9 / 27
8
しおりを挟む
自宅へ入る前にひゅうまの雑貨店が目に入る。
店の入り口がこちらを向いているから仕方ないのかもしれないけど、見たくもないのに見えてしまうのは結構嫌なものだ。
ガラス張りになっていて、店内が丸見えなのも気に入らなかった。
なぜならそこには必ずおれより先に帰ってきているひゅうまの姿もあるからだ。
今日も嫌々ながらちらっと見た店内にはひゅうまの姿があった。
そしてさらにはおれのお母さんの姿もあった。
あろうことか、ひゅうまと何やら談笑している。
見つけた場所がスーパーであればお菓子の1つでもねだるためにかけ寄って行くのだが、ひゅうまの陣地となると話は別だ。
おれは一瞥をくれただけで自分の家へ入った。
ランドセルを放り出して手洗いを済ませると、親がいないのを良いことに早速携帯ゲーム機を取り出し始める。
いつもは1日30分までと厳しく言われているが、言う本人がいないとなるとしめたもの。
起動しながら早速前回までの記憶をよみがえらせる。
えーっと、そうだ。
1度敵にやられてしまったから、回復アイテムを買いにお店に行くところだった。
そうだ、そうだと思い出しながらゲームに没頭していく。
それから20分ほど経った頃だろうか、お母さんが帰ってきた。
「またのぶったらゲームばっかりしてー」
帰ってくるなりおれの手元を見たお母さんが溜息をつく。
「まだ30分たってないよ」
「どうだか。帰ってくるなり誰もいないと思って遊んでいたんでしょう?」
確かにそれはそうだが、それでも約束の30分は過ぎてはいない。
しかし言い訳をしてもきっと愚痴が続くはずだと観念したおれは、ゲームの電源を切った。
ちぇっ、いつもより損した。
こんなことなら帰ってくるまで待っておけば良かった。
「のぶー。夕飯までに宿題も済ませるのよー?」
ゲーム機を所定の位置に戻していると、続けて背後から声が飛んでくる。
おれは仕方なく放り出していたランドセルを引き寄せて、漢字ドリルとノートを取り出した。
店の入り口がこちらを向いているから仕方ないのかもしれないけど、見たくもないのに見えてしまうのは結構嫌なものだ。
ガラス張りになっていて、店内が丸見えなのも気に入らなかった。
なぜならそこには必ずおれより先に帰ってきているひゅうまの姿もあるからだ。
今日も嫌々ながらちらっと見た店内にはひゅうまの姿があった。
そしてさらにはおれのお母さんの姿もあった。
あろうことか、ひゅうまと何やら談笑している。
見つけた場所がスーパーであればお菓子の1つでもねだるためにかけ寄って行くのだが、ひゅうまの陣地となると話は別だ。
おれは一瞥をくれただけで自分の家へ入った。
ランドセルを放り出して手洗いを済ませると、親がいないのを良いことに早速携帯ゲーム機を取り出し始める。
いつもは1日30分までと厳しく言われているが、言う本人がいないとなるとしめたもの。
起動しながら早速前回までの記憶をよみがえらせる。
えーっと、そうだ。
1度敵にやられてしまったから、回復アイテムを買いにお店に行くところだった。
そうだ、そうだと思い出しながらゲームに没頭していく。
それから20分ほど経った頃だろうか、お母さんが帰ってきた。
「またのぶったらゲームばっかりしてー」
帰ってくるなりおれの手元を見たお母さんが溜息をつく。
「まだ30分たってないよ」
「どうだか。帰ってくるなり誰もいないと思って遊んでいたんでしょう?」
確かにそれはそうだが、それでも約束の30分は過ぎてはいない。
しかし言い訳をしてもきっと愚痴が続くはずだと観念したおれは、ゲームの電源を切った。
ちぇっ、いつもより損した。
こんなことなら帰ってくるまで待っておけば良かった。
「のぶー。夕飯までに宿題も済ませるのよー?」
ゲーム機を所定の位置に戻していると、続けて背後から声が飛んでくる。
おれは仕方なく放り出していたランドセルを引き寄せて、漢字ドリルとノートを取り出した。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる