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カナはそれからしばらく鏡台の前で化粧をしていた。
朝もしているから化粧直しと言った方がいいのか、とりあえずずっと化粧道具を触っていた。
その途中で携帯が鳴り出した。
カナの携帯だ。
浮気相手か?
オレは胸が高鳴った。
「あ、ケイコ?どうしたの?」
オレの予感は外れた。
どうやら女友達らしい。
「今?メイク直し中。彼氏、外出中だから今のうちに直しておかないと」
「だってやっぱ帰って来た時に化粧崩れの顔で出迎えとか、幻滅されるじゃん」
「最近夜友達とご飯行くこと多いんだけどね。え?浮気?そんなのする人じゃないよ。信じてるもん」
カナの言葉を聞くだけで、相手とのやりとりは何となく理解できた。
そしてそれを聞いているうちに、カナの浮気を疑う気持ちが徐々に消えていった。
男じゃない。
話し相手はただの女友達だ。
「じゃあね。またいいコスメがあったら教えてね」
電話はすぐに終わった。
カナは電話をテーブルに置くと、おもむろに鏡台下の引出しを開けた。
そこから何かを取り出し、ぶつぶつつぶやいている。
手にしていたのは、いつかカナにあげた願いが叶うという赤い葉だった。
「今日も事故とかしないで無事に帰って来ますように」
オレの安否を願っているのを聞いてオレは無意識に部屋の中へ戻っていた。
「あ…れ?シン、出かけたんじゃなかったの?」
まさかオレが覗き見していたなんて知る由もないカナは慌てふためいた。
オレはそんなカナをなりふり構わず抱き締めた。
「え?何?何?」
カナはさらに慌てふためく。
「ゴメン、カナ!本当にゴメン!!」
「え?何が?何謝ってんの?」
オレは自分が無性に恥ずかしくなった。
カナはこんなにもオレのことを想ってくれていたのに、少しの気の迷いで他の女と浮気して、しかもカナに疑いの目を向けて。
でもオレはこの時に自分の愚かさに気づくことができたんだ。
もっと遅かったら取り返しのつかないことになっていたよ。
朝もしているから化粧直しと言った方がいいのか、とりあえずずっと化粧道具を触っていた。
その途中で携帯が鳴り出した。
カナの携帯だ。
浮気相手か?
オレは胸が高鳴った。
「あ、ケイコ?どうしたの?」
オレの予感は外れた。
どうやら女友達らしい。
「今?メイク直し中。彼氏、外出中だから今のうちに直しておかないと」
「だってやっぱ帰って来た時に化粧崩れの顔で出迎えとか、幻滅されるじゃん」
「最近夜友達とご飯行くこと多いんだけどね。え?浮気?そんなのする人じゃないよ。信じてるもん」
カナの言葉を聞くだけで、相手とのやりとりは何となく理解できた。
そしてそれを聞いているうちに、カナの浮気を疑う気持ちが徐々に消えていった。
男じゃない。
話し相手はただの女友達だ。
「じゃあね。またいいコスメがあったら教えてね」
電話はすぐに終わった。
カナは電話をテーブルに置くと、おもむろに鏡台下の引出しを開けた。
そこから何かを取り出し、ぶつぶつつぶやいている。
手にしていたのは、いつかカナにあげた願いが叶うという赤い葉だった。
「今日も事故とかしないで無事に帰って来ますように」
オレの安否を願っているのを聞いてオレは無意識に部屋の中へ戻っていた。
「あ…れ?シン、出かけたんじゃなかったの?」
まさかオレが覗き見していたなんて知る由もないカナは慌てふためいた。
オレはそんなカナをなりふり構わず抱き締めた。
「え?何?何?」
カナはさらに慌てふためく。
「ゴメン、カナ!本当にゴメン!!」
「え?何が?何謝ってんの?」
オレは自分が無性に恥ずかしくなった。
カナはこんなにもオレのことを想ってくれていたのに、少しの気の迷いで他の女と浮気して、しかもカナに疑いの目を向けて。
でもオレはこの時に自分の愚かさに気づくことができたんだ。
もっと遅かったら取り返しのつかないことになっていたよ。
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