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それから1ヶ月はずっと快晴だった。
雲一つない天気で、雨の心配も全くないくらい。
もちろん彼とは電車やホームで会うことはなかった。
そんなこんなで彼の顔も忘れかけてきたある日、雨が降った。
もうあの時からかなり日は経っているし、彼の姿は探さなくなっていた。
あんなこともあったな、と過去の思い出になろうとしていた。
だけどまた1つの思い出が増えようとしていた。
トイレで身だしなみを整えて改札口に向かった時、初めて見かけた時と同じように彼が1人雨宿りをしていたの。
私は無言で雨を見上げている彼に気づかれないように傘を開き、背後から傘を差し出した。
「…入れば?」
私の声に彼は突然振り向き、驚いたような表情を見せた。
その様子が初めての時に柔和な表情を見せていた彼からは想像ができなくて、思わず笑ってしまったの。
「笑うなんてひどいな」
照れ隠ししながら頭をかく姿も前回からは想像できなかった。
知らなかった面を知ったことに私は嬉しくなっていたわ。
何だか胸が熱くなっていくことに戸惑いを感じながらも、きっと私は彼に好意を抱いていたんだと実感していったの。
「久しぶりですね」
前回と同じく彼を横にして歩く通学路は、いつもと同じようでやっぱり何かが違った。
雲一つない天気で、雨の心配も全くないくらい。
もちろん彼とは電車やホームで会うことはなかった。
そんなこんなで彼の顔も忘れかけてきたある日、雨が降った。
もうあの時からかなり日は経っているし、彼の姿は探さなくなっていた。
あんなこともあったな、と過去の思い出になろうとしていた。
だけどまた1つの思い出が増えようとしていた。
トイレで身だしなみを整えて改札口に向かった時、初めて見かけた時と同じように彼が1人雨宿りをしていたの。
私は無言で雨を見上げている彼に気づかれないように傘を開き、背後から傘を差し出した。
「…入れば?」
私の声に彼は突然振り向き、驚いたような表情を見せた。
その様子が初めての時に柔和な表情を見せていた彼からは想像ができなくて、思わず笑ってしまったの。
「笑うなんてひどいな」
照れ隠ししながら頭をかく姿も前回からは想像できなかった。
知らなかった面を知ったことに私は嬉しくなっていたわ。
何だか胸が熱くなっていくことに戸惑いを感じながらも、きっと私は彼に好意を抱いていたんだと実感していったの。
「久しぶりですね」
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