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2.メリーバースデー
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「・・・変なことしてるんじゃないの?」
兄キは茉が家の中に入ってきたことなど気づいていないと思うが、茉は小声で尋ねてきた。
「あー、兄キはいつも変だから気にしないでくれ」
「そうじゃなくて」
「茉が心配しているようなことはやってないから大丈夫だ」
むしろ茉と似ているという中ボスをやっつけようとしていることが茉にバレる方が心配だ。
「じゃあちょっと兄キにキッチン使っていいか確認してくる」
「え?キッチン使うのに許可がいるの?」
「そりゃそうだろ。ここはオレの家じゃないんだから」
オレは兄キの親族ではあるが、兄弟ではない。
ただの居候だ。
そんなオレが他人の茉に許可なくキッチンを使わせる権利はない。
もちろんオレが使用する分には許可などいらないが、あいにく料理などしないので湯を沸かす時やレンジでチンする時しかキッチンには訪れない。
「じゃあ早く確認しに行きましょ」
靴を脱ぎながら家の中へ入り込んでくる茉をオレは制した。
「茉はここで待っていてくれ。オレが話をしてくる」
「えー、何でよ。私が使うんだから私が直接言うわよ」
「いやいやいや、オレが間に入らないと兄キはややこしいから」
そもそも兄キは茉が苦手なわけだから、家の中に入ってきただけでも文句を言うだろう。
それに中ボスを倒そうとしている姿を茉に見られたくない。
「すぐ終わるからちょっと待っていてくれ」
オレは茉を玄関に残したまま、兄キの部屋へ向かった。
オレ達が会話をしている間も兄キの部屋からはよくわからない兄キの叫び声が漏れていた。
「兄キー」
茉が心配していることが行なわれているとは全く思っていなかったが、一応声をかけながら兄キの部屋をノックする。
しかしオレのノック音は兄キの叫び声でかき消されていて聞こえないようなので、勝手にドアを開けた。
案の定、兄キとクスミは並んで座っており、ゲーム画面に見入っている。
「兄キー、ちょっといいかー?」
「あ?何だ?一真か。今いいところだから後にしろ」
兄キは背後にいるオレの存在を認めながらもテレビから目線を外そうとしない。
クスミも同じく前を向いたままだ。
ゲームはいいところなのか?
ただ、ザコ敵との戦闘シーンなのだが。
「えぬえぬタワーってこんなに複雑だったかな?いろいろ忘れてる」
「Nキャラが入ってる宝箱の位置とかは完璧に覚えてるんですけどね」
「当たり前だろ!?Nキャラなくしてえぬえぬクエストは語れないからな」
まるでえぬえぬクエストの主役がNキャラとでも言いたいような口ぶりだ。
もちろん違う。
主役はエヌマ―だ。
ただ、2人にとってはNキャラが中心に世界が回っているだけだ。
兄キは茉が家の中に入ってきたことなど気づいていないと思うが、茉は小声で尋ねてきた。
「あー、兄キはいつも変だから気にしないでくれ」
「そうじゃなくて」
「茉が心配しているようなことはやってないから大丈夫だ」
むしろ茉と似ているという中ボスをやっつけようとしていることが茉にバレる方が心配だ。
「じゃあちょっと兄キにキッチン使っていいか確認してくる」
「え?キッチン使うのに許可がいるの?」
「そりゃそうだろ。ここはオレの家じゃないんだから」
オレは兄キの親族ではあるが、兄弟ではない。
ただの居候だ。
そんなオレが他人の茉に許可なくキッチンを使わせる権利はない。
もちろんオレが使用する分には許可などいらないが、あいにく料理などしないので湯を沸かす時やレンジでチンする時しかキッチンには訪れない。
「じゃあ早く確認しに行きましょ」
靴を脱ぎながら家の中へ入り込んでくる茉をオレは制した。
「茉はここで待っていてくれ。オレが話をしてくる」
「えー、何でよ。私が使うんだから私が直接言うわよ」
「いやいやいや、オレが間に入らないと兄キはややこしいから」
そもそも兄キは茉が苦手なわけだから、家の中に入ってきただけでも文句を言うだろう。
それに中ボスを倒そうとしている姿を茉に見られたくない。
「すぐ終わるからちょっと待っていてくれ」
オレは茉を玄関に残したまま、兄キの部屋へ向かった。
オレ達が会話をしている間も兄キの部屋からはよくわからない兄キの叫び声が漏れていた。
「兄キー」
茉が心配していることが行なわれているとは全く思っていなかったが、一応声をかけながら兄キの部屋をノックする。
しかしオレのノック音は兄キの叫び声でかき消されていて聞こえないようなので、勝手にドアを開けた。
案の定、兄キとクスミは並んで座っており、ゲーム画面に見入っている。
「兄キー、ちょっといいかー?」
「あ?何だ?一真か。今いいところだから後にしろ」
兄キは背後にいるオレの存在を認めながらもテレビから目線を外そうとしない。
クスミも同じく前を向いたままだ。
ゲームはいいところなのか?
ただ、ザコ敵との戦闘シーンなのだが。
「えぬえぬタワーってこんなに複雑だったかな?いろいろ忘れてる」
「Nキャラが入ってる宝箱の位置とかは完璧に覚えてるんですけどね」
「当たり前だろ!?Nキャラなくしてえぬえぬクエストは語れないからな」
まるでえぬえぬクエストの主役がNキャラとでも言いたいような口ぶりだ。
もちろん違う。
主役はエヌマ―だ。
ただ、2人にとってはNキャラが中心に世界が回っているだけだ。
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