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2.メリーバースデー
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「ねぇ、中入れてよ。寒い」
茉がわざとらしく体を震えさせながら言う。
「ダメだって。オレの家じゃないから勝手に上げることはできない」
「何それー。じゃあユノモト兄に許可取ってきてよー」
「嫌だ」
「何でよー」
聞かなくても答えはわかる。
ノーだ。
兄キが許可するわけがない。
兄きは茉が苦手なのだ。
メデューサという敵に似てると言ってしまうくらい。
しかも今、そのメデューサが出るというゲームを中でしているわけだから、余計に入れることはできない。
どうすることもできずに立ち往生していると、オレのお腹が小さくぐぅと鳴った。
こんなしょうもないやり取りをしているうちに、12時近くになっていた。
生活リズムは変わらないので、昼になるとお腹が空く。
オレのお腹がエネルギー欲しさに鳴いている。
「悪いけど腹減ったからランチタイムにするわ」
「じゃあ食べに行こ。私パスタがおいしい店知ってるの」
「嫌だよ。休みの昼ご飯はカップ麺って決まってんの」
「はぁ?」
兄キの両親は共働きなので、昼のご飯時は不在だ。
なのでオレ達が休みの日の昼ご飯はカップ麺と決まっている。
毎度昼食の準備をしていられるほど朝時間に余裕があるわけではないし、かと言ってオレ達2人は料理ができるわけでもない。
毎度外食ができるほどお金が余っているわけでもないので、昼食は自然と手軽に食べられるインスタント食品になる。
「カップ麺って、それ昼ご飯じゃないし」
「昼ご飯だよ!」
カップ麺を昼食としている全国のカップ麺ファンの皆さんに謝れ!
あんな手軽でおいしく腹を満たしてくれる食べ物を悪く言うなんて許せん。
「しょうがないだろ。オレも兄キも料理できないし、手軽に食べられる物って言ったらカップ麺なんだ。親もその方が気軽でいいし」
両者にとって不満な点なし。
それこそがカップ麺!
茉はオレの言葉を聞くと、わかるように大きな溜息を1つついた。
「仕方ないわね。私が作ってあげるわ」
「?」
何言ってるんだ?
カップ麺すら作れないと思っているのか?
「いや、いいよ。湯を注ぐくらいオレにもできるーーー」
「カップ麺じゃないわよ!」
オレが最後まで言い切る前に、茉がオレの言葉を制した。
「私が昼ご飯料理してあげるって言ってんの」
「はぁ?」
何でだ。
何でそういう流れになる。
オレ達の昼ご飯がカップ麺だと何か不都合なことがあるのか。
「だってカップ麺だけじゃ栄養足りないでしょ?」
確かにカップ麺だけで必要な栄養素が取れるとは思っていないが、それは朝と夜でまかなえばいいだけだと思う。
「朝と夜はちゃんと食ってるから大丈夫だよ」
「でも毎日カップ麺じゃ飽きるじゃない」
「うちにはバラエティ豊かなランナップでカップ麺が揃っているから大丈夫だ。味も味噌とか豚骨とかいっぱいあるし」
「どれだけカップ麺好きなのよ」
「気楽でいいんだって」
ここにはラーメン系も焼きそば系もパスタ系もいろいろ含んだカップ麺がたくさんある。
兄キの親がオレ達のために買い溜めしてくれているのだ。
茉がわざとらしく体を震えさせながら言う。
「ダメだって。オレの家じゃないから勝手に上げることはできない」
「何それー。じゃあユノモト兄に許可取ってきてよー」
「嫌だ」
「何でよー」
聞かなくても答えはわかる。
ノーだ。
兄キが許可するわけがない。
兄きは茉が苦手なのだ。
メデューサという敵に似てると言ってしまうくらい。
しかも今、そのメデューサが出るというゲームを中でしているわけだから、余計に入れることはできない。
どうすることもできずに立ち往生していると、オレのお腹が小さくぐぅと鳴った。
こんなしょうもないやり取りをしているうちに、12時近くになっていた。
生活リズムは変わらないので、昼になるとお腹が空く。
オレのお腹がエネルギー欲しさに鳴いている。
「悪いけど腹減ったからランチタイムにするわ」
「じゃあ食べに行こ。私パスタがおいしい店知ってるの」
「嫌だよ。休みの昼ご飯はカップ麺って決まってんの」
「はぁ?」
兄キの両親は共働きなので、昼のご飯時は不在だ。
なのでオレ達が休みの日の昼ご飯はカップ麺と決まっている。
毎度昼食の準備をしていられるほど朝時間に余裕があるわけではないし、かと言ってオレ達2人は料理ができるわけでもない。
毎度外食ができるほどお金が余っているわけでもないので、昼食は自然と手軽に食べられるインスタント食品になる。
「カップ麺って、それ昼ご飯じゃないし」
「昼ご飯だよ!」
カップ麺を昼食としている全国のカップ麺ファンの皆さんに謝れ!
あんな手軽でおいしく腹を満たしてくれる食べ物を悪く言うなんて許せん。
「しょうがないだろ。オレも兄キも料理できないし、手軽に食べられる物って言ったらカップ麺なんだ。親もその方が気軽でいいし」
両者にとって不満な点なし。
それこそがカップ麺!
茉はオレの言葉を聞くと、わかるように大きな溜息を1つついた。
「仕方ないわね。私が作ってあげるわ」
「?」
何言ってるんだ?
カップ麺すら作れないと思っているのか?
「いや、いいよ。湯を注ぐくらいオレにもできるーーー」
「カップ麺じゃないわよ!」
オレが最後まで言い切る前に、茉がオレの言葉を制した。
「私が昼ご飯料理してあげるって言ってんの」
「はぁ?」
何でだ。
何でそういう流れになる。
オレ達の昼ご飯がカップ麺だと何か不都合なことがあるのか。
「だってカップ麺だけじゃ栄養足りないでしょ?」
確かにカップ麺だけで必要な栄養素が取れるとは思っていないが、それは朝と夜でまかなえばいいだけだと思う。
「朝と夜はちゃんと食ってるから大丈夫だよ」
「でも毎日カップ麺じゃ飽きるじゃない」
「うちにはバラエティ豊かなランナップでカップ麺が揃っているから大丈夫だ。味も味噌とか豚骨とかいっぱいあるし」
「どれだけカップ麺好きなのよ」
「気楽でいいんだって」
ここにはラーメン系も焼きそば系もパスタ系もいろいろ含んだカップ麺がたくさんある。
兄キの親がオレ達のために買い溜めしてくれているのだ。
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