second dice

N&N

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1.それからの2人

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「私、ユノモトくんの誕生日がクリスマスって聞いたので、ぜひプレゼントしたいと思って」

「それはありがたいけど誕生日は今日じゃないし、一週間後だし」

「あの、だから少し早い誕生日プレゼントです」

って言われてもなぁ。

誕生日より先に貰っても実感がわかないというか、何というか。

「一真、良かったな」

「え?何が?」

「実はNキャラの誕生日も25日なんだぜ」

ザコキャラに誕生日なんてあるのかよ。

しかもザコと同じ誕生日って!!

「嬉しいだろ」

「いや、全然嬉しくねーし」

「何だよ、プレゼントもそれに合わせてやったのに」

ゲッ!!

まさかNキャラ!?

オレはNキャラなんて好きじゃないと何度言えば・・・。

「ほい」

嫌な予感を抱きつつ、オレは兄キが差し出してきたものを恐る恐る見た。

オレの目の前にはエヌマーがちょこんと座っている。

「あれ?エヌマー?」

「はい。ユノモトくんはエヌマーが好きだと聞いたので」

「は?」

エヌマーが好きってクスミに言ったっけ?

記憶にないぞ。

「言った覚えないんだけど」

「何言ってんだよ!初めてNキャラ取って貰いに行った時、お前何がいい?って聞いたらエヌマーって言っただろ」

あぁ、あれのことか。

確かにあの時はそう言ったが。

「あれはあの中じゃエヌマーが1番ってことだ」

「1番=好きってことだろ」

ま、まぁ理屈ではそうかもしれんが。

「見ろ!一真の為にクスミっちはこんなにエヌマーを取ってくれたんだぞ!?」

そう言うと、兄キはクスミが持っていた袋を逆さまにして、中に入っていたエヌマーをコロンと出してきた。

3匹になったエヌマーがオレの視界につき刺さる。

「ま、こんなに多くても使った金は100円だけどな」

「エヌマーはたくさんいるので取れやすいです」

相変わらず凄腕で。

「とにかくクスミっちがせっかく取ってくれたんだからな。ありがたく受け取れよ」

「うっ」

ちきしょう!

感謝と逆の気持ちで泣けてくるぜ。

「あ、ありがとう、クスミ」

「どういたしまして」

本心で言えない罪悪感から、オレはその場に長居できなくなり自分の部屋へ戻った。

あーあ、これでエヌマーが4匹になっちまった。

さっき貰ったばかりの3匹を以前貰った1匹の横に並べてみる。

Nキャラより気味悪くないし、かっこいいけど4匹もいらないな。

何で集めているわけでもないのに集まるんだろう。

オレはふと4匹あるうちの1匹を取り、まじまじと見た。

うーん、どう見ても兄キがNキャラを好むみたいに大好きにはなれん。

そう言えば初めてこれを取ってもらった時、茉にやろうと思っていたんだ。

4匹まとめて茉にやろうか。

茉がまだエヌマーを好きだといいんだけど。

オレは部屋の中から4匹が入るくらいの妥当な袋を見つけ、4匹を袋の中にしまった。
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