歓迎のメッセージがピコーン、ピコーンと届く。
そんな中、ピロリロリンという異音が鳴った。
ダイレクトに自分だけに届くメールは、通知音を変えている。
確認すると、同旅行メンバーの涌井ことワッキーからだった。
『チャンス到来ではないか。この旅行でしっかり自分株を上げたまえよ』
ワッキーは同い年にして同い年からぬ物の言い方をする。
それがオレにとってはお気に入りだ。
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今も突然入った悲しい知らせをどうにかチャンスに繋げろ、とさりげなくアドバイスをくれたりするので、ワッキーには思ったことを包み隠さず何でも話せてしまう。
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