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2.メリーバースデー
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「兄キ、ちょっとキッチン使っていいか?」
待っていたらいつまでも待たされる気がしたので、オレは勝手に本題へと移った。
「キッチンー?勝手に使えよ。いつも断りなく使ってるだろ」
画面に見入ったまま兄キが答える。
「おーし、ついに来たぞー。中ボスとの戦闘だ!その前にセーブして・・・」
やっとえぬえぬタワーの頂上に達した兄キ達は、中ボスとの戦いに備えて準備を整えている。
そして中ボスに話しかけて戦闘画面に切り替わった。
「わー!!やっぱりやつだ。やつに似てる!!」
やつと言うのは茉のことなのだろう。
オレにはただのメデューサに見えるのだが。
似ているところと言えば、髪が長いところくらいか。
「兄キ、キッチンを使うのはオレじゃなくて・・・」
オレが言い終わる前に兄キは鬼の形相をして振り返った。
「うるっさいなー!だから勝手に・・・」
振り向きざまに怒声を上げた兄キの声は、なぜか次第に勢いをなくしていった。
何だ?
突然。
「あ・・・あ・・・あ」
そして突然怯えたように体を震わせ始めた。
もしかして。
兄キが見えている方向、つまりオレの背後に視線を移すと、そこには茉がいた。
なるほど、兄キのこの素直な反応に納得だ。
「おい、待ってろって言っただろ」
こういう展開が想像できていたオレは、やんわり茉を責めた。
「だってー、待ってるの暇なんだもん。それにお腹空いてるんでしょ?」
空いているが。
オレは兄キ達がゲームしている間にさっさと作ってもらって追い出す作戦だったのだ。
茉には悪いが。
「あわわわわわ。中ボスが2人。こっちにも・・・あっちにも・・・」
兄キはゲーム画面と茉とを交互に見比べてそんな意味不明なことをつぶやいている。
もちろん当の本人である茉には何が何だかよくわからない。
「何ぶつくさ言ってんのよ」
「わっ、やっぱりこっちの心の内を読んでくる!」
「はぁ?」
中ボスはこっちの言葉や心を読んで攻撃してくるメデューサみたいなやつ。
なるほど、兄キは自分でつぶやいた一人言が茉に届いていないと思って、心の内を読まれたと勘違いしているということか。
ゲームに洗脳されすぎだろ。
「どうでもいいけど、キッチン使っていいの?」
半ば呆れ気味に茉が尋ねる。
さっきから本題がなかなか先に進まない。
おかげでオレのお腹も空きっぱなしだ。
「何でユノモト家以外の者がユノモト家のキッチンを使うんだ?」
「あんた達がロクな物を食べてないって言うから作ってあげるって言ってんの」
「!?」
兄キが怪訝な表情を見せた。
毒を盛られるとでも思っているのか。
茉を敵視し過ぎだ。
「兄キ、どうせゲームしてるんだからいいだろ?オレ腹減ってるから作ってもらうわ」
「あぁ。今まで世話になったな」
一言だけ言うと、兄キはプイとゲーム画面に見入ってしまった。
おい、オレが毒を盛られたっていうことで関係を切るな。
まぁいいか。
これ以上無駄話をしている場合ではない。
早くお腹を満たせねば。
待っていたらいつまでも待たされる気がしたので、オレは勝手に本題へと移った。
「キッチンー?勝手に使えよ。いつも断りなく使ってるだろ」
画面に見入ったまま兄キが答える。
「おーし、ついに来たぞー。中ボスとの戦闘だ!その前にセーブして・・・」
やっとえぬえぬタワーの頂上に達した兄キ達は、中ボスとの戦いに備えて準備を整えている。
そして中ボスに話しかけて戦闘画面に切り替わった。
「わー!!やっぱりやつだ。やつに似てる!!」
やつと言うのは茉のことなのだろう。
オレにはただのメデューサに見えるのだが。
似ているところと言えば、髪が長いところくらいか。
「兄キ、キッチンを使うのはオレじゃなくて・・・」
オレが言い終わる前に兄キは鬼の形相をして振り返った。
「うるっさいなー!だから勝手に・・・」
振り向きざまに怒声を上げた兄キの声は、なぜか次第に勢いをなくしていった。
何だ?
突然。
「あ・・・あ・・・あ」
そして突然怯えたように体を震わせ始めた。
もしかして。
兄キが見えている方向、つまりオレの背後に視線を移すと、そこには茉がいた。
なるほど、兄キのこの素直な反応に納得だ。
「おい、待ってろって言っただろ」
こういう展開が想像できていたオレは、やんわり茉を責めた。
「だってー、待ってるの暇なんだもん。それにお腹空いてるんでしょ?」
空いているが。
オレは兄キ達がゲームしている間にさっさと作ってもらって追い出す作戦だったのだ。
茉には悪いが。
「あわわわわわ。中ボスが2人。こっちにも・・・あっちにも・・・」
兄キはゲーム画面と茉とを交互に見比べてそんな意味不明なことをつぶやいている。
もちろん当の本人である茉には何が何だかよくわからない。
「何ぶつくさ言ってんのよ」
「わっ、やっぱりこっちの心の内を読んでくる!」
「はぁ?」
中ボスはこっちの言葉や心を読んで攻撃してくるメデューサみたいなやつ。
なるほど、兄キは自分でつぶやいた一人言が茉に届いていないと思って、心の内を読まれたと勘違いしているということか。
ゲームに洗脳されすぎだろ。
「どうでもいいけど、キッチン使っていいの?」
半ば呆れ気味に茉が尋ねる。
さっきから本題がなかなか先に進まない。
おかげでオレのお腹も空きっぱなしだ。
「何でユノモト家以外の者がユノモト家のキッチンを使うんだ?」
「あんた達がロクな物を食べてないって言うから作ってあげるって言ってんの」
「!?」
兄キが怪訝な表情を見せた。
毒を盛られるとでも思っているのか。
茉を敵視し過ぎだ。
「兄キ、どうせゲームしてるんだからいいだろ?オレ腹減ってるから作ってもらうわ」
「あぁ。今まで世話になったな」
一言だけ言うと、兄キはプイとゲーム画面に見入ってしまった。
おい、オレが毒を盛られたっていうことで関係を切るな。
まぁいいか。
これ以上無駄話をしている場合ではない。
早くお腹を満たせねば。
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