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4.始まらない冬休み
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「冬休みはバイトしないのか?」
「バイト?何で?」
えぬたまのオムライスが自分でも作れるようになりたいから夏休みはえぬたまでバイトした。
えぬたまだけでなく、ランチがおいしい店は他にもたくさんある。
昨日はパスタがおいしい店があるとか言ってなかったか?
そこのパスタの作り方をゲットするつもりはないのか。
「もう何か食べたい物はないのか?」
「食べたい物?カズマは何か食べたい物があるの?」
「いや、オレはオムライスがあれば別に何でも」
何でオレが質問していることに答えずオレの意見を求めてくるんだ。
オレはオムライスは大好物だが、他は全て並レベルでも構わない。
第一、カップ麺でも満足できる男に何食べたい?はないだろう。
「もしかして私、オムライスしか作れないと思われてる?失礼ねー。パスタでもハンバーグでも唐揚げでも一通り作れるわよ」
「それはすごいな。いろんなところでバイトしてたのか」
「まぁね。でも専門店でバイトしたのはオムライスだけ。だから他のはお店の味っていうより、普通の味だけど」
普通の味って何だよ。
店に失礼だろ。
「何でオムライスだけ専門店なんだ?作り方を習得できるなら他も専門店で働いてた方が有利だろ」
「だってー、それはー、他はそれほどでもだけどー、オムライスだけー、特別っていう人が****・・・」
最後の方はごにょごにょ何を言っているかよくわからなかったが、要するに茉はオムライス以外特に興味はないらしい。
まぁ日本人が好きなメニューの上位にオムライスはあるし、これだけマスターしていればバッチリという茉の考えもわかる。
オレも昨日、今日とオムライスを食べているが、飽きないし苦痛でもない。
オムライスなら毎日でも大歓迎だ。
・・・茉は毎日だと勘弁だが。
「あー、1つ言っておくけど」
「何?」
「明日は絶っっっっ対来るなよ」
「何で?」
何でって何だよ。
来るつもりだったのか。
「明日で仕事納めだから、昼には兄キの母ちゃんが帰ってくる」
「ふーん」
「母ちゃんがいるとキッチン使えないからな。それに部外者がいると誰?ってなるだろ」
「部外者って何よー。失礼ねー」
どう考えても部外者だろう。
ただオムライスを一緒に食べただけでユノモト家の一員になれると思ったら大間違いだ。
「だからもうここには来るなよ」
できればこの先もずっと。
「ふーんだ。バカズマ」
おい!
何でいちいちバカ呼ばわりされないといけないんだ。
おかしいだろ!
最近そう呼ばれ続けて自然と馴染んでしまっているのが嫌だ。
人間、何でも慣れると馴染むというのはあながち間違いではないのだと痛感させられる。
茉は昨日と同様、使用した皿を洗い始めた。
茉が洗い役になるとオレは拭き役になる。
何でこんな学校の調理実習みたいな光景を家でもしているのか、全く理解できない。
が、とりあえずはオムライスで腹が満たされたので我慢する。
茉が持ってきた食材が余ったので、その分はユノモト家の冷蔵庫に寄付されることになった。
きっと母ちゃんは卵が増えていることを疑問に思いそうだが、まぁいいだろう。
「いいな?絶対来るなよ!」
帰り際、オレは茉に念押しした。
明日以降は茉が来ると本当にシャレにならない。
「何回も言わないでよ。私バカじゃないんだから1度言われたらわかるわよ」
今日も来たくせに何を・・・と思ったが、よく考えたらオレは昨日茉に来るなと言っていない。
言われなかったから今日も来たのか。
じゃあオレも悪いな。
・・・・・・・・・・・・って、そんなわけあるか。
常識的に考えて、歓迎していないのに連日家に押しかけるっておかしいだろう。
兄キとクスミみたいな恋人関係ならまだしも。
「バイト?何で?」
えぬたまのオムライスが自分でも作れるようになりたいから夏休みはえぬたまでバイトした。
えぬたまだけでなく、ランチがおいしい店は他にもたくさんある。
昨日はパスタがおいしい店があるとか言ってなかったか?
そこのパスタの作り方をゲットするつもりはないのか。
「もう何か食べたい物はないのか?」
「食べたい物?カズマは何か食べたい物があるの?」
「いや、オレはオムライスがあれば別に何でも」
何でオレが質問していることに答えずオレの意見を求めてくるんだ。
オレはオムライスは大好物だが、他は全て並レベルでも構わない。
第一、カップ麺でも満足できる男に何食べたい?はないだろう。
「もしかして私、オムライスしか作れないと思われてる?失礼ねー。パスタでもハンバーグでも唐揚げでも一通り作れるわよ」
「それはすごいな。いろんなところでバイトしてたのか」
「まぁね。でも専門店でバイトしたのはオムライスだけ。だから他のはお店の味っていうより、普通の味だけど」
普通の味って何だよ。
店に失礼だろ。
「何でオムライスだけ専門店なんだ?作り方を習得できるなら他も専門店で働いてた方が有利だろ」
「だってー、それはー、他はそれほどでもだけどー、オムライスだけー、特別っていう人が****・・・」
最後の方はごにょごにょ何を言っているかよくわからなかったが、要するに茉はオムライス以外特に興味はないらしい。
まぁ日本人が好きなメニューの上位にオムライスはあるし、これだけマスターしていればバッチリという茉の考えもわかる。
オレも昨日、今日とオムライスを食べているが、飽きないし苦痛でもない。
オムライスなら毎日でも大歓迎だ。
・・・茉は毎日だと勘弁だが。
「あー、1つ言っておくけど」
「何?」
「明日は絶っっっっ対来るなよ」
「何で?」
何でって何だよ。
来るつもりだったのか。
「明日で仕事納めだから、昼には兄キの母ちゃんが帰ってくる」
「ふーん」
「母ちゃんがいるとキッチン使えないからな。それに部外者がいると誰?ってなるだろ」
「部外者って何よー。失礼ねー」
どう考えても部外者だろう。
ただオムライスを一緒に食べただけでユノモト家の一員になれると思ったら大間違いだ。
「だからもうここには来るなよ」
できればこの先もずっと。
「ふーんだ。バカズマ」
おい!
何でいちいちバカ呼ばわりされないといけないんだ。
おかしいだろ!
最近そう呼ばれ続けて自然と馴染んでしまっているのが嫌だ。
人間、何でも慣れると馴染むというのはあながち間違いではないのだと痛感させられる。
茉は昨日と同様、使用した皿を洗い始めた。
茉が洗い役になるとオレは拭き役になる。
何でこんな学校の調理実習みたいな光景を家でもしているのか、全く理解できない。
が、とりあえずはオムライスで腹が満たされたので我慢する。
茉が持ってきた食材が余ったので、その分はユノモト家の冷蔵庫に寄付されることになった。
きっと母ちゃんは卵が増えていることを疑問に思いそうだが、まぁいいだろう。
「いいな?絶対来るなよ!」
帰り際、オレは茉に念押しした。
明日以降は茉が来ると本当にシャレにならない。
「何回も言わないでよ。私バカじゃないんだから1度言われたらわかるわよ」
今日も来たくせに何を・・・と思ったが、よく考えたらオレは昨日茉に来るなと言っていない。
言われなかったから今日も来たのか。
じゃあオレも悪いな。
・・・・・・・・・・・・って、そんなわけあるか。
常識的に考えて、歓迎していないのに連日家に押しかけるっておかしいだろう。
兄キとクスミみたいな恋人関係ならまだしも。
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