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5.メデューサの呪い
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結局オレは家族全員が冬休みに入る今日までに、宿題を終えることができなかった。
理由はわかっている。
100%茉だ。
あいつが毎日押しかけてきたから予定が崩れてしまったのだ。
家族全員が揃うと、家の掃除だったり正月の買い物だったりいろんな用事を押し付けられて、なかなかまとまった時間が取れない。
こうなることがわかっているから早く済ませておきたかったのに。
年が明けて仕事が始まればまた静かな日はやってくるが、年明け早々勉強なんてしたくない。
しかしそうも言っていられない現状にふーっとため息が漏れる。
「おい、一真。これも買ってくれ」
ここはえぬえぬマーケット。
かつてクスミと放課後に寄り道したスーパーだ。
ここにあるUFOキャッチャーにNキャラのぬいぐるみがあるという誰かさんの話をかぎつけて来た思い出の場所だ。
結局Nキャラはなくて、帰りにクスミの家へ寄ることになったんだった。
今となっては懐かしい思い出だ。
まぁ兄キはその後も頻繁にクスミの家には行っているようだが。
このスーパーへは正月のおせち料理の買い出しに来ている。
兄キは買い出しに関して全く役に立たず、単なる荷物持ちとして連れてきている。
そして早速オレの手を煩わせようとしていた。
「兄キ、個人的に欲しい物があるならお小遣いで買ってくれ」
「それをしたくないから一真に頼んでるんだろ?」
「オレには母ちゃんから渡されている限られた予算があるんだ。兄キのつまらないお菓子を買う余裕なんてない」
「ちぇっ、ケチー」
と言いながらも兄キはオレが持つカゴにお菓子を入れてきた。
「おい!普通この流れなら諦めるはずだろ。何勝手にカゴへ商品を入れてるんだ」
「オレを普通だと思うなよ」
そうだった。
兄キはえぬえぬクエストの中でNキャラを推しに選んでいる時点で普通ではなかったんだった。
自分でもそれはわかっていたのか。
それは褒めてやろう。
「だいたいオレのことを荷物持ちとして連れてきてるんだろう?だったらこれくらいご褒美があってもいいじゃないか」
「うっ」
本当は兄キに買い出しを任せると、自分の欲しい物だけを買ってくるから1人で行かせられないだけなんだが。
仕方ない。
1つくらいは大目に見てやろう。
そんなに値段も高くなさそうだしな。
と思いつつ、中に入れたお菓子を見てみる。
「卵チョコ?何だこれ」
四角い箱には卵の形をしたチョコレートの中に?の絵文字が印字されていた。
卵型のチョコレートか?
「おいおい、エッグチョコを知らないのか?今時の小学生はみんな知ってるぞ」
ということは、これは小学生対象のお菓子なのか。
高校生にもなって選ぶお菓子じゃないだろう。
もっと年齢相応の物を選べないのか。
「エッグチョコは卵の中に玩具が入っているお菓子だ」
「え?チョコの中に?気持ち悪っ」
「ちゃんと玩具は包装されているから平気だ」
本当にそれで平気なのか。
食べ物の中にお菓子という発想がそもそもオレにはないのだが。
「この玩具はシリーズが定期的に変わるんだ。今回のシリーズはだな、聞いて驚くなよ?」
「えぬえぬクエストか?」
「なっ、何でそれを!オレが言う前にお前、カンニングしたな?」
いやいや、カンニングするまでもない。
話の流れ的にそうとしか考えられないだろう。
「まぁいいや。これ、全部で6種類あるんだがそのうちの1つは何が入ってるかわからないんだ。ちなみにあと5つはエヌマーと・・・」
頼んでもいないのに、兄キは卵チョコとやらの商品を説明し始めた。
理由はわかっている。
100%茉だ。
あいつが毎日押しかけてきたから予定が崩れてしまったのだ。
家族全員が揃うと、家の掃除だったり正月の買い物だったりいろんな用事を押し付けられて、なかなかまとまった時間が取れない。
こうなることがわかっているから早く済ませておきたかったのに。
年が明けて仕事が始まればまた静かな日はやってくるが、年明け早々勉強なんてしたくない。
しかしそうも言っていられない現状にふーっとため息が漏れる。
「おい、一真。これも買ってくれ」
ここはえぬえぬマーケット。
かつてクスミと放課後に寄り道したスーパーだ。
ここにあるUFOキャッチャーにNキャラのぬいぐるみがあるという誰かさんの話をかぎつけて来た思い出の場所だ。
結局Nキャラはなくて、帰りにクスミの家へ寄ることになったんだった。
今となっては懐かしい思い出だ。
まぁ兄キはその後も頻繁にクスミの家には行っているようだが。
このスーパーへは正月のおせち料理の買い出しに来ている。
兄キは買い出しに関して全く役に立たず、単なる荷物持ちとして連れてきている。
そして早速オレの手を煩わせようとしていた。
「兄キ、個人的に欲しい物があるならお小遣いで買ってくれ」
「それをしたくないから一真に頼んでるんだろ?」
「オレには母ちゃんから渡されている限られた予算があるんだ。兄キのつまらないお菓子を買う余裕なんてない」
「ちぇっ、ケチー」
と言いながらも兄キはオレが持つカゴにお菓子を入れてきた。
「おい!普通この流れなら諦めるはずだろ。何勝手にカゴへ商品を入れてるんだ」
「オレを普通だと思うなよ」
そうだった。
兄キはえぬえぬクエストの中でNキャラを推しに選んでいる時点で普通ではなかったんだった。
自分でもそれはわかっていたのか。
それは褒めてやろう。
「だいたいオレのことを荷物持ちとして連れてきてるんだろう?だったらこれくらいご褒美があってもいいじゃないか」
「うっ」
本当は兄キに買い出しを任せると、自分の欲しい物だけを買ってくるから1人で行かせられないだけなんだが。
仕方ない。
1つくらいは大目に見てやろう。
そんなに値段も高くなさそうだしな。
と思いつつ、中に入れたお菓子を見てみる。
「卵チョコ?何だこれ」
四角い箱には卵の形をしたチョコレートの中に?の絵文字が印字されていた。
卵型のチョコレートか?
「おいおい、エッグチョコを知らないのか?今時の小学生はみんな知ってるぞ」
ということは、これは小学生対象のお菓子なのか。
高校生にもなって選ぶお菓子じゃないだろう。
もっと年齢相応の物を選べないのか。
「エッグチョコは卵の中に玩具が入っているお菓子だ」
「え?チョコの中に?気持ち悪っ」
「ちゃんと玩具は包装されているから平気だ」
本当にそれで平気なのか。
食べ物の中にお菓子という発想がそもそもオレにはないのだが。
「この玩具はシリーズが定期的に変わるんだ。今回のシリーズはだな、聞いて驚くなよ?」
「えぬえぬクエストか?」
「なっ、何でそれを!オレが言う前にお前、カンニングしたな?」
いやいや、カンニングするまでもない。
話の流れ的にそうとしか考えられないだろう。
「まぁいいや。これ、全部で6種類あるんだがそのうちの1つは何が入ってるかわからないんだ。ちなみにあと5つはエヌマーと・・・」
頼んでもいないのに、兄キは卵チョコとやらの商品を説明し始めた。
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