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そんな女子が騒いでいる中、ひゅうまはおれに笑顔を見せた。

おれもそれを見て、ふっと笑って背中を向けた。

何も言わなくても、それで後は伝わる気がした。

さて、朝の会が始まるまでドッヂボールをしに行かないと。

「マサキー、ドッヂボールしに行こうぜ」

おれは教室内にマサキの姿を見つけて声をかけた。

「もう大会終わったから特訓しなくていいじゃん」

「特訓なんてもういいよ。ふつうにドッヂボールしに行こうぜ」

「そうだな。よーし、みんなドッヂボールしに行こうぜ」

マサキの誘いに何人かの男子が声を上げた。

みんなドッヂボールが好きなやつらだ。

その中にはもちろんひゅうまはいない。

ひゅうまはドッヂボールが好きじゃないから。

でもそれでいいと思う。

他に好きな物があるなら、そっちを追いかけた方がずっといい。

それが得意になって、人を救うことがあるから。

だからおれはもっとドッヂボールを好きにならなくちゃいけない。

「のぶ!早く!」

「今行くー」

マサキに急かされて、おれは教室を出た。

教室を出る直前、ひゅうまと目が合った。

小さく

「ありがとう」

と聞こえた気がした。
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