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紙にはたった一言
『どういたしまして』
だけ書かれていた。
「何よー、ちゃんと返事来てるじゃないのー。これ、うみちゃんからでしょ?」
「わからないよ。今気づいたんだし」
「いやいやうみちゃんから以外に考えられないでしょう」
それはそうなんだけど。
本当に突然すぎて驚いてしまった。
きっとうみちゃんも僕のふせんを見た当初、同じように驚いたに違いない。
「どういたしまして、だって。やっぱりうみちゃんが拾い主だったのね」
「うん」
「こうやって返事が来るってことは、うみちゃんもあのふせんがこうたからだってわかってたのね」
「うん」
良かった。
拾い主がうみちゃんで。
良かった。
うみちゃんとなっちゃんが仲直りできて。
この『どういたしまして』がどっちのメッセージに対してなのか、あるいは両方に対してなのか、それはわからないけど。
でもお互いの気持ちがちゃんと伝わったのは事実だ。
心の声か・・・。
姉ちゃんの言っていたことが何となくわかってきた気がする。
「姉ちゃん、ふせんちょうだい」
僕が姉ちゃんにふせんを催促すると、パッと顔を輝かせた。
「あらー、あらあら!うみちゃんにメッセージ書くの?何?何て書くつもり!?」
ふせんを取り出しながらすっかり上機嫌になった姉ちゃんは、僕に体当たりしながら聞いてくる。
でも僕はそんな姉ちゃんに笑って言った。
「そんなの言わないよ。だって口に出せない一言用だから。ふせんってそういうものでしょ?」
ねえちゃんがふせんをくれる時に言っていた言葉だ。
それを伝えると、姉ちゃんは仕方ないという感じで黙り込み、僕に1枚ふせんをくれた。
僕はそのふせんを受け取ると、丁寧な字で書き込んだ。
うみちゃんに伝わりますように。
この気持ちが届きますように。
一字一字、想いを込めて。
『どういたしまして』
だけ書かれていた。
「何よー、ちゃんと返事来てるじゃないのー。これ、うみちゃんからでしょ?」
「わからないよ。今気づいたんだし」
「いやいやうみちゃんから以外に考えられないでしょう」
それはそうなんだけど。
本当に突然すぎて驚いてしまった。
きっとうみちゃんも僕のふせんを見た当初、同じように驚いたに違いない。
「どういたしまして、だって。やっぱりうみちゃんが拾い主だったのね」
「うん」
「こうやって返事が来るってことは、うみちゃんもあのふせんがこうたからだってわかってたのね」
「うん」
良かった。
拾い主がうみちゃんで。
良かった。
うみちゃんとなっちゃんが仲直りできて。
この『どういたしまして』がどっちのメッセージに対してなのか、あるいは両方に対してなのか、それはわからないけど。
でもお互いの気持ちがちゃんと伝わったのは事実だ。
心の声か・・・。
姉ちゃんの言っていたことが何となくわかってきた気がする。
「姉ちゃん、ふせんちょうだい」
僕が姉ちゃんにふせんを催促すると、パッと顔を輝かせた。
「あらー、あらあら!うみちゃんにメッセージ書くの?何?何て書くつもり!?」
ふせんを取り出しながらすっかり上機嫌になった姉ちゃんは、僕に体当たりしながら聞いてくる。
でも僕はそんな姉ちゃんに笑って言った。
「そんなの言わないよ。だって口に出せない一言用だから。ふせんってそういうものでしょ?」
ねえちゃんがふせんをくれる時に言っていた言葉だ。
それを伝えると、姉ちゃんは仕方ないという感じで黙り込み、僕に1枚ふせんをくれた。
僕はそのふせんを受け取ると、丁寧な字で書き込んだ。
うみちゃんに伝わりますように。
この気持ちが届きますように。
一字一字、想いを込めて。
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