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10.私が欲しかったもの
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「え…あの…」
多分生まれて初めて告白されたと思われる兄キは、クスミの告白にどうしたらいいのか困っている。
「兄キ、何してんだよ。返事だろ、返事!」
そんな兄キを察したクラスメイトはからかうように言う。
「え?返事って?」
しかし相変わらず疎い兄キだ。
「今の告白の返事に決まってんだろ?早く言ってやれよ」
「クスミが待ってんだろ?」
リアルな恋愛物語にクラスメイトはワクワクしながら結末を今か今かと見守っている。
しかし思ったように進んでくれないのが現実物語だ。
「い、今のは私が勝手に言っただけで返事とかいいですから」
クスミが流れを止めてしまった。
せっかく盛り上がりを見せていたのに、これは非常に残念だ。
「いや、言う。オレは言うぞ!」
しかしダメと言われるほどやりたがる兄キにクスミのセリフが効いたのか、なぜか兄キはやる気満々だ。
再びクラスメイトのワクワク感が戻ってきた。
「クスミっち!オレはNキャラが好きだし、クスミっちの持ってるNキャラも好きだ!」
ん?
…って、結局兄キが好きなのはNキャラだけかよ!
「クスミっちと仲良くなってからNキャラのことをもっと好きになった気がする。Nキャラをくれたからかもしれないけど、もっと仲良くなったらもっと好きになる気がするんだ」
兄キは散々Nキャラ好きを語ってクスミに手を差し出した。
「これからももっと仲良くしてくれ。Nキャラも好きだけど、Nキャラのことをクスミっちと語るのも好きだしさ」
そのセリフにクスミはポロッと涙を流した。
「…ありがとう。こんなに嬉しい気持ちになったの、生まれて初めてです」
クスミの涙声がリアルさを物語っていて、不覚にも‘兄キ、いいなぁ’なんてセリフが漏れてきたりした。
兄キはクスミのことを好きなんて一言も言っていないが、何となく二人は相思相愛という形にまとめられていた。
こうしてこのことがきっかけで兄キとクスミは付き合うことになった。
クラスメイトがこのやりとりを見ていたため、二人はクラスメイト公認の仲になり、誰も邪魔する者など出てこなかった。
それからというもの、兄キは昼食はクスミと一緒に食べながらNキャラ話で盛り上がっている。
帰りはクスミを家まで送るついでにクスミの家で『えぬえぬといっしょ』を見る。
休日はUFOキャッチャー巡りをしつつ、Nキャラを見つけたら取るというデートをするようになり、いつしか兄キはオレよりもクスミと一緒にいることが多くなった。
そして気づけばオレが一人ぼっちになり、完全にクスミと立場が逆転してしまっていた。
え?
そんなオチ?
多分生まれて初めて告白されたと思われる兄キは、クスミの告白にどうしたらいいのか困っている。
「兄キ、何してんだよ。返事だろ、返事!」
そんな兄キを察したクラスメイトはからかうように言う。
「え?返事って?」
しかし相変わらず疎い兄キだ。
「今の告白の返事に決まってんだろ?早く言ってやれよ」
「クスミが待ってんだろ?」
リアルな恋愛物語にクラスメイトはワクワクしながら結末を今か今かと見守っている。
しかし思ったように進んでくれないのが現実物語だ。
「い、今のは私が勝手に言っただけで返事とかいいですから」
クスミが流れを止めてしまった。
せっかく盛り上がりを見せていたのに、これは非常に残念だ。
「いや、言う。オレは言うぞ!」
しかしダメと言われるほどやりたがる兄キにクスミのセリフが効いたのか、なぜか兄キはやる気満々だ。
再びクラスメイトのワクワク感が戻ってきた。
「クスミっち!オレはNキャラが好きだし、クスミっちの持ってるNキャラも好きだ!」
ん?
…って、結局兄キが好きなのはNキャラだけかよ!
「クスミっちと仲良くなってからNキャラのことをもっと好きになった気がする。Nキャラをくれたからかもしれないけど、もっと仲良くなったらもっと好きになる気がするんだ」
兄キは散々Nキャラ好きを語ってクスミに手を差し出した。
「これからももっと仲良くしてくれ。Nキャラも好きだけど、Nキャラのことをクスミっちと語るのも好きだしさ」
そのセリフにクスミはポロッと涙を流した。
「…ありがとう。こんなに嬉しい気持ちになったの、生まれて初めてです」
クスミの涙声がリアルさを物語っていて、不覚にも‘兄キ、いいなぁ’なんてセリフが漏れてきたりした。
兄キはクスミのことを好きなんて一言も言っていないが、何となく二人は相思相愛という形にまとめられていた。
こうしてこのことがきっかけで兄キとクスミは付き合うことになった。
クラスメイトがこのやりとりを見ていたため、二人はクラスメイト公認の仲になり、誰も邪魔する者など出てこなかった。
それからというもの、兄キは昼食はクスミと一緒に食べながらNキャラ話で盛り上がっている。
帰りはクスミを家まで送るついでにクスミの家で『えぬえぬといっしょ』を見る。
休日はUFOキャッチャー巡りをしつつ、Nキャラを見つけたら取るというデートをするようになり、いつしか兄キはオレよりもクスミと一緒にいることが多くなった。
そして気づけばオレが一人ぼっちになり、完全にクスミと立場が逆転してしまっていた。
え?
そんなオチ?
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