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2.メリーバースデー

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そんなことよりメールだ。

携帯に登録されていないアドレスからの受信だった。

よくある迷惑メールの類かと溜息をつきながらメールを開いた。

『ハロー、マツで~す★』

茉!?

メールの送信者が判明したオレは、思わず怪訝な表情になった。

なぜならオレは茉に自分のアドレスを教えたことがないからだ。

「あれ?オレ、茉にアドレス教えたことないのに」

つい独り言が漏れる。

茉のメールには続きがあるのでスクロールする。

『ビックリした?実はダチからアドレス教えてもらったんだよねー』

ダチ?

誰だ、オレの個人情報を簡単に漏らすやつは!

許せんな!と思いつつ、続きを読み進める。

『で、突然なんだけど、今ユノモト家の近くにいるんだー。遊びに行っていい?』

は!?

遊びに行く?

家に、か?

ちょうどそのメールを読み終わったと同時に玄関のチャイムが鳴った。

おい!!

まさか!!

「あ、お客さん」

呼び鈴の音にクスミがいち早く反応した。

「おい、お客だ一真」

「は?」

「は?じゃないだろ。ピンポン鳴らされたら出るのが当たり前だろ」

その理論はわかる。

わかるんだが。

「普通、ここの家の者が出ないか?」

オレは一応ユノモトではあるが、この家の者ではない。

単なるイトコで、ただ居候しているだけだ。

「この家にいるやつは、外の者にとったらユノモト家の者だ」

「・・・まぁ、そうだな」

「何だったらクスミっちに出てもらうか?」

「絶対やめろ」

ユノモト家への来客を部外者のクスミに応対させるとはどういうことだ。

お互いに戸惑うだろ。

クスミは兄キの言葉を受けて一瞬立ち上がろうとしていたので、それを制してオレは玄関に向かった。

まったく、何で居候のオレが出ないといけないんだ。

兄キの両親も仕事ばっかりしてんじゃねーよ。

これじゃ1回も登場しないまま話が終わっちまうぞ。

「はーい」

外にいる相手に聞こえるかどうかは不明だが、オレはとりあえず玄関に着くまでに声を上げた。

そしてドアを開けながら尋ねる。

「どちら様?」

開けた瞬間、女の姿がオレの視界に映った。

「やっほー」

オレの姿を見たそいつは、手を振りながら笑顔を振りまいている。

正体は予想した通り、メールの送信者である茉だ。

オレはのん気に手を振っている茉を残してドアを閉めた。

「こらー、何してんのよ。開けろー」

外で1人残された茉は、当然ドアに歩み寄って怒っている。

「オレの本能が閉めろと言うんだ」

「あんた!お客様に対して失礼と思わないの!?」

「うん」

「うんって!!」

悪いが茉に申し訳ないという気持ちはない。

勝手に押しかけてきたわけだし、オレは歓迎していない。
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