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カナコは同じ大学ではなく、うちと交流のある大学に通っていた。
大学同士が近いということもあって、授業の空き時間に約束して会うようにもなった。
やがてそれが頻繁に会うようになり、いつしか昼食はオレがカナコの大学に出向いて一緒に取るようにもなった。
傍から見たら完全な浮気だ。
でもカナはオレ達のことに気づいている様子は全くない。
携帯も肌身離さず持っているし、盗み見もされていない。
オレが口を割らなければバレることはなかった。
「ねぇ、今日の夜飲みにいかない?」
ある日、いつものようにカナコと昼食を取っていると、突然こんなふうに誘われた。
「夜か…」
カナにバレていないとは言え、夜に意味なく外出することは何か勘付かれそうで今まで避けてきた。
だが今までバレなかったから大丈夫という軽はずみな考えがオレにはあって、カナコの誘いにOKしてしまった。
しかしそこで生じた問題が1つ。
夜家を出る時にカナにどう言い訳するか。
なるべく嘘がバレないような嘘をつくのは難しい。
オレは元々アイデアがポンポン生まれるようなひらめき力はない。
散々悩んだあげく、オレはよくあるベタな言い訳をして家を出ることにした。
「今日夜男友達と飯食いに行く話が出ててさ、ちょっと行ってくるわ」
わざわざ男友達と付け加えたからバレないだろうなんて安易な考えだった。
「帰り、気をつけてね」
カナはそんなオレに何の疑いも持たずに送り出してくれた。
言い訳に悩んでいた時間がもったいないと思うほどあっけらかんだった。
オレはそんなカナの理解をいいことにカナを裏切ってカナコと飲みに出かけた。
大学同士が近いということもあって、授業の空き時間に約束して会うようにもなった。
やがてそれが頻繁に会うようになり、いつしか昼食はオレがカナコの大学に出向いて一緒に取るようにもなった。
傍から見たら完全な浮気だ。
でもカナはオレ達のことに気づいている様子は全くない。
携帯も肌身離さず持っているし、盗み見もされていない。
オレが口を割らなければバレることはなかった。
「ねぇ、今日の夜飲みにいかない?」
ある日、いつものようにカナコと昼食を取っていると、突然こんなふうに誘われた。
「夜か…」
カナにバレていないとは言え、夜に意味なく外出することは何か勘付かれそうで今まで避けてきた。
だが今までバレなかったから大丈夫という軽はずみな考えがオレにはあって、カナコの誘いにOKしてしまった。
しかしそこで生じた問題が1つ。
夜家を出る時にカナにどう言い訳するか。
なるべく嘘がバレないような嘘をつくのは難しい。
オレは元々アイデアがポンポン生まれるようなひらめき力はない。
散々悩んだあげく、オレはよくあるベタな言い訳をして家を出ることにした。
「今日夜男友達と飯食いに行く話が出ててさ、ちょっと行ってくるわ」
わざわざ男友達と付け加えたからバレないだろうなんて安易な考えだった。
「帰り、気をつけてね」
カナはそんなオレに何の疑いも持たずに送り出してくれた。
言い訳に悩んでいた時間がもったいないと思うほどあっけらかんだった。
オレはそんなカナの理解をいいことにカナを裏切ってカナコと飲みに出かけた。
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