*いにしえのコトノハ*5 匿名ごっこ

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もう1つの理由は昨日の出来事だった。

私はこうた君からお礼を言われることをしている。

小学校6年生の時にこうた君が親友のけいすけ君から引っ越しする前に貰ったキーホルダー。

私はこうた君がそれを宝物だと言って鞄につけていつも持ち歩いていたのを知っている。

そのキーホルダーが教室のごみ箱の中に捨てられていた。

一瞬我が目を疑った。

あんなに大事にしていた物を学校のごみ箱に捨てるなんて。

何か事情があるのかもしれないけど、こうた君がそんなことをする人には見えなかった。

私はそれを拾って軽く水で洗った。

そしてどうやって渡そうか迷った。

信じられないけど、これが意図的に捨てられた物であったとしたら、それを拾って返す行為はこうた君にとって迷惑になる。

でも間違いでごみ箱に捨てられたのだとして、それを見過ごしたら私は罪悪感でいっぱいになる。

どちらが正解かわからない。

うーん、どうしよう。

そうだ、直接渡さずに別の人から渡してもらおう。

散々悩んだ挙句、私は先生から渡してもらうことにした。

先生から渡されたら1度は受け取るだろうし、その後もう1度捨てたらそういうことなんだなって理解もできる。

だから私は先生にこうた君へ渡して欲しいと伝言して預けた。

もちろん私が拾ったということは絶対に秘密にしてってことを付け加えて。
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